『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』(DHBR)は、モントリオール・オリンピックが開催されて日本が金メダルを8個獲得し、長嶋巨人が初優勝を果たし、『およげ、たいやきくん』がミリオンセラーとなり、都はるみが紅白歌合戦で『北の宿から』で初めてのトリを務め、田中角栄がロッキード事件で逮捕された1976年に、Harvard Business Reviewの日本版として創刊されました。
創刊から1999年のモデル・チェンジ、そして2000年末の月刊化(それまでは隔月刊でした)まで、知る人ぞ知る雑誌であり、実際、部数もリエンジニアリングが流行した時に1万部を超えたくらいでした。
とはいえ、まさに日本産業界を牽引してきた人々、たとえば盛田昭夫、賀来龍三郎、中内功、伊藤雅俊、最近では出井伸之、中村邦夫などの経営者たちに、こっそり読まれてきました。このなかの一人からは、「(DHBRは)売れなくてよい。俺の参考書だからな」と言われたこともあります。そして新世紀を迎え、この「こっそりDHBRを読む人たち」の輪は着実に広がっており、いまでは平均2万5000人規模になっています。
それでも、まだまだ小さなサークルです。会員は常時募集中です。言うまでもなく、問題意識の水準と知的習慣の質は相関します。「いやいや『日経新聞』や『日経ビジネス』だけ読んでいれば事足りる」な~んて言っていると、後輩に追い抜かれますよ。何しろ、30代や20代の読者が増えてますから。