さとり世代のトリセツ
- 定価:
- 1400円+税
- 著者:
- 喜多野正之
- 出版社:
- 秀和システム
- ISBN-10:
- 4798043524
- ISBN-13:
- 978-4798043524
解説
あなたの職場に「さとり世代」の社員はいませんか?
「非さとり世代」の人間からすれば、彼らの行動は摩訶不思議。「どうして?」という言動を繰り返し、ちょっと厳しいことを言うと会社をやめてしまう…といった傾向があると言われています。
しかし、入社してきた以上、会社は彼らを育てていかなくてはいけません。それには彼らの考え方を理解することが必要です。
個別指導塾を経営する喜多野正之さんの『さとり世代のトリセツ』(秀和システム/刊)は、「さとり世代」の考えを知り、彼らを即戦力に育てる方法を説明した一冊。喜多野さんが経営する塾でも新卒学生を採用してきましたが、数年前は離職率80%というありさまでした。しかし、検証と実践を繰り返すことで、現在では離職率10%まで減らすことができたそうです。
喜多野流“さとり世代”との付き合い方を、今回は本書に掲載されている87のポイントから3つ、ピックアップしてお届けします。
■「親に休みの連絡をしてもらう」社員
→ 【対応策】「もし親が死んだら、どうするの?」と問いかける
休みの連絡がなんと親から入る。「それくらい自分でしろ」と思うものですが、こういったことは確かにあるそうです。
このケースは、子どもと親双方への対応が必要です。親へはしっかりと「休むのは本人の話ですから、本人に連絡をさせていただけないか」と伝えるべきでしょう。
一方、本人に対しては怒るとNG。「もし親が死んだら、どうするの?」とケースをあげてイメージトレーニングをしてあげましょう。あまり良いイメトレはないですが、頼れる親がいないと仮定した上で、逃げずに答えられるようにしてもらうのです。
■やりたい仕事だけはする社員
→ 【対応策】どうやったら仕事が面白くなるか一緒に考える
働いていると「やりたくない仕事」をしなければいけないことが必ずあります。そしてそんな仕事こそが、将来役に立つものだったりするのです。
では、「やりたくない仕事」をさせるにはどうすればいいのでしょうか。「将来に活きる」という話はおそらく響かないでしょう。ならば、「こうしたら面白くなる」という仕事のイメージを引き出すのです。
■ちょっとしたことで出社拒否する
→ 【対応策】自分の失敗談を聞かせてあげる
少し叱っただけでへこんでしまう特徴を持つのが「さとり世代」。次の日「出社しません」という連絡がくるというパターンもあります。
もちろんそのまま辞められてしまったら困るわけですから、さらに強く注意してはいけません。こんなときは、失敗は誰にでもあることであり、自分自身の経験談を聞かせてあげることが大事です。どのように気分転換したのか、どう失敗を次に活かしたかなどを話しましょう。
常日頃から「失敗することは、むしろいいこと」と、失敗に対してポジティブな評価を言っておくことも重要です。
もうすぐ4月、新卒の新入社員たちが入社してくるという会社も多いはず。育ってきた時代が違うので、価値観や考え方が異なるのも当然のことですから、それを前提とした上で、彼らと向き合い、育てていくことが必要です。
喜多野さんは、「さとり世代」には従来型の研修や教育をしても、従来のような結果が伴わないという現状があることを指摘した上で、まずはお互いを知るためのコミュニケーションの重要性を説きます。
本書は会社にはびこる悩ましい現実を解決するための一冊です。イラストとともに分かりやすく「さとり世代」の特徴を教えてくれるので、「もう『さとり世代』にはお手上げだ」という人は一読の価値があるはずです。
(新刊JP編集部)
目次
- 第0章 さとり世代と非さとり世代のギャップと秘密
-
- 「ゆとり教育」と「さとり世代」?
- 「さとり世代」と括ってよいものか?
- 「さとり世代」の考え方と振る舞い
- 「さとり世代」への基本的な接し方
- 「誰が」ガマンすればよいか?
- 第1章 出社時のトリセツ
- 出社時あるある
-
- 出社時間がギリギリ
- あいさつがイマイチ
- 掃除をしない
- 仕事の取っ掛かりが遅い
- 今日一日、何するか決めてない
- 休みの連絡をメールで行う
- 各種連絡がギリギリ
- 親に休みの連絡をしてもらう
- 遅刻しそうなときに連絡をしない
- 変な格好で出勤してくる
- 出退社時間=拘束時間だと思っている
- COLUMN 「さとり世代」のための研修
- 第2章 デスクワーク時のトリセツ
- 雑務あるある
-
- メールの返信が短い
- 文面でも敬語が使えない
- ○○のほう、と言ってしまう
- 電話が鳴ると固まってしまう
- 急ぎじゃないのに電話してくる
- コピー機を上手く使えない
- スケジュール/タスクが管理できない
- 仕事をこなす速度が上がらない
- 段取りが悪い
- 仕事ができないのを周りのせいにする
- 注意されると極端にへこむ
- ちょっとしたことで出社拒否する
- やりたい仕事だけはする
- 自分で考えて仕事をしない
- 言葉と行動が伴っていない
- COLUMN 「さとり世代」のための研修
- 第3章 昼食(休憩)/移動時のトリセツ
- 昼食(休憩)/移動あるある
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- 昼食は社内の人と同席しない
- 美味しい・不味いがわからない
- 休憩中は、いつもスマホ
- 会話が途切れるとスマホを見る
- エレベーター内の振る舞いがオカシイ
- 移動中の会話が続かない
- 複数人の会話に入れない
- 世代が違う人と会話ができない
- 休憩時間中に仕事を振られたら断る
- 休憩時間になると声がデカくなる
- 名所や施設をともかく知らない
- 道順や手順を言えない
- COLUMN イベントの幹事をまかせてみる
- 第4章 会議でのトリセツ
- 会議あるある
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- 会議の準備・段取りが悪い
- 会議で相応しくない態度を取る
- まずもって議論に加わらない
- 指示した仕事の理解が浅い
- 報告(日報)がわかりにくい
- 相槌が下手
- 振られないと発言できない
- わからないことがあっても質問しない
- わかっていなくても大丈夫と言う
- 言わないとメモを取らない
- 議事録係を極端に嫌がる
- COLUMN 全体会議をしなくて大丈夫?
- 第5章 営業/客先でのトリセツ
- 営業あるある
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- すぐ心が折れる
- 営業件数をこなさない
- 目標数値へのこだわりがない
- 目標を達成しない
- ウソの報告をする
- すぐ諦めてしまう
- 言っていることと行動が伴わない
- クレーム対応が下手
- そもそも報告をしない
- 聞いてないことはしゃべる
- 市場や担当先に恵まれてないと思う
- ドタキャンされやすい
- 話しやすい客ばかりに営業する
- COLUMN 女性社員がイキイキする仕組み
- 第6章 退社時のトリセツ
- 退社時・アフター5あるある
-
- 消えるように帰る(笑)
- 残業した方が良いか聞いてくる
- 仕事の片付けが下手
- 飲み会がおっくう
- 一日の振り返りをしない?
- 最後に退社する際、消灯確認をしない
- 飲み会でのマナーがなってない
- 二次会以降、終電が気になる
- 机上に書類を積みっぱなしで帰宅する
- 日報を平気で翌日に繰り越す
- 明日は頑張る、らしいことを言う
- COLUMN 人材に求める資質をわかりやすくしておく
- 第7章 キャリアアップのためのトリセツ
- 仕事のやりがいあるある
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- そもそも成長する気がない?
- 過去の教訓を活かさない
- 将来の夢がない
- 自己啓発をしない
- 自分に投資をしない
- 言われたことはやる
- 言われたことすらできない
- アドバイスや指摘を活かさない
- 同じことで何度も指摘される
- 自己成長に繋がる仕事はする?
- 新しいことにチャレンジしない
- 今の自分を変えようとしない
- 理解できないことは保留にする
- この仕事を辞めても何とかなると思っている!?
- COLUMN 「さらに」ユニークな研修
- 「さとり世代」社員の声・「さとり世代」のカイセツ
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- 「さとり世代」社員の声
- 「さとり世代」のカイセツ
著者プロフィール
喜多野正之(きたの まさゆき)
/株式会社WITS 代表取締役
株式会社WITS 代表取締役
1972年、東京生まれ。日本大学生産工学部卒。
大学時代には教職課程履修するものの、教育実習で教員になるのを断念。理由は「自由に教えられないから」。
新卒で医療機器メーカーに営業職で勤務、その後、フランチャイズ(FC)ビジネスに特化した経営コンサルティング会社に転職。
2003年に独立企業。小中高校対象の個別指導塾「ITTO個別指導学院」にFC加盟し、千葉県柏市に1教室目を開校。
◆ 塾長の「勢い」ブログ
http://blog.livedoor.jp/wits_kitano