表紙

 こんにちは。新刊JP編集部の川口です。
クリスマスも関係なく頑張って働いている独身アラサー女性のみなさん(私もです)、突然ですが、お金について考えていますか?
結婚・転職など周りの友人の状況が少しづつ変化してきて、特にそんな予定はないけど、貯金だけはしておこうとか、考えることもあるはず。
このまま独身だったら、老後のためにどのくらい貯金すればいいの?
他のみんなはどうしているの?
などなど、気になることも多いと思います。

そこで、新刊JP編集部は「アラサー女性お金相談本部」を設立し、アラサー女性3人にアンケートを実施。その結果をフィナンシャル・プランナーの中島牧子さんに解説してもらいもらいました!中島さんは『働く女(ひと)のお金のルール』(明日香出版社)を出版している、お金の専門家。 さて、アラサー女性のお金の使い方やいかに!?

1リンク 真央の場合(仮名:アパレル店販売員 正社員27歳 実家暮らし)
1リンク 愛子の場合(28歳 声優 一人暮らし)
1リンク 尚子の場合(仮名:飲食店 正社員27歳 実家暮らし)

 真央の場合(仮名:アパレル店販売員 正社員27歳 実家暮らし)

・就職をしてからどれくらい経ちましたか?

 4年8カ月

・毎月どのくらい貯金をしていますか?

 3~4万円

・給与明細の確認を欠かさずにしていますか?

 見ています。

・医療費の自己負担限度額(月額)を知っていますか?

 知らないです。

・毎月の収入の使い道の割合を教えて下さい

 食費 4割 洋服(社販)3割 仕事上 勤務時に着る服を購入 他諸経費 3割 仕事上、シーズンごとに新作の服を買い取り勤務時に着用するため洋服代がかかります。

・結婚の予定はありますか?

 あるけど時期は未定

・今後の人生のライフプランはたてていますか?

 ざっくりとですね。転職活動を終えたばかりなので、しばらくは未定です。

・資産運用をやってみたいと思いますか?(やったことはありますか?)

 やってみたいとは思うけど怖くて手が出せません。仕組みが理解できていないので。
運用するにはリスクがあるし損はしたくないですね。

・将来に対して不安はありますか?

年金がちゃんともらえるか心配。払った金額くらいはもらえるのでしょうか。

・中島さんに質問はありますか?

貯蓄方法にアドバイスがあれば、知りたいです。



中島さんからのアドバイス

 真央さんは、しっかりと堅実な生活を送られているようですね。素晴らしいと思います。
洋服代に使うお金が多いのはお仕事上しょうがないでしょうが、シーズンを過ぎたものは、上手にリサイクルできるといいですね。
定期的に貯金もしているし、ライフプランもある程度立てていらっしゃるということで、さしあたって言うことはないと思います。
年金に不安はあるものの、資産運用は怖くて手が出せないということですが、年齢が高くなるに従ってリスクは取れなくなるので、今のうちから貯蓄のうちの一部をリスク性の商品で運用してもいいかもしれませんね。投資先を分散させて、積立形式で長期投資をすることで、損失の可能性はかなり低くなります。外貨投資なども、少しずつ購入することで為替リスクを減らすことが出来ます。
貯蓄方法へのアドバイスですが、真央さんはきちんと貯金できていますが、なかなか貯金が出来ないという人は、給与天引きで財形貯蓄をするのもいいでしょう。勤務先が財形をやっているかどうかによりますが、一定金額まで利子に対する税金がかからない、将来住宅ローンや教育ローンを組むときに低利で融資が受けられるなどのメリットがあります。


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 愛子の場合(28歳 声優 一人暮らし)

・就職をしてからどれくらい経ちましたか?

 5年

・毎月どのくらい貯金をしていますか?

 2~3万円

・給与明細の確認を欠かさずにしていますか?

 見ていません(笑)。

・医療費の自己負担限度額(月額)を知っていますか?

 知らないです。

・毎月の収入の使い道の割合を教えて下さい

 家賃等 4割 食費 3割 他(自己投資、交際費)3割

・結婚の予定はありますか?

 ありません。

・今後の人生のライフプランはたてていますか?

 そんなにないです。ざっくりとです。

・資産運用をやってみたいと思いますか?(やったことはありますか?)

 失敗しそうだからやりたくないです(笑) めんどくさそうとも思います。

・将来に対して不安はありますか?

 仕事が不安定なのが不安です。

・中島さんに質問 

 28歳の女性の平均の貯蓄額っていくらくらいですか?
 自己投資にはどのくらい使うべきなのかわからないので教えて下さい。



中島さんからのアドバイス

 愛子さんも、月々の貯金をちゃんとなさっていますね。
声優さんのお仕事をされているということですが、ステキなお仕事ですね。
さて、愛子さんからご質問いただいた28歳の女性の平均貯蓄額ですが、「家計の金融行動に関する世論調査」(金融広報中央委員会)によると、20代の平均貯蓄額は540万円、30代の平均貯蓄額は841万円となっています。ただし、平均値は少数の人が金額を引き上げることがあるので、中央値(※)で見ると、それぞれ100万円、317万円となっています。また、28歳の女性の貯蓄額は300万円位とのアンケートデータもあります。
これは多いと思いますか?少ないと思いますか?
女性の平均寿命は86歳ですが、定年後の夫婦の生活費の平均は約28万円、単身世帯は約20万円かかると言われています。この生活費の中で、公的年金でカバーできない分を貯めておきましょうというのが老後資金の考え方で、必要額は人によって違いますが、一般的に、退職時に必要な金額は大体2000万円~3000万円と言われています。
ただ。今後は年金の支給開始が遅くなる可能性が高いため、もう少し必要になる可能性が高いと思われます。
月々3万円の貯金で年間36万円。10年で360万円。40年で1440万円。このすべてが老後の資金ではないでしょうし、今後少しずつ貯蓄額を増やしていく、しばらく使わないお金はある程度投資に廻すなどの対処を考えてもいいかもしれません。
自己投資にいくら使うべきかというご質問についてですが、自己投資の内容にもよりますが、それによって得られるリターン(これには精神的な満足感も含まれます)がどのくらい得られるかということだと思います。たとえば、将来の収入アップに繋がるのと、よくわからないけどとりあえずやってみようというのは、投入できる金額が違ってきますよね?
※ 中央値
データを小さい順に並べたとき中央に位置する値のこと。この場合は、調査対象を貯蓄保有額の少ない世帯から多い世帯へ順に並べたときに中央に来る世帯の貯蓄額のことです。


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 尚子の場合(仮名:飲食店 正社員27歳 実家暮らし)

・就職をしてからどれくらい経ちましたか?

 4年

・毎月どのくらい貯金をしていますか?

 10万程度

・給与明細の確認を欠かさずにしていますか?

 していません。Webなので確認がめんどくさくて。

・医療費の自己負担限度額(月額)を知っていますか?

 知らない

・毎月の収入の使い道の割合を教えて下さい

 (貯蓄を除いた金額で)食費 2割 他8割(パチンコ・マン喫・カラオケ・飲み代・たばこ)

・結婚の予定はありますか?

 なし

・今後の人生のライフプランはたてていますか?

 あんまり…。転職したいなーと漠然と思っています。

・資産運用をやってみたいと思いますか?(やったことはありますか?)

 やってみたいです。

・将来に対して不安はありますか?

 特になし。

・中島さんに質問 

 気軽に始められる資産運用ってどんなのがあるんですか?
 損はしたくないんですけど…(笑)よろしくお願いします。



中島さんからのアドバイス

 尚子さんは、そのお年で月々10万円ずつ貯金されているということで、もう脱帽です。
将来的な不安も特に感じていらっしゃらないということで、素晴らしいと思います。
何か貯蓄の目標みたいなものはあるのでしょうか?もちろんとりあえず貯めておいて、後から使い道を考えるというのもアリですが。
ただ、今はご実家で生活されているということで、親元を離れたときには貯蓄に廻せる金額は少なくなるでしょうから、今のうちにたくさん貯めておくのは正解ですね。
ご質問の、「気軽に始められる資産運用」ですが、とりあえず投資信託の積立てから始めるのが手軽でいいのではないかと思います。まずはコストの安いインデックス投信で、国内と海外を組み合わせて始めるといいのではないでしょうか。
投資信託は株式のように一本勝負ではなくて、多くの銘柄に分散して投資することになりますから、短期では損失が出ても、長期で持つことができれば、損失の可能性はかなり低くなります。


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なるほど…。インタビュー結果からみると、貯金はしているものの、お金に関する知識は低いかなと思うのですが、このくらいが一般的なのでしょうか?

中島「まだみなさんお若いのに、しっかりしてらっしゃると思いますよ。ただ、医療費の自己負担額(高額療養費)についてなど、社会保障に関してはもう少し知っておくと自分のためになると思います。」

お金に関する知識持っていないと、どんな損をするのでしょうか?

中島「たとえば住宅ローンでも、諸費用や金利によって総支払額が全然違ってくるので、最初にどこからお金を借りるかで総支払額が数十万~数百万と、かなり違ってくることがあります。保険なども自分でちゃんと内容を理解していないと、気が付かないうちに無駄な保険料を支払っていることも多く、こうした継続的な出費は長い目で見ると結構な額になるので要注意です。
また社会保険の例では自分で申請して初めて受け取れるものも多く、高額療養費制度の存在を知らなくて申請していない人も結構いるらしいですし、知っていると知らないのでは、結構差が出てきますね。」

お金に関する知識はどのように身につけて行くのがいいのでしょうか?

中島「まず、新聞を読むことでしょうか。テレビのニュースでも、興味を持ったことや疑問点を本やネットで調べるようにすれば自然と知識はつくのではないかと思います。
人間興味が無ければいくら勉強しても頭に入ってきませんから、まずは興味を持つことですね。ただ、ネットの場合は情報の出所をしっかり見ておいた方がいいでしょう。」

使い道を特に決めていない場合、どのくらいの金額を目標に貯金をすべきなのでしょうか?

中島「何かあった場合に備えて、少なくとも月々の生活費の6か月分は手元資金として貯めておいた方がいいでしょう。」

次はお金を使う時についてですが、20代と30代、お金の使い方は変えるべきですか?

中島「20代は試行錯誤しながら自分の価値観を確立するために、いろいろ試してみる時期だと思います。30代もまだまだ若いですが、結婚や子育て、住居、それから老後への備えなども視野に入ってくる年齢ですね。30代に入ったら、貯蓄額を具体的に考えた方がいいでしょう。」

最後に働く女性が注意するべきお金の使い方で、特に重要な3つを教えて下さい。

中島「お金をダラダラ使わないこと、
 今を大切にしながら将来に備えること、
 収入の範囲内で生活をする(借入れをしない)ことの3つではないでしょうか」

ありがとうございました!

お金の対する考え方は人ぞれぞれだと思いますが、知っていた方が特になる知識はたくさんあるんですね。満足度の高いお金の使い方をしていくために、少しだけ勉強してみるとよいかもしれません。

・保険のかけ方
・資金計画の立て方
・女が家を買う時に気をつけるべきこと
・株式投資の魅力とは?
・事実婚のメリット、デメリット
など、『働く女(ひと)のお金のルール』はアラサー女性にとって実用的な知識がたくさん載っています。

自分で調べ始めるのはちょっと面倒な“お金の事情”ですが、知っていたら役立つことばかり。必要になる前に事前知識を身につけておいてはいかがでしょうか?
(記事:川口絵理子)

◆『働く女(ひと)のお金のルール』
著者:中島牧子
出版社:明日香出版社
価格(税込):1365円
出版日:2009年12月9日
ISBN:4756913482
ISBN:978-4756913487


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