新刊JP FEATURING 「シュガー社員が会社を溶かす」田北百樹子

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「シュガー社員が会社を溶かす」著者・田北百樹子先生

田北百樹子(たきたゆきこ)

札幌市出身。平成8年1月に「田北社会保険労務士事務所」を開業。保険関係の届出や就業規則作成のみにとどまらず、人事考課制度導入や、社員教育、ビジネスマナー講座DVD制作、異業種ビジネス交流も積極的に活動。

「シュガー社員」の名付け親。

田北社会保険労務士事務所

Q6、田北先生が考える「理想的な社員」とはどのような社員なのでしょうか。

向上心、責任感が強く、「この人に頼めば間違いない」と言われる人ではないでしょうか。

さらにいうならコミュニケーション能力に長けていて奉公心が強い。奉公心がある人は会社を裏切らない。(奉公心が芽生えるかどうかは会社次第という考え方もありますが)

最近あった話ですが会社の経営が思わしくなく、事業を閉鎖する企業があったのですが、真っ先に逃げ出したのがシュガー社員でした。他の社員の方たちは社長と一緒に残務整理や最後まで責任持って顧客や取引先に迷惑がかからないように全うしようとしているのにシュガー社員は「有給の買い上げはしてくれるんですか?」「ボーナスは?」「もう明日から出社しませんけどいいですよね」と自分のことばかり。最後まで残った方達は、取引先の好意ですぐに再就職できたので安心しましたが、会社が困っていても全く関係ないと思える人は理想的な社員とはほど遠いところにいるのではないでしょうか。

Q7、この本を読んでいくと、「社員教育」と同時に、それ以前の家庭や学校での教育についても、考えざるを得なくなるように思いました。田北先生はそうした家庭や学校での「教育」の現在のあり方についてどのように考えていらっしゃいますか?

この本を読まれた方達からお手紙をいただきます。意外にも教育関係者の方々が一番多いですね。

学校も家庭も大きな問題を起こしたくないから全て先送りにする。そのツケを企業が払っているのでしょうか。でも企業のツケはいずれ国にまわってくると思うのですが・・。

Q8、この本ではメッセージ伝達の機能は通話からメール主体へと変化し、「会話」が失われつつあることが指摘されていますが、今の子どもは「メール」という文化が物心ついたときから存在している世代となります。このコミュニケーション方法の変容は、将来の「社員」という存在にどのような影響を及ぼすと思いすか?

メールが社会に浸透しはじめて12年ほどでしょうか。これほど便利なビジネスツール、コミュニケーションツールはないと思います。手軽さが一番いいのですが、それも使い方を間違えてしまえば凶器になってしまう危うさがあります。自分に苦手なことは全てメールで。送信した時点で全てが終わった、ああ良かったという若者が増えているように思えます。ビジネスの世界ではメールで送信しただけで終わりということはありません。送信した後にフォローしなければトラブルがつきまとうものなのです。

「口をきくのが面倒」なのか、すぐ側にいるのに延々とメールでやりとりしていると不気味ささえ感じます。

「退職します」を文書や口頭ではなくメールでというのは近い将来当たり前になることなのでしょうか。

これは私たち大人がしっかりとメールでいいこと、直接話さなければいけないことをきちんと伝えていかなければならないと思います。

Q9、この本を手に取った方々へのメッセージをお願いします。

この本は当初、会社の経営者の方や、人事労務担当者の方に読んでいただけるだろうと思っていましたが意外と学生さんや会社員の方が「自分にあてはまっていないかどうか」チェックするために読まれていることを皆さんが書かれているブログなどで知ることができました。

誰しもシュガー社員的要素はあると思いますが、それにいつ気づくかだと思います。自分にあてはまるかも・・と思う方は大丈夫です。シュガー社員ではありません。

企業の人事担当者の方はこの本を読まれて共感されていると思いますが決してシュガー社員に「君のことが書いてあるから読みなさい」と言って本を渡さないようにしてください。

必ず反発しますのでお誕生日などにさりげなく・・。ね。

Q10、田北先生一押しの書籍があればお答え下さい。

最近読んだ本は「人の痛みがわかる国家」「会社の品格」「承認欲求」です。おすすめは「7つの習慣」です。あの本は難しくて最初何度も挫折したのですが、自分がちょっと成長した後に読んで見ると、不思議と理解できることがあったりするのでちょっと中毒っぽい感じで今でも読み返したりしています。

仕事柄ビジネス書はよく読みますが実は私、林真理子さんのファンでして・・。今回、本を書く前は恋愛小説ばかり読んでいましたよ。(笑)

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