太鼓持ちの人脈スキル
出版社:三才ブックス
著者名:内藤誼人
定価:1,365円
ISBN-10:4861992133
ISBN-13:978-4861992131

成功する人はみな「太鼓持ち」。決して悪い意味ではない (p1)
「どうして、僕はいつまでも平社員のままなんだろう?」
「どうして、あいつばっかり昇進していくんだろう?」
「なんで、あいつばっかりチヤホヤされるんだろう?」
みなさんは、このような悩みを抱えて、悶々とした生活を送っているのではないだろうか。
では、どうしてみなさんが今の状況に甘んじざるを得ず、いまいち伸びきれないのかの理由をご説明しよう。それは、徹底的に「太鼓持ち」になりきれていないからである。
もし、みなさんが「ホンモノ」の太鼓持ちであるなら、今頃はとんとん拍子に出世しているはずである。なぜなら、太鼓持ちは、上司にも、取引先にも、お客さんにも、万人に愛される存在だからだ。
どんな業種であれ、どんな組織・団体であれ、ポンポンと上に駆け上がる人間には、みな「共通点」がある。それは「すべからく太鼓持ちである」ということだ。
逆にいえば、太鼓持ちでなければなかなか出世・昇進はできない、ということでもある。
「太鼓持ちだなんて、そんな男芸者みたいな真似ができるか!」
「男が、ペコペコ頭なんて下げられるか!」
「そんな屈辱的なことをしてまで、俺は出世なんてしたくないんだよ!」
そんな考えを持っているから、みなさんはいつまでも役職に就けないのだ。あるいは、仕事がうまくいかなくて困っているのだ。
どうして、みなさんは太鼓持ちを嫌悪するのであろう?
まわりの人たちを喜ばせ、楽しませ、愉快にさせることが、そんなに悪いことなのだろうか?
その結果として、相手との関係が円満になり、どんどん上に引っ張ってもらえ、それに伴って役職に就け、自分のやりたい仕事だけができるようになる……。このプロセスのどこに問題があるのだろうか。
隠すようなことでもないので、はっきりいってしまおう。
私は誰にも負けない太鼓持ちである。そして、そんな自分を誇りに思っている。
私は、必要とあらば、いくらでも人にペコペコできる。頭を下げることくらい、どうということもない。 お辞儀をすることは、単なる上半身の運動くらいにしか考えていない。
私には、つまらないプライドがないので、誰にでもとびっきりの笑顔を見せることができる。安い居酒屋でしかお酒をおごってもらえなくとも、心から感謝できる。そして、何度も何度もお礼をいう。
悲しくなるくらい文才に乏しい私が、これまで100冊以上の本を執筆できたのも、編集者に「かわいい作家さん」と認知してもらっているからだ、とひそかに思っている。もし私が太鼓持ちに徹していなければ、とてもではないが本など刊行させてもらえるはずがない、と信じている。私は、文章力で勝負する作家ではなく、人柄で勝負している作家なのである(ある意味では情けないのだが)。
「ああ、太鼓持ちでよかった!」
私は本気でそう思っているが、みなさんにも、ぜひ私に負けない太鼓持ちになってもらいたい。そこから得られるメリットは、はかり知れないくらいに大きいことを、みなさん自身も体感することができるだろう。
どうか最後までよろしくお付き合いください。
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出会って「4分」で誰にでも好かれる人間になる (p30)
人間関係はスタートダッシュで決まる。
特に今のビジネスはスピード重視の傾向が強いから、初対面で自分を印象づけることができなければ、その人との縁はぷっつりと切れてしまう。そして2度と復縁することはない。一期一会の精神が必要である。
「僕のよさをゆっくりわかってもらおう」
「のんびりと長期的な関係を築きたい」
そんな悠長なことをいっていたら、その人との関係は永遠に切れてしまう。とにかく最初に好かれないことには、その後の関係などありはしないのだ。
はっきりいおう。
出会った瞬間に好かれないような人間は、1時間経とうが、1カ月経とうが、相手に魅力を感じさせることはできない。
人間のイメージは、第一印象でほとんど決まってしまうのであって、その後にどんなに頑張ろうが、イメージを変えることは難しいのだ。
では、相手と出会ってから、具体的には、どのくらいの時間で自分をアピールする必要があるのかを考えてみよう。
結論からいえば、それは「4分」。
その短い時間で、あなたの魅力を相手に全力でぶつけるからこそ、「この人と付き合ってみたいな」「この人の話を聞いてみたいな」と思わせることができるのだ。
「ええっ、たった4分!?」
みなさんは、そんなふうに思われるだろう。
そう、たった4分なのである。
アメリカの心理学者ズーニンは、「人の印象は、最初の4分間で決まる」と述べている。たった4分という短い時間の中で、相手はあなたの印象を決めてしまうのだ。
まごまごしていたら、4分などすぐに経ってしまう。だからこそ、最初のスタートダッシュがカギである。
ウルトラマンは、地球上に3分しかいられないため、その間に敵を倒さなければならないが、みなさんは「4分以内に相手から好かれないと、その人との関係を築けない」という覚悟でのぞまなければならない。
その4分という時間の中には、もちろん初対面での挨拶も含まれている。それから考えると、自分をアピールするにはあまりにも短い時間ではあるが、ウルトラマンに比べれば、1分間だけ長く勝負できるのである。
ちなみに、ズーニンは「最初の4分間で決まる」と述べているが、もっと早い時間に決まってしまうとする心理学者もいる。研究者によって、その時間には若干の差があるのだが、ともかく「最初の数分間が勝負だ」と思ってほしい。
私は、人に出会って4分以内に、自分のとっておきのネタ(話題)を話すように心掛けている。
「これは、とっておきの話だから、後にとっておこう」などと姑息なことを考えていると、「つまらない男」のレッテルを貼られてしまうから、楽しい話題はすぐに出してしまったほうがよいのである。
時代の流れが、ゆっくり、のんびりしていた頃であれば、人との付き合い方も、それなりにのんびりしたもので構わなかったのかもしれない。
だが、現代においては、「のんびり付き合っていこう」と考えていたら、とてもではないがあなたの魅力をわかってもらえない。
とにかく最初が勝負だ。最初の4分で最高のアピールができるよう、絶えず努力することが大切である。
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イチローほどの「思い込み」が成功の秘訣 (P131)
WBCで大活躍し、日本の連覇に大きく貢献したイチロー選手。そのイチローにはこんな逸話がある。
彼がまだ中学生だったとき、卒業式の日にクラスメイトから「10年後に同窓会をしよう」と提案されたが、「僕、そのときはプロ選手になっているから忙しくて出られない」といったそうだ。
中学生にしてすでに、「プロになった自分」の姿を鮮明に心に描いていたことがわかる。
同様に、ゴルフプレーヤーのアーノルド・パーマーさんは、10歳のときオーガスタでプレーし、優勝している場面を想像していたという。しかも、優勝のインタビューを受けて、それに応えている自分までをも想像していたというのだから、よほど鮮明なイメージを持っていたといえる。
成功したいのであれば、漠然と「成功したいなぁ」と思っているだけでは不十分だ。すでに成功者になったつもりで、鮮明なイメージとして、自分が成功している姿を思い描けなければダメなのである。
ひとつ面白い心理学の実験をご紹介しよう。
ニューヨーク大学のガブリエル・オッティンゲン博士は、就職を控えている男子学生を対象に、「A社に合格できたらいいなぁ」と漠然としか将来をイメージできない学生と、「A社の内定通知は2週間以内に電話でかかってきて、自分はA社のこの部署に配属され、こんな上司の下で働いているだろう」と具体的にイメージできる学生とに分けてみた。
その一方で、それぞれの学生が企業から受け取った内定の数を調べてみると、具体的にイメージできる学生ほど、実際にもたくさんの内定を勝ち取っていることがわかったのである。
鮮明なイメージとして未来を描けば、未来を思いのままに変えられるのだ。
もし口下手で悩んでいるのなら、自分の苦手な人を頭の中でイメージし、その人と軽口を交わしている場面を想像してみるとよい。冗談のひとつもいって、笑わせているところをイメージするのもよいだろう。相手の表情までも鮮明にイメージするのがコツである。
そうすれば、あなたはその人と実際に会うときにもそれほど緊張せず、うまく話せるようになるはずだ。
どうしても頭の中でうまくイメージが湧かないというのなら、「写真」を利用してみるのもよいだろう。たとえば、いつか豪邸に住みたいと思うなら、理想の豪邸の写真を切り抜いて、目に見えるところに貼っておけばよいのである。私もヨーロッパの古城の写真を暇なときには眺めている。「いつかはこういうお城に住みたいな」と思っていると、夢が叶いそうな気がするのだ。
自分のモデルとする人物がいるなら、その人の写真を手帳に貼っておくのもよい。その人の写真を撮らせてもらって、携帯の待ち受けにするのも効果的だ。
とにかく具体的なイメージとして、なりたい自分を想像しよう。あるいは、手に入れたい未来を空想しよう。
そうすれば、望んだように自分の未来は開けていくのである。
