「成果が出せる営業」と「成果が出せない営業」。
その違いはどこにあるのでしょうか?
才能や素質、話法、努力などという回答が浮かぶかも知れません。
しかし、これらの回答の中には最も重要なものがありません。
それは「段取り」、つまり「準備」です。
本書の著者である小森康充さんは外資系企業で20年間、営業キャリアを積み、独立。
現在は人気営業コンサルタントとして活躍しています。
そんな小森さんが何より大切にしているのが「事前の目標設定」です。
それがすべての準備のスタート地点になるのです。
目標設定は何よりも「具測達一」が基本です。
具・・・目標は、具体的でなければならない
測・・・目標は、測定可能でなければならない
達・・・目標は、達成可能でなければならない
一・・・目標は、一貫性がなければならない
本書はこの4つの原則の説明からはじまります。
事前の段取り方法や現場で使えるワークシートが掲載されているほか、小森さん自身の経験談がところどころで差し込まれており、カバンに忍ばせておいて、困ったときに読むことで営業の手助けになるでしょう。
成果を出したいセールスマンにとって、必読とも言える一冊です。
第1章 商談成功のカギは「事前の目標設定」にある
◆まずは、目標をはっきりさせよう
◆「具測達一」の原則で目標を設定する
①具―目標は、具体的でなければならない
②測―目標は、測定可能でなければならない
③達―目標は、達成可能でなければならない
④―目標は、一貫性がなければならない
◆円滑なコミュニケーションで売上をアップする
2 目標以上の成果を上げるために
◆成果を上げる5つのポイント
①自分より大きな目標を達成した人に教えてもらう
②ナンバー1になるものを持つ
③自分が目標達成しているイメージを持つ
④上司や周囲から援助を得やすいようにしておく
⑤上の人の立場になって考える
◆すべては目標設定から始まる
第2章 説得力を高める「段取り」
◆「商品の紹介はしたことがない」の本当の意味は
①商品―愛情を伝える
②会社―誇りを持つ
③営業―自己アピールをする
◆会社も自分もプレゼンする
2 商談に必要な3つのツール
◆お客様は何に関心があるか
◆事前準備・段取りで商談が変わる
◆得意先情報シートを作る
◆取引状況を数字で把握する
3 イエスと言ってもらえる状況を作り出すための手法
◆議論の余地のない「事実」を用意する
◆説得力のあるデータを作り出す
①訪問回数を増やすこと
②得意先の規模が平均以上であること
③担当者、その上司とコミュニケーションがとれること
◆誰が決定権を持っているか
第3章 顧客訪問の「段取り」
1 優先順位を決めるための法則◆売上増加が期待できるのはどこか
①増加見込売上
②成功可能性
③期待値
④タイミング
⑤コスト
⑥一貫性
◆行動計画表を作る
2 訪問時間を最大化するために
◆内勤の時間をできるだけ少なく
①毎日の「することリスト」を作成する
②やるべきことの優先順位をつける
③重要なことからやり始める
④大きな仕事は分解して一つひとつ処理する
⑤一つひとつの仕事に対して目標を設定し、必ず次のステップを決定する
⑥まわりの人のスケジュールを把握する
⑦1枚の紙は一度しか手に取らない
⑧常に「いまいちばん良い時間の使い方は何か?」を考える
◆効率的なタイムマネジメントで、営業に集中する
◆訪問前に段取りを確認しておく
①目標設定
②店内チェック
③プレゼンテーション
④マーチャンダイジング
⑤記録
◆「営業の3つの仕事」を理解する
①店内配置(ディストリビューション)―商品を扱っていただく
②プロモーション
③価格(プライス)と広告(マーチャンダイジング)
第4章 相手の「心の窓」を開く「段取り」
1 「心の窓」が開いていなければ絶対売れない◆購買の大原則を踏まえて
◆「心の窓」は開いているか
◆商談の原則
2 信頼関係を築く3つのポイント
◆お客様の心の窓を開くために
①正直、誠実な態度で接する
②コンタクト回数を増やす
③相手を宝物だと思う
◆心の窓を閉じてしまうコミュニケーション
◆心の中にあることを正直に言う
◆心地よい商談をイメージする
3 聞き上手になる6つのステップを必ず実践する
◆お客様の心の窓を半分開く
・ステップ1 リード(誘導)
・ステップ2 アイコンタクト
・ステップ3 ミラー(繰り返し)
◆心の窓を開くことに7割の時間を使う
・ステップ4 心地よい質問
・ステップ5 立ち入った質問
・ステップ6 解釈
4 相手の「心の窓」を開いた状態での商談例
◆4回の訪問で新規店と契約(新規開拓成功例)
◆お客様の課題を解消して受注に成功
第5章 得意先と信頼関係を構築する「段取り」
1 得意先浸透で成功率を高める◆取引先との関係を5段階で評価する
①敵対関係
②限定的・短期的関係
③限定的パートナー
④友好的パートナー
⑤戦略的同盟関係
◆5つの得意先情報を押さえよう
①「得意先の目標と戦略」を知る
②「得意先の組織」を知る
③「得意先のビジネス状況」を知る
④「得意先のものの見方・考え方」を知る
⑤「自社商品の貢献度」を知る
2 長期的な商談戦略を立てる
◆会社同士の協力関係を築く
◆過去を振り返り、さらに強い関係を築く
◆ビジネスレビュー会議の進行の仕方
①結果報告
②賛辞
③問題点の整理
④目標の合意
◆プレゼンテーションの資料配布方法
◆ビジネスレビューを行うタイミング
おわりに