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書籍情報

書籍名:なぜ飼い犬に手をかまれるのか
著者名:日高 敏隆
出版社:PHP研究所
価格:861円
ISBN-10:4569772056
ISBN-13:978-4569772059

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『なぜ飼い犬に手をかまれるのか』

このタイトルだけを見ると、部下との信頼関係をいかに築くか、ということについて書かれた本だと誤解してしまうかもしれないが、実際は日常で目にする動物の謎に迫るという、何ともワクワクする内容だ。

自宅で犬や猫を飼っている人は別としても、日常生活において生物と接する機会は多い。都市部に住んでいても昆虫や鳥は目にするし、少し郊外へ行けば狸やイタチに出くわすこともある。
子供の頃は身近だった生物も、大人になるにつれてすっかり接点がなくなってしまった。そんな人にこそ本書を読んでもらいたい。

昆虫学者、動物行動学者である日高敏隆氏によって書かれた本書で取り上げられているのは、誰でも一度は接したことがある生物ばかり。学問的でなくエッセイ風に書かれているため、肩の力を抜いて読むことができるのがいい。

また生物についてばかりでなく、地球温暖化や遺伝子について、変わったところでは靖国神社についても触れている。
少年時代に慣れ親しんだ生物の意外な習性を知ることで、子供時代の新鮮な感性思い出してみてはいかがだろうか。

(新刊JP編集部/山田洋介)

【まえがき】
 小学生のころ、ぼくは、昆虫網を持って近所の原っぱへ行き、虫を採ったり、犬と遊んだり、そんなことばかりしていた。標本を集めるというよりは、生きている虫たちをじっくり見ているほうが格段におもしろかった。  高尾山の裏手あたりにはチョウがいろいろいると教えてもらって....

日高 敏隆 (ひだか・としたか)

1930年東京生まれ。京都大学名誉教授。理学博士。東京大学理学部動物学科卒業。東京農工大学教授、京都大学教授。82年に創設された日本動物行動学会の初代会長。滋賀県立大学学長、総合地球環境学研究所所長を歴任。著書に『チョウはなぜ飛ぶか』(岩波書店)、『ネコはどうしてわがままか』(法研)、『動物と人間の世界認識』(筑摩書房)、『春の数えかた』『セミたちと温暖化』(以上、新潮社)などがあり、訳書にドーキンス『利己的な遺伝子』(共訳、紀伊國屋書店)、ローレンツ『ソロモンの指輪』などがある。
目次

まえがき
第1章
動物たち それぞれの世界

庭のタヌキ
冬の越しかた
春のチョウ
小鳥の給餌
田んぼのカエル
陸の上のホタル
ヒミズ 餌探しのふしぎ
寄生って大変
冬の準備
虫たちの越冬
冬の寒さを意に介さない虫たち
四季と常夏
虫と寒い冬
春を数える
チョウたちの“事情”アブラムシの季節
夏の夜のヤモリ
カタツムリたち
ガとヒグラシと
秋の鳴く虫
ヘビたちの世界
ヤマネの冬眠
カラスの賢さ
猫の生きかた
犬の由来
ネズミたちの人生
渡り鳥ユリカモメ
猿害
コウモリ
夏のセミたち
シャコ貝
トンボ
イノシシ
サギに冷たい?万葉人
来年のえと「サル」

第2章

動物の言い分、私の言い分
稲むらの火
京都議定書
二つの美
トルコの旅で感じたこと
遠野を訪れて
環境と環世界
日本庭園は自然か?
一年を計る時計
「未来可能」とは何か
珊瑚の未来
地球研いよいよ上賀茂へ
外来生物の幸運
梅雨に思う
デザインと機能
虫がいなくなった
いじめと必修科目
伝統と創造
京都議定書10周年
地球温暖化の思わぬ結果
イサザという魚
京都議定書は大丈夫か?
チョウはなぜ花がわかるか?
靖国神社
虫たちの冬支度
イリオモテヤマネコの日常
紅葉はなぜ美しい?
自動化
温暖化取引
雑木の山
ミツバチ
暑い夏
コスタリカ
雑木林讃
生物多様性
なぜ老いるのか
利己的な遺伝子
ミーム
ぼくのファン