インタビュー番外編・奥野宣之さんが選ぶ「新書ベスト3冊」
ここでは著者の奥野宣之さんに、「マイ・ベスト・新書」として、 「ビジネスマンに読んで欲しい3冊の新書」と「奥野さんが独断と偏見で勧める3冊の新書」を選んで頂きました! 新書を選ぶ際の参考として下さい。
1/『行政ってなんだろう』新藤宗幸著 岩波ジュニア新書(岩波書店)
現在問題になっている政治の問題、例えばなぜ、官僚制が膨張していったかというような疑問に答えてくれる一冊です。
行政の成り立ちから説明されており、行政システムがどんな宿命を持っているのかがよく分かります。
自分たちが生きる社会の原点に立ち返る新書です。
2/『「超」文章法』野口悠紀雄著 中公新書(中央公論新社)
文章を指南する新書って多いんですが、止めを刺すならこれかな、と。一番分かりやすい本ですね。
「こうすれば読み手に届く!」とか、商業的な文章に携わる方にとっては、
文章本の中ではこれがベストだと思います。
3/『誰にも知られずに大経済オンチが治る』三輪芳朗著 筑摩新書(筑摩書房)
平たく言うと経済学の入門書です。この本はどういうことを言っているかというと、一言でまとめると、
「うまい儲け話はない」ということなんですね。経済学って突きつめるとそこに行き着きます。
とっつきにくい経済学の本質を分かりやすく書いてある格好のレクチャー本です。
◇奥野さんが独断と偏見で勧める3冊の新書
1/『死刑執行人サンソン―国王ルイ十六世の首を刎ねた男』
安達正勝著 集英社新書(集英社)
フランス革命で国王を処刑することになった死刑執行人について書いた新書ですね。
非常にドラマチックで、小説みたいで面白いと思います。
また、今の死刑制度の議論ですとか、裁判員制度というようなトピックを考える上でも、
考えさせられる一冊ですね。
2/『1冊でつかむ日本史』武光誠著 平凡社新書(平凡社)
これは読むと目が覚めますよ。こんなことが可能なのか、と。
江戸時代とか5ページくらいで終わりますからね(笑)。
著者は歴史哲学という分野の方で、「歴史の意味とは何か」という観点から書いているので、
非常に頭に入りやすい一冊です。
3/『日本とフランス 二つの民主主義』薬師院仁志著 光文社新書(光文社)
政治を考えるための一冊です。
僕らは民主主義のことをちゃんとつかみとれていないところがあると思いますが、
いい面も悪い面もあるんですよね。それが極端なことになると、
北朝鮮のような国家になってしまうこともあります。
そういった民主主義の光と影がよく理解できる好著だと思います。