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あたりまえだけどなかなかできない 25歳からのルール

ビジネスRPG小説

◆この物語の楽しみ方
この物語は明日香出版社から出ている『25歳からのルール』(吉山勇樹/著)を元にしたビジネスRPG小説です。
次々と出現するクイズに答えない限り読み進めることはできません。また、『33歳からの仕事のルール』(小倉広/著)を元にした物語も並行しており、両方読めばより深く、登場人物の考えを理解できるはず!

僕はダメな営業マンだ。
 それも“かなり” ダメな。。

「営業力をつける前に、人間力をつけなさい」と、入社してすぐ、営業部(僕が所属するのは「営業一課」。企業向けにマルチコピー機の営業をしている)の川島次長に言われたことがある。しかし25歳、子供のころからの趣味である昆虫採集そのままに生物学部を卒業したものの、彼女がいないどころか(くれぐれも誤解しないでほしいが草食系。。ではない)友達すらほとんどいない僕にそんな力が僕にあるわけがないし、そもそも人間力って何だ?

今日、僕が担当しているエリアの小さな建築事務所の所長から、会社に電話がはいった。
 「今後、君のところのコピー機を一切使わないから、近いうちに引き取りにきて」

はじめは何のことだかさっぱりわからなかった。こういったら何だが、その建築事務所とはいい関係を築いてきたと思っている。
メンテナンスもしっかりとやってきたし、向こうの要望にはできる限り応えてきた。向こうも僕に対して悪い印象は持っていなかったはずだ。

しかし、親しき仲にも、礼儀がなければいけなかったのだ。

一週間ほど前、僕は新商品の提案だけするつもりで、その建築事務所に行った。久しぶりだったし、所長と少し話ができればいいと思っていた。その訪問の仕方が問題だったのだ。

かれこれ2年近くの付き合いということや、その日の僕が他にも多くの案件を抱えていたこともあってアポイントなしで訪問してしまったのだ。

それがいけなかった。所長は話しぶりこそ穏やかだったが、怒っていた。  いま振り返れば、なんて浅はかなことをしてしまったんだろう。

その件を、僕の直属の上司である松井秀雄係長(33歳・独身)に報告した。課長は険しい顔をした。松井さんは、体育会系の多い僕の営業一課でも珍しく穏やかな人。その松井さんが、だ。

 怒られる…!と思った。僕は観念して下を向いた。
 「中山、おまえ今夜時間あるか?」
 「は、はい…?」
 「時間だよ。メシでも、と思ってね」
 「ええ、それなら」
 「よし、じゃあ決まりな」

夕方、松井さんと僕は、会社からほど近い小さな小料理屋に向かった。
正直なところ、お説教のために呼び出されたと思っていた。
過程はどうあれ、今日のできごとに話が向かうことは間違いない。
そして一対一のこの状況。どうせ怒られるなら、と僕は自分から話を切り出した。

「係長、今日は本当にすみませんでしたっ!」
食事の約束が決まった後すぐ、松井さんはその建築事務所に電話をかけたのだ。
係長が建築事務所とどんな話をしたかはわからないし、もちろん聞く勇気もなかった。
 「中山、今日の失敗で一番よくなかったのはどの点だ?」
 「それは…」
もちろん、親しい取引先とはいえ、アポイントなしで行ってしまったことだ。  「普通、取引先に訪問する時はアポを取ってから行くものですよね」
 「その通り」

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「中山、成功につながる失敗はどんな失敗だと思う?」

Q1 : さあ、中山はどう答えるべきか?
1、万全の準備をした上での失敗
2、事前準備が整っていない状態

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「あたりまえだけどなかなかできない 25歳からのルール」書籍写真

  • 書籍名:あたりまえだけどなかなかできない 25歳からのルール
  • 著者:吉山 勇樹
  • 出版社:明日香出版社
  • 定価:¥ 1,400 (本体価格+税)
  • ISBN-10:4756913326
  • ISBN-13:978-4756913326