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> 田中伸治『会社再生ガール』
『会社再生ガール』の出版を記念し、大ヒットビジネスノベル『女子大生会計士の事件簿』の著者である山田真哉さんをお招きして対談を行いました!
会社経営の「現場」に携わる2人の対談、是非お読みください
1、
「自分の貯金を崩して社員に給料払ったりもしました」(田中)
2、
「企業再生の現場はずっと将棋みたいな思考をしている感じ」(山田)
3、
「執筆のきっかけは中小企業の社長が相談しやすい環境を作りたかったから」(田中)
4、
「社内にCFOがいないのが中小企業最大の問題点」(田中)
5、
「『女子大生会計士の事件簿』から色んなヒントを頂きました」(田中)「あ、それはありがとうございます!」(山田)
6、
「経営者は自分の会社を客観的に見る力が必要です」(田中)
■「企業再生の現場はずっと将棋みたいな思考をしている感じなんです」(山田)
山田
1年間残られて、そのあとは?
田中
1年経って期日がきたときに、どうしようかなという迷いがあったんですけども、そのとき1年前に話を断ったコンサル会社の社長がまた声をかけてくれて。僕の中で普通の事業会社というよりも、この経験を生かして何かがしたいという想いが強かったんで、そちらのコンサル会社に就職する道を選んで今に至っているという感じですね。
山田
そのコンサル会社は、規模としてはどのくらいだったんですか?
田中
従業員は50人くらいですね。
山田
この業界では結構な規模ですね。
田中
そこはM&Aを強みとしている会社ですが、独立系では結構名前が売れていると思います。
山田
で、そこで何年かやられて独立された、と。
田中
そこで3年くらい修行させて頂きました。社員は50人くらいいるんですけど、そんなに組織的になっているわけではなくて、案件ごとにその適任者を決めるというようなやり方でした。そこでM&Aのアドバイザリーを経験したり、株式上場のコンサルやったりとか、企業再生のコンサルをしたりとか、そんな感じで幅広くやらせて頂きました。
山田
で、今は独立されて3年目と。
田中
3年目ですね。
山田
でも、もともと経理畑出身って少なくないですか?
田中
おそらく経理出身の方が企業再生のコンサルになるというのはあまりないですよね。
山田
ないですね。経理を極める道に行く方が多いですよね。
田中
そうですね。それでなんとか頑張ってCEO目指すとか、よりレベルの高い会社に行くとか、そういう感じの思考ですよね。
山田
でも、企業再生の現場を全く知らない方には伝わりづらいと思いますけど、まず激務で、かつ、ずっと将棋みたいな思考をしている感じなんですよ。スキームを組むのにどれだけ時間がかかって、それを説得させるのにどれだけ時間がかかってという。
田中
そうですね。当社の場合、プランニングから再生計画案の作成、交渉行為まで全て行っているので、テクニカルな部分というのはある程度、経験とか知識の部分で補えるんですよ。でも、交渉事というのは相手があるんで、普通金融機関であれば問題ないんですけど、債権者が一般の企業の場合は向こうも譲ってこないんで、そういう交渉場面になると比較的ハードになるんで相当大変ですよね。
山田
これまでどういった会社の再生を手掛けられたんですか?
田中
業種でいうと不動産や建設が多いですね
山田
一番重たいですね!
田中
そうですね
山田
金額大きいんですよね。不動産とか建設って。
田中
借金の額も多いですし、ノンバンクとかその辺まで入り込んでしまっているので、ヤクザと交渉しているのと同じ感覚で結構大変ですよね。
山田
不動産や建設以外だとどういったところが多いですか?
田中
特に業種制限していないのでかなり幅広いんですけど、比較的多いのが美容とか化粧品関係ですね。
山田
なぜ多いんですか?
田中
具体的にはエステサロンなんですが、やはり例の消費者ローンの締め付けの問題があったりとかで、法規制が絡むとどうしても経営が苦しくなるんです。
山田
なるほど。仮に企業再生を自分もやってみたいという人は、どういったスキルが必要なんですか?
田中
そうですね。うちもホームページで採用募集をかけているんですけど、応募者ってきれいな方が多いんですよね。有名大学出て、それこそ山田先生の前では失礼ですけど公認会計士とかで。
山田
履歴書がきれいな方ということですね。
田中
そういう方も当然必要なんですけど、やはりドロドロした部分が重要です。一番いいのは、同じ経営者とかそれに近いポジションで同じような経験して、経営者の痛みが分かる方、メンタル面で経営者のパートナーになれる方が適任だと考えています。でも、そういった人材は少ないなと感じますね。
山田
なかなか経験したくてもできない部分もありますよね。
田中
そうなんです。M&AとかIPOは自分でしようと思えばいくらでも経験できるんですけど、民事再生したいなと思ってそういう会社に入ろうと思わないですからね(笑)。
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