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33歳からの仕事のルール

ビジネスRPG小説

もし、自分がこういうケースで道を教えてもらうときを考えたとして、一気に言われても確かに理解にしにくい。それに、迷われてもお金がかかるだけだし面倒くさいくらいから、道案内くらいちゃんとしないといけないな。 昨日買った『33歳からの仕事のルール』にもそう書いてあった。

あれ? そういえば、俺、こんな風に前向きになっているのっていつくらいぶりだったっけ。

その日、俺は思わずタクシー運転手に仕事の愚痴を言いまくってしまった。 タクシーの運ちゃんは「そうですね」と言いながら聞いてくれた。 気持ちがすっきりした。コミュニケーションって大切なんだな。

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【仕事のルール 26】 タクシーの道案内の仕方を変える

次の日、いつも通り出社し、メールチェックすると、営業二課のエース上原が大型案件を受注してきたらしい。 会社としては嬉しく、うちの課としては悔しいメールだ。 上原は中山と同期、これまでの大型案件をいくつか受注しており、社のホープとも言われている。

と、俺がヒラ社員時代に課長をやっていて、今は営業部の次長をやっている川島さんが俺の肩を叩いた。

昔から川島さんはこういう風に、「何を言わんとしたいのか分かるように」しゃべりかけるのが得意だ。優秀な人だが、俺の出来の悪さのせいなのか、全く俺を信頼しようとしない。

「営業二課は今月もノルマ達成だ。しかも大きくな。君は10年間、営業部で何をしてきたんだ? ノルマをギリギリでしか達成できないのはクズに等しいぞ。アフターフォローだけではもう無理なんだよ。そもそもお前は昔から工夫が足りない…」

デスクを掃除している営業事務の関野さんが心配そうにこっちを見ている。

しかし何でこの人はいちいち一言多いんだろう? 一発触発のムードに嫌気をさした俺は、「後半で巻き返します」とつぶやき、メールを処理して朝礼を終わらすと、さっさと営業先に出かけた。

俺は自問自答した。
俺が今までしてきたことは、客を大切にすることだ。出来るだけ要望は聞いてきたし、アフターフォローもちゃんとしてきた。何故なら、コピー機を使う人は取引先の企業だけではない。コピー機で刷られたその紙が、俺の知らない誰かに手渡される。そのとき、色がちゃんと出ていなかったらどう思う? それは、昔、川島さんに言われたことだった。しっかりと顧客を大事にすれば、成果は必ずついてくる。でも、今、それを大事にすることを否定されている。所詮はきれいごとだったのか? これも時代のせいなのか?

Q4 : さあ、松井はどちらの行動をとるべきか?
1、これまでの取引き先のアフターフォローはそこそこに、新規を増やしまくる
2、これまで通り手厚いアフターフォローを尽くし、顧客満足度を上げる

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「33歳からの仕事のルール」書籍写真

  • 書籍名:33歳からの仕事のルール
  • 著者:小倉 広
  • 出版社:明日香出版社
  • 定価:¥ 1,470 (本体価格+税)
  • ISBN-10:4756913407
  • ISBN-13:978-4756913401