書籍情報
- 書籍名: 頭を「空っぽ」にする技術
「考えない時間」がいい仕事を生む! - 著者名: 藤井義彦
- 出版社: ナナブックス
- 価格: 1,365円
- ISBN-10: 4904899008
- ISBN-13: 978-4904899007
頭を「空っぽ」にする技術 目次
- はじめに
- 第1章 現代の若手ビジネスマンの置かれている状況を分析する
- 第2章 実践! 「黙想力」で自分の「軸」を取り戻す
- 第3章 「黙想」によって「運」がよくなる!
- 第4章 「黙想」から「瞑想」へ
- 第5章 ビジネスマンにこそ知ってもらいたい「瞑想」の素晴らしさ
- 第6章 ビジネスマンとして得られた「瞑想」の効果
―まず、本書では「黙想」と「瞑想」の必要性が提唱されていますが、どうして「黙想」と「瞑想」が現代のビジネスマンに必要なのでしょうか。
「どんな時代でも『黙想』と『瞑想』は重要だと思うのですが、特に昨今の日本のビジネスマンにとってはその必要性が増してきていると思います。なぜなら、時代の変化が国内外ともに急激に進んでいるからです。グローバル化、IT化などにより、世界はものすごいスピードで複雑化しています。情報が目まぐるしく飛び交い、情報過多となっているこの時代こそ、頭を空っぽにして整理する時間が求められているのです。
また、日本の状況そのものも大きく変化しています。戦後の日本人は滅私奉公の精神で働き高度成長を遂げました。しかし、昨今の日本は様変わりし、大企業でも倒産することが珍しくありません。また、国は進むべきビジョンや夢を国民に示さない。会社も国も信用できない、頼れるのは自分だけという状況になっていると思います。
つまり、自分自身がしっかりする必要性が生じている現代において、オフの時間をもっと余裕を持って、自分の軸を確立する必要が出てきたのです。自分の本来の姿、自分が心からやりたいことを自然に知ることができるのが『黙想』であり『瞑想』なんですね」
―信じられるものがなくなったというのが現代社会の特徴であると思うのですが、そういうときには何を信じればよいのでしょうか?
「やはり自分を信じるのが一番いいと思います。あるいは自分の家族ですね。自分を信じるためには、本当に自分が強くならなければいけません。そのための『黙想』であり『瞑想』なのです」
―ビジネスマンを取り巻く環境は非常に厳しいものですが、こうした状況が続いていくと、日本はどのようになってしまうと思われますか?
「国というのは国民一人ひとり、私たち一人ひとりから構成されています。だから国の活力というのは国民一人ひとりの活力の集合体なのではないかと思います。つまり、国の将来を決めるのは国民一人ひとりの意識や想念だと思うんですね。
私は日本と中国のそれぞれの大学でリーダーシップの講義を持っているのですが、中国人と日本人の学生はまず目の輝きから大きく違います。中国の学生の目はキラキラと輝いているんです。『将来こうしたい』という強い夢を持ち、自分の主張をもって積極的に発言してきます。逆に日本の学生はあまりの裕福さに慣れてしまったのか、ハングリー精神やアントレプレナーシップ(起業家精神)が非常に乏しくなってきているように思います。中国の学生に比べて、目の輝きが鈍い気がするんです。
この状態が進めば、日本は必ず沈んでいくことになるでしょう。それを防ぐには、ビジネスマン一人ひとりの意識が高くなることが必要だと思います。それがこの本の中で私が書いたように、頭を空っぽにし、整理する『黙想力』によって自分の軸を取り戻したり、瞑想によってより深い意識に到達していく、と。『黙想』と『瞑想』を実践することによって、日本はもう少し力強い国になってくるのではないかと思います」
―では、どのような人が「黙想」をすべきだと思いますか?
「全ての人が黙想するべきであり、全ての人が瞑想に進んで欲しいと私個人は思います。世界の偉人の中で瞑想していない偉人はいないとよく言われていますが、まさしくその通りだと思いますね。この本に『黙想』がどのような効果をもたらすかを詳しく書いていますが、『黙想』すると本当にあなたの心が確実に良くなってきます。あなたの一日も早く黙想をはじめて、変革していって欲しいですね」
―私は短気で普段からよくカッとしてしまう、怒りやすい性格なのですが、こうした人格的な側面も「黙想」や「瞑想」で直るものなのでしょうか。
「実は私も若い頃は怒りやすくてすぐカッとするタイプだったんですよ(笑)。でも、最近、穏やかになってきたと言われます。おそらく私が発する波動が非常に調和的なものに変わってきたんじゃないかと思います。人によって変わり方、直り方のスピードは違うと思いますが、必ず直るものだと私は思いますね。
ただ、カッとなってしまう状況を考えてみると、たいていはストレスがたまっていたり、身体の調子が悪かったり、自分の思い込みが激しくて他人の意見が受け入れられないようなときが多いですよね。だから、『黙想』や『瞑想』によってストレスが消え、やるべきことや大切なことが見えてくれば、身体の状態はより良くなり、穏やかになると思います」
―心身を健康に保つために、藤井先生が心掛けていることはありますか?
「食事に注意することですね。暴飲暴食をしないというような、日ごろ言われているようなことです。規則正しく食事を取る、それから女房に言われているんですけども、30食、いろんなものをたくさん食べる。あとは、楽しみながら食べる。これは非常に良いですね」
―人生を豊かに送るために、最も必要なことは何だと思いますか?
「私は『黙想』『瞑想』を28年くらい続けています。なぜ、それほど長く続いているかと言うと、『黙想』と『瞑想』をやっていると、非常に楽しくなれるからです。その楽しい気分が瞑想、黙想中だけではなく、自分の個人の普段の生活のときまで続いてくるようになると人生はすごく豊かになると思います。
また、『黙想』と『瞑想』を続けていくと、『全ての原因は自分の中にある、必要な答えは自分の中にある』ということが自然と分かってきます。そのような謙虚な考え方を持ちながら、楽しい気分を日常生活の中で持ち続けられるようになれば、人生は間違いなく豊かに楽しく送れるはずです。確かに人生には上手くいかないことも多いですけどね(笑)」
―なかなか三日坊主で続けられない人もいると思うのですが、28年間も続けてこられた、その秘訣は?
「気軽にやることです。非常に真面目な方と言うのは、黙想をやると決めたら1日に2回、15分ちゃんとやらないといけないと強く感じます。でも、それが逆にストレスになってしまうんです。だから気軽に、やりたいときにやる、そのうち自然にやっていることが楽しくなってきます。そうすると非常にいい効果が出てきます。
やりたくないときはやらない。やりたいときにやる。そういう風に自然に自分が納得してやるようになってくると、長く続けられると思いますよ」
―では、精神的に調子が良いときにやった方が長く続きますか?
「いや、どちらかというよりは、かえって悪いときに『黙想』『瞑想』をすることが多くなると思います。調子が悪いときこそ、楽しいことを思い出したい、感謝を持ちたいと思うときが多いと思います」
―最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。
「私の哲学は『人生は一度』です。日本人は、『とかく人生は苦しいものだ』『苦しい努力をしないと上手くいかないものだ』と思ってしまいがちです。ですが、私自身は人生は楽しくあるべきだし人生は実際楽しいものであると思います。楽しく満足する人生を送れるように、『黙想』からはじめ『瞑想』に進み、皆が楽しい人生を送れるになって欲しいと思います」
藤井義彦(ふじい・よしひこ)
神戸市生まれ。米スタンフォード大学、慶應大学経済学部卒業。
1965年鐘紡株式会社入社。1990年ハーバード大学ビジネススクールAMP(上級マネジメントプログラム)修了。
1995年鐘紡退社。
株式会社イメリスミネラルズ・ジャパン代表取締役を経て、慶応大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)特別研究教授(2004-2007)。
英国国立ウェールズ大学MBAプログラム・アカデミックディレクター。
SNAコーチング協会パートナー。
およびGRI(ガンガー総合研究所、エグゼクティブ・コーチ&コンサル会社)代表取締役。最近はエグゼクティブ・コーチングに専念している。
著書に『できるビジネスマンは瞑想をする』『経営者格差』(PHP研究所)、『仕事に疲れたら、瞑想しよう。』(ソフトバンククリエイティブ)などがある。
関連リンク
GRI Training & Consulting
http://www.gangasoken.jp/