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> 田中伸治『会社再生ガール』
『会社再生ガール』の出版を記念し、大ヒットビジネスノベル『女子大生会計士の事件簿』の著者である山田真哉さんをお招きして対談を行いました!
会社経営の「現場」に携わる2人の対談、是非お読みください
1、
「自分の貯金を崩して社員に給料払ったりもしました」(田中)
2、
「企業再生の現場はずっと将棋みたいな思考をしている感じ」(山田)
3、
「執筆のきっかけは中小企業の社長が相談しやすい環境を作りたかったから」(田中)
4、
「社内にCFOがいないのが中小企業最大の問題点」(田中)
5、
「『女子大生会計士の事件簿』から色んなヒントを頂きました」(田中)「あ、それはありがとうございます!」(山田)
6、
「経営者は自分の会社を客観的に見る力が必要です」(田中)
■「社内にCFOがいないのが中小企業最大の問題点」(田中)
山田
出版まではとんとん拍子にいったんですか?
田中
こういうアイデアは元々持っていたんですけど、当然何も手をつけていない状態で。ホームページではちょっと似たようなことを書かせて頂いていまして、そういうときに、今回の版元である青月社さんの担当の方からご連絡を頂いたんです。
山田
出版社さんからオファーがあったんですか。それは珍しいですね!
田中
僕もいい出版社さんはないかなと探していたんで、じゃあ話だけ聞いてみたいなと思ってお会いしました。
山田
それでどうなったんですか?
田中
最初、担当の方が結構熱く語って頂いてですね、僕の想いをこういう形でうちでプロモーションします!と。
山田
その頃まだ、原稿って……。
田中
何もなかったんです(笑)。
山田
でも実際に自分のお仕事をされながら書かれたんですよね。
田中
半年くらいは夜とか休日を使って。
山田
休みもそんなにないんじゃないですか?
田中
そうですね。でも私の中で出版は優先順位が高かったので、ほとんどノイローゼ状態で書きました。夢にまで出てきましたね(笑)
山田
読んでいる方はちょっと忙しい中で書いたんだなくらいに思っているかも知れませんが、よく聞いて欲しいのは、今って不況なんですよ。で、不況の時代っていうのは企業再生業界にとっては忙しい季節なんですよ。そんな中、本業と同時に本を書くというのはものすごく大変な作業なんですよね。そのパワーを本業に振れば、もっと仕事がいっぱいあるはずで。
田中
そうですね。その意味で私自身の仕事はこの本を書いている間は抑えてきましたね。
山田
すごいですね。でも、実際、企業再生のお仕事は増えているんですか?
田中
相談は非常に増えていますね。1日多いときに3社くらいの経営者がみえることもありますし。
山田
1日3社だとすると、1年間で何人だ、と(笑)
田中
そこまではないんですけど(笑)。会社の経営者がいきなり再生して欲しいという相談はあんまりないんですが、どうやったら上手く乗り切れますかとか、スポンサーいませんか、とか。お金が入れば持ち直しできるんで、その資金調達の部分でなんとかならないかなという相談が圧倒的に多いですね。
山田
実際、その解決方法もどっかかから借りてくる、スポンサーを見つけてくるということが多いんですか?
田中
財務内容が悪化している会社が多いので、スポンサーはなかなか資金を入れてくれません。でも、事業シナジー、資本業務提携という形であればうちのネットワークの中でM&Aをしたいという元気な会社もあるので、そこにご紹介したりということはしています。
山田
実際はどういった落とし所が多いんですか?
田中
実際はですね、例えば資金調達から入ってくる企業さんですと、まあ資金調達は難しいよということをまず説明させて頂きますね。でも、なかなかその場で理解してくれる経営者はいないので、じゃあ田中さんのところでできないんだったら他で、といって帰られる方もいらっしゃるんですよね。ですけど、半年後、また連絡がきて、やっぱり他でもできませんでした、と。
山田
ありそうですね(笑)。で、どうするんですか?
田中
そのときには、債務をカットしましょうとか圧縮しましょうとか、複数の事業をやっていれば、優良事業だけ切り離して再起を目指しましょうと、それは会社の状態に合わせてスキームを提案させて頂きます。納得して頂ければうちの方で深く入り込んでという形ですね。
山田
リストラクチャリングをしていくということですね。これを読んでいる中で自営業者、経営者の方もいらっしゃると思うんですけど、この不況の時期、自営業者の方は何に気をつけるべきなんでしょうか。
田中
そうですね。経営者は万能ではないので得意不得意があると思うんです。倒産危機を迎える会社に共通して言えることは、社内にCFOがいないということです。
山田
財務最高責任者ですね。それも単にお飾りでいても仕方ない。
田中
そうです。名刺上とか実務面ではいらっしゃるんですけど、社長の右腕となって会社の未来を考えるような、ある程度経験のあるCFOがいないんですよね。やはり中小企業なんでなかなかそこのポジションを採用できない事情もあるんですけど、社外の人材でもいいので自分の右腕となるようなCFOを採用して、財務面においてはその方にお任せするということが重要じゃないかなと思いますね。社長は得意なところに特化していけばいいんです。
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