運をマネージメントし、より良い仕事をしよう!

「運の良い人」と「運の悪い人」を分けるものは、いったい何なのでしょう。
このことを知るために、まず「運の良い人」と「運の悪い人」の特徴を挙げてみましょう。[続きはこちら]


「運」は競り勝っているとついてきます。
きびしい競り合いの中で、ちょっとだけ上回る。相手より一歩前に出る。そうやって勝っていくと「運」が強くなるのです。接戦であればあるほど「摩擦」がつよくなるからです。[続きはこちら]


多くの「運の悪い人」を見ていると、「負けグセ」がついている人が多いのです。
スポーツの世界でも、がんばって練習をして、試合でがんばってもいつも肝心なとろこで失敗したり、相手にやられてしまって、結果が出せない。そうやっていつも負けていると「負けグセ」がついてしまいます。[続きはこちら]

「こうすれば運がよくなる!」スペシャルQ&A

Q、入社して三年目。社会人になったら、もっと華やかな毎日が待っていると思っていました。でも期待は大ハズレ。得意先の顔色うかがうだけの日々。なんだか自分の人生って、可もなく不可もなく、ぱっとしないな……と思います。営業成績は不振、かといって転職してまでやりたいことも見つからないし、女性にもモテません。そして、積極的に活動できるお金も勇気もありません。これからも、ずっとこんな調子なのかと思うと不安です。(20代男性 会社員/p212より)
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Q、私はだれからも好かれるし、だれとでも仲良くやれる自信があります。そして、人一倍仕事をしていると思うのです。でも、いつもそこそこまでは行くけれども、あと一歩というところで、競合他社の妨害にあったり、スタッフに裏切られたりする「不幸」が重なります。そして、なかなか結果が出せません。なんのために起業したのか、わからなくなってきました。(30代女性 会社経営者/p214より)
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Q、妻やまだ小さい子どもがいるのにリストラされてしまいました。私は一流大学を出て、一流商社に入社した人間です。そのプライドがあるので会社のレベルは落としたくないのです。しかし三十代後半ということもあり、再就職先はなかなか見つからず、経済的に苦しく、妻からも責められ、人生はじまって以来のどん底状態です。私は生きているか価値なんてないのかもしれないと、落ち込む毎日です。(30代男性 元会社員/p220より)
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運をマネージメントし、より良い仕事をしよう!
運の良い人、悪い人の特徴(本書P38-P41)

では、「運の良い人」と「運の悪い人」を分けるものは、いったい何なのでしょう。
このことを知るために、まず「運の良い人」と「運の悪い人」の特徴を挙げてみましょう。

「運の良い人」の特徴

1 いつも「偶然」としか思えないチャンスにめぐりあう。
2 自分にとってプラスになる人とよく出会う。
3 ふつうなら「不運だ」と思えることを、いつの間にか幸運に変えてしまう。
4 多くの人と会うことで偶然のチャンスを拡げ、チャンスを大きな成功に結びつけている。また、知り合った人たちとの関係を大切にし、長続きするおつきあいをしている。
5 楽観的で少々のトラブルやストレスにはへこたれない。
6 いつも「良い予感」を持っている。成功の予感、楽しいことがありそうな予感で心をワクワクさせている。
7 進んで新しい経験を受け入れようとする。
8 自分の直感を信じている。「時が来た」と感じたときの決断は素早く、知らず知らずのうちに、後から見て正しい選択をしている。
9 自分の周囲で起こることを注意深く見ているので、チャンスや予兆に気づく。

「運の悪い人」の特徴

1 なかなかチャンスにめぐりあえない。めぐりあったとしても、それに気がつかないことが多い。
2 マイナスにしかならない人と出会ってしまう。
3 幸運につながるような出来事でも、途中で判断を誤ったり、タイミングを逃してしまったりして、いつの間にか不運に変えてしまう。
4 人間関係に恵まれない。チャンスがあっても、人脈や他の人の助けがないために、それを成功に結びつけられない。周りにいるのは同じように「運の悪い人」たちで、いつも不満や愚痴を言い合っている。
5 悲観的で、不安やストレスに弱い。
6 いつも「悪い予感」を持っている。何をしても失敗しそうな気がしていて、先行き良いことは何もないと感じ、何も起きていないときから沈み込んでいる。
7 古い習慣にしがみついて、新しいことは否定的である。
8 自分に自信がなく、周囲の意見に振り回される。なかなか決断できずにチャンスを逃してしまい、最後に下した選択も、後から見ると間違っていることが多い。
9 考え方が固定的で、狭い範囲でしか見ていないために、訪れたチャンスに気づかず、いつもチャンスや予兆を見逃している。
ここまでご覧になって、どんなことに気がつきましたか?
「『運』って、偶然だと思っていたけれど、性格に関係しているのでは……」
「同じ出来事でも考え方しだいでチャンスになる人と、ならない人がいるのかも……」
そんなふうに思いませんか?

「運」とは、「物事の受けとめ方」や「考え方」しだいで、引き寄せることもできれば、取り逃してしまうこともあるのです。


競り勝つときに「運」は高まる(本書P87-P88)

「運」は競り勝っているとツイてきます。
きびしい競い合いの中で、ちょっとだけ上回る。相手より一歩前に出る。そうやって勝っていくと「運」が強くなるのです。接戦であればあるほど「摩擦」が強くなるからです。接戦でつねに勝っている人は、「運」を保ち続けることができるのです。
反対に、断トツで買った場合には、その場は良くても、「摩擦」がないからエネルギー切れになって、継続的な「運」が発生しなくなってしまいます。
大勝ちすると、次に大負けすることがよくあります。油断して、「氣」が抜けてしまうからです。断トツで勝つと油断をするのです。

二〇〇五年の総選挙では自民党が断トツで勝ちました。小泉首相のときでしたね。その反動で、二〇〇九年の総選挙では今度は大負けしてしまいました。民主党が大勝ちしたわけです。けれどもそうなると、次は民主党が大負けする可能性が高くなってきます。個人でも、会社でも、あまりに圧倒的に勝ちすぎてはいけないのです。
「自分は相手より力があり、上のレベルだ」というときは、ちょっと自分が力を抜いて、相手のレベルに近寄って相撲を取ることです。すると「運」が良くなります。

ビジネスにおいては、最初から自分が有利すぎる状態でやると、結果が良くありません。ちょっと階段を下りていって、苦労して競り勝った仕事のほうが、結果的に良いものが生まれます。

そしてライバルがいることが「運」を持続させるわけですから、「ライバルが落ちそうになったら、助けよ」と私は言っています。

普通の人はライバルが消えていくことをラッキーと思うでしょう。でも、それは違うのです。ライバルに手を貸して持ち上げてあげなければいけないのです。
「切磋琢磨してお互いを少しでも高めていこう」と思わない人は、「運」を手にすることはできないのです。

「負けグセ」解消法(本書P89-P92)

多くの「運の悪い人」を見ていると、「負けグセ」がついている人が多いのです。
スポーツの世界でも、がんばって練習して、試合でがんばっても、いつも肝心なところで失敗したり、相手にやられてしまって、結果が出せない。そうやって、いつも負けていると「負けグセ」がついてしまいます。
しだいに無気力になり、「どうせまた負けるんだ」と、練習もいい加減に流すようになり、試合でも「絶対に勝つんだ」という気迫がなくなってしまいます。
そういうチームにやる気のある新人が入ってきたとしても、先輩たちの無気力さに感染して、しだいにダメな選手になっていきます。
「運」の悪い人というのは、いわば人生において「負けグセ」がついてしまっているのです。何をやってもうまくいかない空しさに負け、気力を失ってしまうと、そのまま「負け組」になってしまいます。
「負けグセ」をなくすためには、なによりもまず「勝ちグセ」をつけることです。
つまり「成功体験」です。「成功体験」と言っても、大きな成功である必要はありません。むしろ最初から高望みせず、「小さな成功体験」を積み上げることです。たとえ「小さな成功体験」であっても、気持ちが鼓舞されます。

プロ野球の星野仙一さんが初めて阪神タイガースの監督に就任したとき、阪神は四年連続リーグ最下位という「ダメ球団」でした。
それまで何年間も負け続けてきた阪神の選手たちにとって、負けることは当たり前になってしまっていました。負けてもあまり悔しくないし、落ち込まない。完全に負けグセが染みついていたのです。星野さんはその状況を見て、阪神監督に就任した年、オープン戦から勝ちにこだわりました。
まず相手があまり真剣に勝ちに来ないオープン戦を利用して、選手たちに「勝ちグセ」をつけようとしたのです。
その狙いは当たり、就任一年目には最下位球団を四位に引き上げ、就任三年目にはついに十八年ぶりというリーグ優勝をなしとげたのです。

「運の悪い人」を変える場合にも、星野監督と同じやり方ができます。
まず「小さな政治」を経験すること。
「運の悪い人」の場合、最初から大きな勝負をしても、「負けグセ」がついていますから難しいのです。
まずは簡単な、だれでもできるような、「小さな成功」でよいのです。
大切なのは、それを重ねることです。
「小さな成功」が重なることが、無気力になっていた本人の意識を変え、「運」を変えるのです。「小さな成功体験」が、次の大きな成功体験に続くのです。
「運の良い人」の周りには、「ツキ」や「運」がある人が集まってきます。
常勝チームに新人選手が入ると、その選手の意識も「勝つのが当然」「絶対に勝つ」という方向に向かっていくのです。「自分に運をつけたい」と思ったら、「運」の良い人の近くに行くことです。
その意味では、ダメ球団だった阪神も、星野仙一さんという非常に「運」の強いリーダーがやって来たことで、「運」の良い方向に変わったと言えるかもしれません。

さらに「成功体験」が重なると、今まで湿気っていた気持ちが乾いてきて、そして何かのきっかけで、そこに火がついていきます。
そうなるとしめたもので、それまでの負けグセ、無気力が嘘のように、「やってやろう」という気力にみなぎり、それがチームであれば、一丸となって勝利に向けて突き進むようになるのです。

「小さな成功体験」を重ねると、無気力になっていた「潜在意識」が変わり、「運」の流れが変わるのです。「小さな成功体験」の繰り返しが、次の大きな成功体験を導くのです。

これは先に述べた「摩擦」や「競り勝つ」ことにも通じることです。
「小さな成功体験」とは、今までの「できなかった自分」に競り勝っていくことであり、「摩擦」によって生じたエネルギーを蓄えていくことで、より大きな成功に備えることができるのです。

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書誌情報
運の管理学
人生に「結果」をもたらす幸せの方程式
著者名:松永修岳
出版社:講談社BIZ
価格:1,470円
ISBN-10:4062821257
ISBN-13:978-4062821254