話題の著者に聞いた、“ベストセラーの原点”ベストセラーズインタビュー

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ニセモノの妻

『ニセモノの妻』

  • 著者: 三崎 亜記
  • 出版社: 新潮社
  • 定価: 1600円+税
  • ISBN-10: 4103400315
  • ISBN-13: 978-4103400318
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『また、同じ夢を見ていた』
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『ニセモノの妻』
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『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』
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『悪の力』
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『鬼神の如く―黒田叛臣伝―』
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『あいるさん、これは経費ですか? 東京芸能会計事務所』
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『徘徊タクシー』
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『ニセモノの妻』著者 三崎亜記さん

出版界の最重要人物にフォーカスする『ベストセラーズインタビュー』!
第79回のゲストは、最新作となる作品集『ニセモノの妻』(新潮社/刊)を刊行した三崎亜記さんです。

不条理小説の名手として知られる三崎さんが今回テーマに据えたのは「夫婦」。気持ちが通い合っているはずなのに、どこかがずれている。一つ屋根の下で暮らしているのに、案外相手を知らない。そんな夫婦の間にあるわずかな隙間が、奇妙な物語の中で露わに浮かび上がります。

この作品集の成り立ち、そして各作品にまつわるエピソードなどを三崎さんに語っていただきました。

interview index

  1.  「一番近くて、一番遠い存在」妻が小説のテーマになる時
  2.  「ただの面白い小説」なら、書く意味はない
  3.  デビュー作『となり町戦争』の裏にあった友人の死
  4.  取材後記

「一番近くて、一番遠い存在」妻が小説のテーマになる時

― 三崎さんの新作『ニセモノの妻』について、この本に収められた4つの作品にはどれも夫婦が登場します。どの夫婦も特に問題がないようでいながら、夫と妻の間に微妙な温度差や食い違いがあって、その「ズレ」から物語が生まれていきます。 まずは「夫婦」というこの本のコンセプトがどのように決まっていったのかを教えていただけますか?

著者近影

三崎: どれも『yom yom』に掲載された作品なのですが、明確に締切が決まっていたわけではなくて、「何か話ができたら送ります」という感じでやっていました。だから、コンセプトを最初に決めて書き始めたというわけではないんです。

1作目と2作目がともに夫婦の話で、そういえば3作目にも夫婦が出てくる。それなら4作とも夫婦ものにしてしまえばいいんじゃないか、という単純な考えでした。

― 先にテーマがあったわけではなく、後づけだったんですね。

三崎: そうですね。ただ、これまであまり夫婦ものの小説を書いてこなかったのですが、自分の妻や私と妻の関係を考えてみると、「妻」という存在は私の小説でテーマになっている「不条理」に沿うのではないかという気持ちはあったんです。

たとえば両親や子どもは自分と血がつながっていますが、自分の横にいる奥さんは血がつながっていない赤の他人です。だからこそ、両親や子どもは選べないのに対して、奥さんは自分で選ぶことができる。赤の他人だけども、たった一人自分の一番傍にいてほしいと思って選んだ相手、ということで近いような遠いような変な相手なんですよね。そういう変な存在との距離感を小説にしたらおもしろいものができるのではないかと思っていました。

― 冒頭の「終の筈の住処」から不穏な雰囲気が漂っています。引っ越してきたマンションを外から見たら、自分の家しか明かりがついていない、というのは悪い夢に出てきそうなシーンでした。

三崎: この話は、私が旅先のビジネスホテルに泊まった時のことが元になっています。
夜、ふと部屋のカーテンを開けたら、近くのワンルームマンションが見えたんです。

おかしなことに、そのマンションは部屋のカーテンの色や室内の明かりの色が全室同じなんですよ。しかも全てに明かりがついていました。びっくりしますよね。普通ならカーテンの色は部屋ごとに違っていて当たり前ですし、いくつかは住人が留守で明かりがついていない部屋がないとおかしい。

だから、どういうことか確かめようと、次の日そのマンションに行ってみたんですよ。そうしたら、そのマンションはある予備校が買い上げたものだとわかりました。カーテンもライトも予備校が用意したものですから統一されていて、僕が見た時間は予備校が決めた自習時間で、全員部屋にいたというわけです。

真相がわかってしまうとどうということもない話ですが、マンションの全室に明かりが灯っていて、しかもすべて同じ色のカーテンで、というのは何とも不自然ですよね。この時の経験から考えついて書いたのが「終の筈の住処」です。

― そのマンションの建設には近隣住民が根強く反対運動をしていて、抗議活動の結果マンション側が譲歩する形になります。この時のマンション側の対応と、反対運動の代表者のように登場する主人公の会社の先輩のロジックは滑稽さと不気味さが両立していて強く印象に残りました。

三崎: たとえば民事訴訟で100万円勝ち取ったけど、裁判費用が500万円かかったというようなことは実社会でも起こりえますよね。だとしたら、賠償金なり慰謝料を取ることよりも、「裁判で勝つ」という名誉を得るためだけに裁判をやっている人もいるはずで、そのあたりは、今の社会で不条理だけど起こっていることを置き換えて作品にしています。

― 表題作「ニセモノの妻」では、主人公の妻がある日突然「自分はニセモノなんじゃないか」と言い出します。姿形からでは「本物の妻」か「ニセモノの妻」かを見分けられない主人公は、周囲の人の言うことや環境の変化に流されて、目の前の妻を本物かニセモノかを見定められません。このあたりは夫婦関係について考えさせられます。

三崎: 身近にいるからこそ、普段の生活で正面から奥さんの顔を見ることって案外少なくて、その結果、髪型を変えたのに気づいてもくれないといって喧嘩が起きたりするわけです。

ある日、突然妻が「自分はニセモノだ」と言い始めたとして、夫はそのニセモノが本物とどこが違うのかを把握できるのか、昨日まで見てもいなかった妻の顔をまじまじ見たところで本物かニセモノか見分けられるのか、もしかしたらわからないんじゃないか、というアイデアからこの小説は始まりました。

― ある坂道を保護しようとバリケード封鎖してしまった「坂愛好家」たちと、生活上の不便さを訴えて封鎖を解こうとする近隣住民の争いを書いた「坂」は会話に引き込まれてしまいました。この作品もまた、現実世界への寓意があったのでしょうか?

三崎: すべての関係者が、自分なりの「曲がった理論」で話をするから、屁理屈の応酬になっておさまりがつかなくなってしまう。「坂」は、坂の傾きが、その屁理屈の土台になっている、登場人物それぞれが生きる過程で得てきた「人生の傾き」を象徴しているようなところがあります。

どんな人でも生きるなかで様々なものから影響を受けるわけで、そうなると本人はまっすぐに立っているつもりでも、別の人から見ると曲がっていたりする。その別の人にしてもやはり曲がっているから、本当は30度曲がっているのに、こちらから見ると60度も曲がっているように見えるかもしれません。

自分も曲がっていること、そして相手もまた曲がらざるを得ないことを踏まえたうえで、互いにその曲がり具合を尊重して生きていけるようにならないといけないわけじゃないですか。それは夫婦の関係もそうですけど、社会の中にある様々な対立や反目にしてもそうです。曲がっているのはお互い様なのに、「相手の方が曲がっている」と言い合っているようではどうしようもない。傾き具合を自覚しあったなかで、双方がどうにか真ん中の折衷点を見つけて生きていかないといけないよな、という思いはありましたね。

― 最後の「断層」はSF色が強く、作品集の中でも異彩を放っていました。「夫婦」という同一のテーマを扱うなかで、どのように各作品を色分けしていかれたのでしょうか。

三崎: 同じようなテイストにしたくないとは思っていたのですが、「こうやって変化をつけた」というのは特になくて、それぞれの作品で出てくる「不条理な状況」に変化を持たせるようにした結果、物語も変わっていったという感じです。

余談ですが、「断層」に出てくる夫婦は、そのまま私と妻をトレースしたところがあります。今はもう消してしまっているのですが、以前、私がやっているとは明かさずに、自分の夫婦生活についてのブログを書いていたことがあったんです。そこに書いた文章をどこかに残しておかないともったいないなと思って、「断層」の中で使っています。だから、夫婦の会話の場面などは、まるっきり私の日常会話だったりします。

― ものすごくアツアツな会話が繰り広げられていましたが……。

三崎: 本当にあんな感じなんですよ、45歳にもなって(笑)。

「ただの面白い小説」なら、書く意味はない

― どの作品も現実世界が置き換えられていたり、現代の比喩になっていたり、寓意が感じられました。こういったことは執筆するうえで意識されていたりするのでしょうか。

著者近影

三崎: 単純に「不条理で変な話」というだけで終わらせたくないということは考えます。
「変な話だけど、自分の周りを見回したらこんな変なことが起こっている」というように、読んだ人が、自分の日常を振り返って何かしらの気付きを得たりできるものを書きたいですし、逆にいえば、それがなくて「ただの面白い小説」なら、私が書く意味はないのかなという気もしています。

― 「不条理」というのは、三崎さんの小説に一貫するテーマなのでしょうか。

三崎: そうですね。デビュー作の『となり町戦争』からして、なぜ始まるのかわからない不条理な戦争を書いた小説でした。

この作品に限っていえば、とてつもなく大きくてヌメヌメとしていて、抗えないけどもそれに向かって生きていかなければいけないという今生きている人たちが抱える漠然とした不安感を、その不条理さが象徴していたんだと思います。

― 三崎さんは「それまで疑いもしなかった日常が、あるきっかけかけからひどく奇妙でいびつなものに見えてくる」というタイプの作品を多く書かれています。普段、物語をどのように発想していますか?

三崎: たとえば「日常の中に不条理な状況が起こる」という小説を書くのであれば、日常がどのように不条理な状況に変わるか、と考えるのではなく、逆から考えます。まず不条理な状況の方を考えて、その中にどうやって日常を落とし込んでいくか、という風に考える。

「坂」を例にすると、タモリさんみたいに坂道が大好きな人がいます。でも、「坂が好き」って、理解できない人にとってはすごく変というか、ある種のフェチですよね。このフェチを日常にどう落とし込むか、という風に考えていきました。

奥さんの方がものすごく坂が好きな人で、旦那さんはそれを理解できない人だとしたら、日常生活にどんな齟齬が起きるだろう、という考え方ですね。

― 書かなければいけない時にアイデアが浮かばない、という時はどうしていますか?行き詰まった状況の打開方法がありましたら教えていただきたいです。

三崎: 書かなければいけないのに書けない、という時は一度そこから離れて、並行して書いている別の小説を書くようにしています。

私は一冊の本を書き上げるのに5年とか、長いと8年くらいかかるんです。今回の本も最初の雑誌掲載が2011年で、書き始めたのが2010年だから6年かかっているわけですが、その間10作品くらい並行して執筆を進めているんですよ。だから、ある作品が煮詰まったら別の作品を進めるのですが、そうこうしていると煮詰まっていた方の作品に新しいアイデアが浮かんだりします。

― 連載を複数抱えている作家さんというのはよく耳にしますが、10本同時並行しているという方は初めてです。

三崎: 並行して進めるというのは、気が散りやすくて同じ小説を1 時間以上書き続けられないという自分の性格も関係しています。

そういう性格ですから、小説の書き方も頭から順番に書いていくのではなくて、とりあえず書けるところから書くというやり方です。会話だけポンポンと置いてからその間をつなぐ文章を考えることもありますし、「この部分は前に持ってきた方がいい」と思ったら書いている途中でも文章の位置を入れ替えたりします。

― 書くと同時に編集もしている。

三崎: そうですね。長編だと、1章、7章、6章というように、章を飛ばして書くこともあります。プロットさえ決まっていれば、こういう書き方でも問題ないのですが、これは雑誌連載が終わって単行本にする時が大変で、修正に1年くらいかかることもあります。

私にとって連載が終わった段階は山登りでいうと8合目くらいなのですが、その小説を単行本にするというのは、そこから3合目まで下って再び頂上を目指すような作業なんです。効率という点ではあまり良くないですよね。

― すごく変わった執筆スタイルですね。

三崎: パソコンがなかったら絶対作家になれていないと思います(笑)。小説を書き始めた時からこういう書き方なんです。

デビュー作『となり町戦争』の裏にあった友人の死

― パソコンを買ったことがきっかけで小説を書き始めたということを別のインタビューで読んだことがありますが、パソコンを買う以前は小説を書こうとは考えていなかったのでしょうか。

著者近影

三崎: 高校を卒業して大学に入った18歳くらいから作家になりたいという思いはありました。でも、自分がいわゆる「起承転結」で文章を書けないこともわかっていましたから、小説を書きたいと思いながらも書けずにいたのですが、パソコンを手に入れて文章を別の箇所に移動したり、切り張りしたりということが簡単にできるようになったことで、書けるようになったというのがあります。

それで書き始めたのが28歳の時です。それまでは公務員をやっていて、このままずっと公務員として生きていくんだろうなと思っていたのですが、その頃に友達が一人亡くなったんです。その友達が夢を途中で諦めざるをえなかったというのがあって、代わりに自分が、というわけじゃないですけど、もう一度自分の夢を思い出してみようかな、ということで、その時点で8割方書けていた『となり町戦争』を最後まで書きあげて新人賞に応募しました。

― 独特のロジックによって話が進んでいくところなどは、どこか安部公房を思わせます。これまでに読んできた本についてうかがってもいいですか?

三崎: そんなにたくさん本を読んできたわけではないんですよ。安部公房も読んだことがあったかな、という感じで。不条理小説ということでいうとカフカも読んでいませんし。

じゃあ、どんなものを読んできたのかというと、中学生くらいの頃にSFブームがきまして、小松左京さんですとか、眉村卓さんの社会派の小説が強く印象に残ったのを覚えています。

ある新人社員が倉庫番をしている男のところに書類を届けるように頼まれて、倉庫まで行ってみると、中で倉庫番の男が身動きもせずに座っていると。その社員が話しかけるとスイッチが入ったみたいにパッと動き出して、書類を受け取ってサインか何かすると、また電源が切れたみたいに動かなくなるんです。

そんなものだから、新入社員は会社に戻って、倉庫番のことを上司に報告するわけです。「あの人は人間じゃなくてロボットですよ」と。上司はそれに対して「それがどうした。仕事が普通にできるならロボットでも支障はないじゃないか」というようなことを言って、そこで話が終わる。『C席の客』という本に収録されていた作品なんですけど、社会をちょっと突き放して捉えているところが印象深かったんです。

― 三崎さんが、「自分の人生に影響を受けた!」と言える本がありましたら、3冊ほどご紹介いただきたいです。

三崎: 一冊は今お話した、眉村卓さんの『C席の客』にして、あと二冊は梶井基次郎の『檸檬』と、中島らもさんの『今夜、すべてのバーで』ですかね。

『檸檬』はものすごく有名な作品ですが、色彩感覚が好きです。病み上がりで咳をしている主人公の、いってみれば灰色の日常のなかで、レモンの黄色がすごく鮮やかに映えている。同じ短編集に収録されている「冬の日」という短編では、肺病持ちの主人公が吐いた血の混じった赤い痰が金魚にたとえられています。

全体をきらびやかにするのではなくて、灰色のなかに一点だけ輝くような色がある。だからこそ際立って見えるんですよね。文章の中でイメージ化される色彩が強く印象に残っています。

『今夜、すべてのバーで』は、25.6歳の頃、青春18きっぷで旅行に出かけて、家に帰る途中で読んだ本です。だんだん家に近づいてくると旅気分も薄くなってくるじゃないですか。だから、何か暇つぶしを、ということで、深く考えずに途中の駅のキヨスクで買ったのですが、読み始めたら家の最寄駅で降りるのも忘れて読みふけってしまいました。それまでの旅の印象が全部なくなってしまうくらい面白かった。こんな読書体験はこの先もうないだろうと思ったのを覚えています。

― 最後になりますが、三崎さんの小説の読者の方々にメッセージをお願いします。

三崎: 奥さんがいる人は、この本を読んで、もう一度奥さんの顔をじっくり見つめて、結婚したてで新鮮だった頃の日々を思い出していただきたいですね。これから結婚する人は、自分にとって家族の中で一番近くて一番遠い存在になる妻、かわいいけれどちょっと怖い妻について考えたうえで結婚してください(笑)。

取材後記

作中に出てくる会話のアイデア元や、独特な執筆スタイルなど、驚かされることの多い取材だった。自身の小説について淡々と、そして丁寧に語る三崎さんの物腰は柔らかかったが、一つの手がかりから物語ができていく過程のお話には凄味があった。

「近いようで遠い変な相手」である妻。
ひそかにニセモノにすり替わっているかもしれない妻。

そんな妻と夫の物語を書いた作家と話した日の夜、私が自分の妻の顔をまじまじと見ずにいられなかったのはいうまでもない。
(インタビュー・記事/山田洋介)

三崎亜記さんが選ぶ3冊

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『C席の客』
著者: 眉村 卓
出版社: 角川書店
ISBN-10: 4041357012
ISBN-13: 978-4101096018
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『檸檬』
著者: 梶井 基次郎
出版社: 新潮社
価格: 430円+税
ISBN-10: 4101096015
ISBN-13: 978-4758435444
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『今夜、すベてのバーで』
著者: 中島 らも
出版社: 講談社
価格: 560円+税
ISBN-10: 4061856278
ISBN-13: 978-4061856271
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プロフィール

■ 三崎亜記さん

1970年福岡県生まれ。熊本大学文学部史学科卒業。2004年、『となり町戦争』で第17回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。同作は第18回三島由紀夫賞候補、第133回直木賞候補となる。他の著書に『失われた町』『鼓笛隊の襲来』(いずれも直木賞候補 作)、『バスジャック』『廃墟建築士』『刻まれない明日』『海に沈んだ町』『逆回りのお散歩』『玉磨き』『ターミナルタウン』『手のひらの幻獣』「コロヨシ!!」シリーズなどがある。(出版社サイトより)

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『ニセモノの妻』
著者: 三崎 亜記
出版社: 新潮社
定価: 1600円+税
ISBN-10: 4103400315
ISBN-13: 978-4103400318

作品紹介

「もしかして、私、ニセモノなんじゃない?」。ある日、六年間連れ添った妻 はこう告白し、ホンモノ捜しの奇妙な日々が始まる……。真贋に揺れる夫婦の不確かな愛情を描く表題作ほか、無人の巨大マンションで、坂ブームに揺れる町で、非日常に巻き込まれた四組の夫婦物語。奇想の町を描く実力派作家が到達した、愛おしき新境地。

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