

上田 「読書はお好きだったんですか?」
白取 「いや、読書が好きなわけではなくてつまらなかったんです、学校の勉強が」
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上田 | 「毎回、この『革命対談』で冒頭にお聞きしている質問があるんです。それは“白取さんはいつ白取春彦になったのか”というもので、幼少時から今の作家・翻訳家になるまで、どのように人生を歩まれて変わっていったのか、どんなターニング・ポイントがあったのか、ということなんですけども」 | ||||||||
白取 | 「ターニング・ポイントといったら、15歳の時にニーチェの詩集を買ったことですかね」 | ||||||||
上田 | 「詩集ですか?」 | ||||||||
白取 | 「『ニーチェ全詩集』というのがあって、哲学書とは知らずに詩として読んだんです。その頃から哲学は読みはじめましたね、ヤスパースの『哲学の学校』ですとか。で、15,6歳ですからこれからどうしよう、という気持ちがいつもあるわけです」 | ||||||||
上田 | 「なるほど」 | ||||||||
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上田 | 「読書はお好きだったんですか?」 | ||||||||
白取 | 「いや、読書が好きなわけではなくてつまらなかったんです、学校の勉強が」 | ||||||||
上田 | 「ああ~」 | ||||||||
白取 | 「ですから例えば倫理社会の授業で、先生はいろんな思想家や哲学者のことを教えるんですけど、僕は実際にその人達の本を読んでいたんです。すると先生よりは賢くなります。賢くなっても成績が上がりはしないんですが(笑)」 | ||||||||
上田 | 「はい(笑)」 |

