新刊JPトップ
>
特集
> 田中伸治『会社再生ガール』
『会社再生ガール』の出版を記念し、大ヒットビジネスノベル『女子大生会計士の事件簿』の著者である山田真哉さんをお招きして対談を行いました!
会社経営の「現場」に携わる2人の対談、是非お読みください
1、
「自分の貯金を崩して社員に給料払ったりもしました」(田中)
2、
「企業再生の現場はずっと将棋みたいな思考をしている感じ」(山田)
3、
「執筆のきっかけは中小企業の社長が相談しやすい環境を作りたかったから」(田中)
4、
「社内にCFOがいないのが中小企業最大の問題点」(田中)
5、
「『女子大生会計士の事件簿』から色んなヒントを頂きました」(田中)「あ、それはありがとうございます!」(山田)
6、
「経営者は自分の会社を客観的に見る力が必要です」(田中)
■「経営者は自分の会社を客観的に見る力が必要です」(田中)
山田
実際、この対談を読まれている方は田中伸治さんがどんな方か分かりづらいと思いますが、ちょっと僕の感想を言っていいですか?
田中
お願いします。
山田
企業再生の分野って、それこそ先ほど『履歴書はきれい』って話もありましたけど、本当に履歴書きれいな方なんだろうなという雰囲気の方と、こいつヤクザだろっていう明らかに黒い感じの方々と二分されるんですよ、田中さんはどちらでもないんですね。すごく珍しいんですよ。田中さんみたいな方、少なくないですか?
田中
自分では分からないんですけどね。
山田
普通に大企業で課長していますと言われても似合うし、変なギラギラ感がないんですよね。明らかにギラギラしている人が多くないですか?
田中
この業界は多いですね。もう少し年配の方が多いですし。
山田
この前、脱税でつかまった某Yさんとか。明らかにギラギラしている方が多いイメージだったんですけど、田中さんは全くそれがないので、すごいです。それは昔からですか?
田中
特に意識してというのはないんですけど、まあ、経歴からしてそうなんですよね、おそらく。特に派手なことも過去していませんし(笑)。
山田
じゃあ名前検索しても、実はナントカ事件の裏で…みたいな。
田中
あ、そういうのはないです(笑)
山田
いるんですよね。事業再生で、検索してみたら実はなんちゃら事件のスキーム組んだのはこいつで、みたいなことが掲示板に書かれていたりして。
田中
僕もつい先週なんですけど、ある方の紹介でシンガポールとか上海の投資家とのパイプを持っている方にお会いしたんです。その方が再生企業に対して資金を入れてくれるというんですよ。で、1時間くらい話してちょっと風貌的に怪しいなと感じていたんで、ネットで検索かけてみたら、詐欺でそのままヒットしちゃって。これはヤバイと(笑)
山田
でも、いますよね。特に資金調達系は。某財閥の頭取の弟とか、なんだそりゃっていう人が(笑)。
田中
あとは着手金を取るとか。うちも資金調達をやっているんですけど、怪しまれないためというわけではないんですが、着手金は頂いていなくて、完全成功報酬でやらせて頂いています。
山田
相談料も?
田中
相談料も頂いていません。うちで出来ると思ったらこちらのリスクで進めさせて頂きます。
山田
お読みの方で『資金調達大丈夫?』と思っていらっしゃる方もいるかも知れませんが、資金調達の専門家というのは腐るほどいるんですよ。あ、資金調達の専門家という名のブローカーといったほうがいいのか。本当に怪しい人が8割と思ったほうがいいと思いますよ。
田中
この業界は多いですよね。
山田
その中で真面目にちゃんとやっていくというのは、なかなか大変ですよね。そういう意味ではこういう風に本を出していくのは大事ですよね。
田中
そうですね。
山田
本当に先ほどみたいなパイプ持っている人はいっぱいいますよね。
田中
皆さん困っているから、大きい資金を調達するための必要経費かなって考えちゃうんでしょうね。その弱みにつけこんで。
山田
貧困商法と一緒ですよね。貧しい人ほどむしりとれるという。では、会社が危機に陥った場合、何が大事なんですかね。
田中
まず、テクニカルな方法とかスキームを実行する以前の問題で、経営者が自分の会社を正しく把握しているかどうかというところですね。
山田
客観的になれるかどうか。
田中
そういうことですね。経営者が危機感を持っていないと、我々が最適なスキームを提案しても、認識のズレがあって受け入れてもらえないんです。その温度差がなかなか埋まらないと厳しいですよね。
山田
何でこの事業を辞めなきゃいけないんだ!みたいな(笑)。要は己を知るということですね。ということで最後に、メッセージがありましたら宜しくお願いします。
田中
先ほどもお話をさせて頂いたんですが、私がこの本を書いた趣旨は、こういうご時勢の中で困っている中小企業の経営者が相談しやすい環境を作るということなんです。しかしネガティブな相談事というのは一人で抱えがちになってしまいます。是非、我々プロに相談して頂きたいですね。今は苦しいですけど、再生することによって新しい人生が待っているということも、再生スキームが進んでいくにつれて実感してくると思いますよ。
山田
本当に会社が苦しくなると、家族も苦しくなるし、その人自身も苦しくなるので、そういう負の連鎖ってものすごく大きいですよね。
田中
そうですね。中小企業の経営者は上場企業と違って連帯保証債務を負っているので、仮に民事再生で会社が救われても、経営者自身は救われないという事例もたくさんあります。なんとか法的手続きを経ない私的再生で経営者も再起して頂きたいなと思っています。今後も経営者の再生をお手伝いしていきたいです。
このページのトップへ