せっかく働いているからには、「この人に任せれば大丈夫!」と、職場で頼りにされる、存在感のある人になりたいものです。
しかし、そんな人になるためには、ただ単に「仕事ができる」だけでは不十分。プラスアルファの能力が必要とされます。
では、どんな能力が必要なのか。本書がそんな疑問に答えてくれます。
本書によると、その能力とは「コミュニケーション力」「段取り力」「現状把握力」「素直力」「自己実現力」の5つ。
今回はその中でも、自分の周りで起こっている出来事やその問題点を客観的に見て評価する「現状把握力」の高め方を取り上げます。
■自分を外からの視点で見る「メタ認知力」
外からの視点で自分自身のありのままの姿で把握する力を「メタ認知力」といい、これが「現状把握力」の一番のポイントだといえます。
この能力が高い人は、自分の行動が周りからどのように見えるのかがわかりますし、何か問題が起こった時も、現状を正確に把握して、一番いい対処法を取ることができます。
この「メタ認知力」、今から身につけるのは難しい能力のように思えますが、実はそんなこともありません。
日々の仕事の中で上司から受けた注意やクライアントからのネガティブな反応を、自分なりにアレンジを加えたり要約したりせずに、時間を置かずに「ナマ」のまま一言一句ノートに書き出してみると、自分自身の悪い点もそうでない点も客観的に見ることができるため、「メタ認知力」を鍛えられます。
人は多かれ少なかれ、自分びいきな視点で物事を見てしまいがちです。「自分は悪くない」と思っていたことでも、紙に書き出してみると、気がつかなかった自分のミスや悪かったところに気がつき、物事の本当の姿を把握することができるようになるのです。
■悲観的に考え、楽観的に行動する
私たちは、まだ起こっていない出来事について、「まあなんとかなるだろう」とつい楽観的な予測をしてしまうもの。悲観的なことを考えると現実になりそうだから考えたくないという人も多いでしょう。
もちろん、楽観的に物事を考えることが悪いわけではありません。しかし、起こりうる最悪の事態を考えて、被害を最小限にとどめる対策を講じておくことも、やはり必要なのです。
起こりうる悲観的なシナリオを想定しておけば、その後は楽観的に行動できますし、「こんなはずじゃなかった!」と焦ることがなくなって、どんなことが起こっても冷静に状況を見極めることができます。
これもまた「現状把握力」の一つなのです。
今回は「現状把握力」を取り上げましたが、本書ではこの他の4つの力についても詳しく解説され、その高め方が明かされています。
職場で本当に必要とされ、信頼される人になるために、ぜひ参考にしてみてください。
CONECTA代表。福島県いわき市出身。二浪の末、慶應義塾大学総合政策学部に入学。就職活動では30社から不採用通知をもらう。唯一採用されたワタミ株式会社では、新卒2年目で窓際社員になりかける。上司の教えのもと仕事の仕方を徹底的に見直したところ、仕事を任されるためのコツを徐々につかめるようになる。その後、ボストン コンサルティング グループを経て独立。2009年発売の初めての著書『「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす!』(マガジンハウス)は、ムック、文庫版(PHP文庫)合わせて10万部を超えるベストセラーとなる。現在は「ボタンの掛け違いを直したい」という想いのもと、プレゼンテーション資料作成支援、通る企画書作成術、思考整理、情報発信、時間管理、目標達成、女性のキャリア形成などをテーマに講演、研修、著述活動を行っている。著書に『「ひとり時間」で、すべてがうまく回りだす!』(マガジンハウス)『絶対!伝わる図解』(朝日新聞出版)など。プロデュースに、朝専用手帳『朝活手帳』、iPhone対応目覚まし体調管理アプリ『朝活アプリ』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)。
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