「それもそうだな、そういえばおまえ、アルファ建設の受注!すごいじゃないか!」
「あ、ああ…。まあな」。
今までどちらかというと上原を避けてきたが、思い切って話してみると苦手意識が少し薄れた気がする。
【25歳からのルール 59】 苦手な人にこそ声をかける!
オフィスに戻ると、部屋の隅で松井さんが川島次長と話していた。報告したいことがあったが、なんだか深刻そうな顔をしているから諦めてデスクに座り、本を開いた。
あらためて読んでみると、仕事のことだけでなく、日々の生活や生き方に関わることまで書いてある。
なんだか、ためになる本のようだ。
一休みがてら読み進めていると、話合いを終えた松井さんがやってきた。
「おう、中山。戻ってきたか」
「あ、係長。あの本、なかなかいいですね。まだちょっとしか読んでいませんけど」
松井さんはそうか、といった後、急に厳しい顔になった。
「どうしたんですか?さっきは次長とずいぶん話し込んでらっしゃいましたけど…」
「いや、じつは開発部から新製品のマルチコピー機をサンプルとして各担当地域に撒いてほしいという要望があったんだけど、石原部長が嫌がっているんだよなあ。新しい契約につながることだし、悪くないと思うんだけどねえ…」
「どうして嫌がっているんでしょうね」
「今までの経験上、あまり効果は出ないとおっしゃっていたけど。面倒を嫌がる人だからなあ」
管理職は大変そうだ。
きっと僕なんかにはわからない苦労があるのだろう。
でも、僕だっていつかは管理職になるかもしれないのだ。
そのためには、25歳の今どんなことをやるかにかかっている。
改めて本を開くとお金の使い方についてこんなことが書いてあった。
25歳からのお金の使い方はどちらだろう?
Q5 : さあ、中山はどっちの道に走るべきか?
1、若いうちこそ自己投資を!三ツ星レストランや、一流ホテルを利用して“本物”を知るのがいい。
2、お金はいつ必要になるかわからない、貯められるだけ貯めておくのがいい。
- 書籍名:あたりまえだけどなかなかできない 25歳からのルール
- 著者:吉山 勇樹
- 出版社:明日香出版社
- 定価:¥ 1,400 (本体価格+税)
- ISBN-10:4756913326
- ISBN-13:978-4756913326