書籍名:CM好感度NO.1だけどモノが売れない謎
ー明日からテレビCMがもっと面白くなるマーケティング入門ー
著者:鷹野 義昭
出版社名:ビジネス社
価格:1,680 円(税込)
発売日:2009年6月5日
ISBN-10:482841505X
ISBN-13:978-4828415055
最近、テレビ業界はとにかく景気が悪いと言われている。
4月30日にはテレビ朝日が初の最終赤字転落を発表したし、5月14日はTBSも最終損益38億円で開局以来初の赤字と発表し、窮地に立たされている。
その理由は明らかだ。この不況やテレビ離れなどの影響によって、広告収入が低下し、番組にスポンサーがつかなくなっているのだ。
強いては、それは、これまで絶大な効果があるとされていたテレビCMの広告価値というものを見直す時期がきたと警告を促しているといっても過言ではないだろう。
本書『CM好感度No.1 だけどモノが売れない謎』はそうした危機に対する著者・鷹野氏の「答え」からスタートする。
鷹野氏はテレビCMの制作本数は減っていないということを指摘。そして、「ひとつひとつのCMに対する絶対的な広告投入量が減り、CM投入量が分散化している」とし、こうした現象は、「CMをよりシビアに見、ひとつひとつのCMを大事に活用していこうとしているあらわれであるとも考えられます」と言う。
つまり、スポンサー側は確実に「当たる」CMを求めているということだ。
衰退していると言われていても、そこはテレビ業界である。まだまだ影響力は絶大だ。だからこそ、無駄なお金をかけずに、「売れる」CMをつくらねばいけない。
本書はCMづくりのためのマーケティング技術がぎっしりとつまった一冊だ。
好かれるCMと嫌われるCMの違いやターゲットの選定方法、メッセージの届け方などのほかに、「JR東海・京都キャンペーン」や「キリンビール」「フリスク」「アフラック」「UCC・ブラック無糖」など、誰もが知っている事例が豊富に並ぶ。
本書についてもっと詳しく知りたい人は本特集の著者・鷹野氏のインタビュー記事を是非読んで欲しい。
テレビそのもののあり方まで深く切り込んだ本書。マーケティングを勉強したい人だけではなく、メディアに関わっている…いや、関心がある人全ての手に渡ってほしい一冊だ。
(新刊JP編集部)