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新刊JPトップ > 特集 > 新刊JP 奥野宣之 『だから、新書を読みなさい 情報を逆張りでインプットする技術』

内容紹介

だから、新書を読みなさい! ここが読みどころポイント

その1、“新書”って一体なに?

その本が新書かどうかは基本的に「本の大きさ」です。 縦173mmと横105mmの大きさの本を基本的に新書とよび、その大きさ自体は「新書判」と言います。
新書の歴史は意外に古く、1938年の岩波新書の創刊が始まりです。 1938年11月20日に岩波書店から20冊の新書が同時に刊行されましたが、 その中で「1」の番号を割り振られたのはクリスティーの『奉天三十年』でした。 この『奉天三十年』は上下巻に分かれており、1883年に満州に渡り、」 伝道医師として活動したクリスティーの回想記です。 この『奉天三十年』以来、新書はその大きさ(形)をほぼ一定に保ちながら、 さまざまな内容の本を発行してきました。その中には永六輔さんの『大往生』(岩波新書)、 坂東眞理子さんの『女性の品格』(PHP新書)、山田真哉さんの『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』 (光文社新書)などベストセラーもたくさんあります。
また、近年の新書ブームにより、多くの出版社が新書市場に進出しています。

勃興期の詳しい歴史を知りたい方は、岩波新書から出版されている『岩波新書の歴史 : 付・総目録1938~2006』(鹿野政直著)を読んでみてください。

岩波新書の歴史 : 付・総目録1938~2006 奉天三十年

(右:『奉天三十年』、左:『岩波新書の歴史 : 付・総目録1938~2006』)

その2、新書はこんなところが優れている!

本書では新書を読むことを強く奨めていますが、新書のどんなところが優れているのでしょうか? 本書の内容をまとめていきましょう。

1:広く浅く知るためのお試し版となる

→新書はさまざまな分野の本が揃っており、なおかつ入門書として書かれた本も多く、専門書と比べ、内容が分かりやすい。そのため、1つのあるテーマを、広く浅く知るためのお試し版として有効です。著者の奥野宣之さんは新書を「最高にオリエンテーションツール」と言っています。

2:買いやすく、持ち運びも便利

→新書はその専門分野の第一人者も執筆されています。例えば『日本の思想』(岩波新書)は、政治学者の丸山真男の思想の基礎を学ぶことができます。こうした第一人者の知識や考え方を、700円から800円で聞きかじることができるからお得です。また、携帯性が高く、いつでも読めるのも特徴。重さも単行本は260グラム、新書は180グラムとカバンに入れても重くありません。

3:新書はビジネスマンの武器になる

→ビジネスマンたるもの、ビジネス書を読まないと効率的なスキルアップはできません。しかし、それだけで良いのでしょうか。同じ方向を見ていても他の人と差をつけることはできないのではないでしょうか。別の景色を見ること、そこから新たな知見を得、応用する。そうして一つ頭が抜きんでたビジネスマンになることができます。新書はさまざまな分野の第一人者が書いた入門書です。是非、新書を読んで、多くの知見を得てみてはいかがでしょうか。

その3、奥野宣之流「新書ザッピング術」を少しだけ紹介!

ここでは、本書で紹介されている著者・奥野宣之さん流「新書ザッピング術」をご紹介していきます。 「新書ザッピング術」とはあるテーマの知識を効率的にインプットするための新書読書法です。

①テーマを探そう

読む新書を決めるために、今、最も自分が必要なテーマを何かを洗い出します。 そこで、自分を観察して紙に課題を書き出しましょう。 そうすることで、今の自分のニーズが分かり、自分の興味が分かってきます。

②新書リストを作ろう

ための新書を探しましょう。 新書を探す際、本書ではNPO法人連想出版が運営している「新書マップ」 などが奨められています

③3冊を一気に買い、同時読みをしよう

リストアップしたら、その中から3冊を選んで同時に買い、読んでしまいましょう。 2冊だと本と本の対比になってしまいがちですが、3冊だと、 上下左右に視点を変えて立体的にものを捉えることができるようになります。

また、3冊は以下のように分けると良いそうです。


・1冊目:ロングセラーかベストセラー

ロングセラーを読むメリットとして、ロングセラーは内容が優れていることが多く、本質的な内容のものであることが多いそうです。入門編にもってこいといえるでしょう。

・2冊目:最近出版された本

最近の本は、「今の視点からどう捉えられているか」というところに長けています。現在の雰囲気で書かれた本をロングセラーと同時に読むことで、何が変化しているのかが読み取れるでしょう。

・3冊目:最もやさしい本

3冊目は「保険」でもあり、「遊び」です。だから消化にいい本であると良いでしょう。「やさしい本」を読むことでほかの2冊への理解度も高まり、いい糸口になります。

本書では「新書ザッピング術」で得た知識をどのようにアウトプットしていけばよいのかも紹介しています。 「喫茶店で一気に3冊目読みきる」「目次やはじめにで著者のメッセージを読む取る」 「ザッピングメモをつくる」などの具体的な方法は、本書を手にとって、読んでみてください!