

100年に一度の経済不況に見舞われた近年、出版業界では俗に言う「勉強本」が売り上げを伸ばしている。代表例をあげると、勝間和代氏の『無理なく続けられる年収10倍アップ勉強法』や佐々木正悟氏の『スピードハックス』などがあるが、その中で一貫しているのは「より合理的に時間を使う」というテーマである。
目標を定め、その場まで最短距離で走り抜くには徹底的に合理的でなければいけない。「無駄」をそぎ落とし、それを自己投資に当てる。
しかし、そうは言われてもなかなか実行できないのが現実だ。
その理由の一つは、人によって「無駄なもの」は変わる。それはそれぞれが好きな科目が違うように、適した勉強法が存在するということだ。つまり、適さない勉強法は、「無駄」になってしまうことが多い。
もう一つは、常に能動的にならなければいけないということだ。勉強しようするという意思はあっても、怠け心が邪魔して持続できないという人も多いだろう。
聞くところによると、著者の上田渉氏は高校時代の偏差値30からこの「耳勉強法」を活用し、最高学府・東京大学に合格したという。それだけでも本一冊分語ることがありそうだが、本書では彼が成功を収めてきた“秘密の勉強法”である「耳勉強法」の魅力と実践方法を余すことなく語り尽くしている。
確かに耳を使った勉強法は、様々な成功者が実践しているにも関わらず、それが「テーマ」として本で扱われることは少なかった。
手と目は塞がれているけど、耳は空いている。そこに音声を通して勉強する。そんな五感の「すきま時間」を活用したこの勉強法は、とてつもなく合理的で、そして受動的に勉強ができるため、疲れもしない。そして、五感を活性させるほど、脳も活性化する。
日本最大のオーディオブックサイト「FeBe」(フィービー)を運営する上田渉氏が、自身が経営者になると決めた経緯から、耳勉強法の実践方法まで。それまでほとんど明かされることのなかった“秘密の勉強法”が明かされた一冊である。
(新刊JP編集部)