Q、前作『情報は1冊のノートにまとめなさい』がベストセラーとなりましたが、まずその感想、心境から教えてください。
企画の発端から発売時期、編集者やエージェント、デザイナーとの出会えたことも含めて、あらゆる面でうまく転がり、とてもラッキーでした。内容の面では、これほど多くの読者に支持してもらって身に余る幸せだと感謝しています。部数より、私の考えた「面白いこと」がちゃんと伝わったということを、なによりうれしく思っています。
Q、本書『読書は1冊のノートにまとめなさい』は「1冊のノートにまとめなさい」シリーズの2冊目となりますが、本書を書くきっかけはどのようなことだたのでしょうか
ナナブックス編集の市川さんからお話をいただいたことがきっかけです。「次を出しましょう」「でテーマは何を」「読書術を」「ああ、なるほど」という感じで特に違和感もなく決まりました。類書も多いから大変だな、とは思ったけれど、私自身としても読みたいテーマなので、書くモチベーションもあがるだろう、と。さらに『情報は~』の中でも読書メモについては触れているので、読者にとっても自然な流れに感じられるだろうと思った面もあります。
読書のことは、時間とお金をかけて考えたり試していることがあるので、本1冊のボリュームにはあるかな、と。なにがしか、読者にとって有効な方法を提示できる自信もありました。
Q、本書を執筆するにあたり、気をつけたことはなんですか?
書き方の面では、前作と同じで、解りやすく書くことですね。内容の面では、新しい見方、考え方を提示すること、さらに読んですぐ試すことができて確実に役立つ方法を数多く盛ること、そして、個人的な体験などの具体例を挙げながら書く、こんなあたりでしょうか。この手の本はもうすでにいっぱい出ていますから、その中でまだ語られていない、しかも誰もが潜在的に感じている問題意識に応えることを書かなければならない、と常に思っていました。いざ書き出してみると、これは、すごーーーく大変でした。
Q、本書では「インストール・リーディング」という読み方を提唱していますが、「インストール・リーディング」とは何ですか?
読んだことを身につけて、自分の体の一部のように扱えるようにしようということです。ほかにもっと適切な名前があるかもしれませんが、パソコンでのデータ保存とインストールの対比になぞらえて、このネーミングにしました。「腹に入る」とか「血肉化する」とか、言い換えて理解してもらってもいいと思います。一言でいえば、読書を通じて個人的な成長につなげていくような技法ですね。それをノートを使ってやろう、というのがこの本の要旨です。
Q、読書の記録をノート1冊にまとめることでどのような利点があるのですか?
僕の場合は、『情報は~』で紹介した何でも書いて貼るA6のノートですが、まず、メモをなくさない。どこでも作業できるので、ものを書く気分が乗ったときといった機会を逃しません。あとは『情報は~』で説明したことの繰り返しになりますが、一元化しておいた方が、入力も参照も一本化されて簡単になるということです。要はノートを「読んだこと、書いたことの総合窓口」にするわけです。
Q、奥野さんは月に何冊ほどの本を読みますか? また、好きなジャンルや本があれば教えてください。
よくて2日に1冊なので、月あたり10~15冊です。ただ、本を書いている期間は時間と精神的な余裕がなくて、ほとんど読めないのが悩みです。
好きなジャンルは、ノンフィクションやビジネス書、評論、古典的な啓蒙書など。小説よりエセーや随筆なんかの雑文が多いですね。だから3割くらいは新書です。単純に、知らなかったことを知る、解らなかったことが解るのが気持ちいいからです。
Q、どんな方に本書を読んで欲しいと思っていますか?
普通の勤め人がいちばんぴったりくるんじゃないでしょうか。僕もそうなので、書かれてある内容も共感しやすいと思います。ただ書くときは老若男女の目を意識しているので、興味があるのは、主婦や学生、退職後の方などの感想です。
<
そんなに読まない人には刺激になるし、相当な読書家でも「こういう手があったか」と思うことが何個かは書かれてあると思います。
Q、読者の皆様にメッセージをお願い致します。
ぜひ読んで実践してみて下さい。その上でもっといいやり方があれば教えて下さい。よろしくお願いします。