金正日の後継者 その素顔
先日、朝鮮労働党・金正日総書記の後継者が正式に決まり、俄然注目度が高まっている北朝鮮。その北朝鮮についての驚くべき書籍が発売された。
『北の後継者 キム・ジョンウン』がそれである。
著者は、北朝鮮で長年にわたり金正日の専属料理人を務めた藤本健二氏。
本書はこれまでの北朝鮮関連の報道は知らされてこなかった三男・ジョンウン氏や、その兄でやはり後継者候補とされていた次男のジョンチョル氏の素顔、金正日ファミリーとそれを取り巻く人物達の実像、日本からの拉致被害者についてなど、北朝鮮“内部”にいた者しかわからない、生々しい事実が語られている。
最もインパクトの強いエピソードの一つとして、藤本氏は金正日氏が
「日本は水際の警備が甘いぞ、うち(北朝鮮)の潜水艦は何度も近くまで行っているぞ」
「自衛隊も甘いな。日本は島国なんだから、もっと厳重に警備しないといけないんじゃないか」
などと語っているのを直接聞いた、というものがある。藤本氏は、潜水艦からゴムボートで上陸し日本人を拉致したのだろうと推測しているが、いかにも信憑性のある話である。
『北の後継者 キム・ジョンウン』にはその他にも、後継者に決まったジョンウン氏の指導者としての資質や、彼の後見人である張成沢氏について、また藤本氏が張氏に助けられたエピソードが掲載されており、まったく飽きさせない。
北朝鮮については専門家によって様々な意見が飛び交っているが、実際に北朝鮮で生活し、金正日に近い位置にいた藤本氏が持っている情報は、それらとは一線を画した貴重なものだと言えるだろう。
今回、新刊JPでは本書の一部を公開!(無料)
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(新刊JP編集部)
藤本 健二(ふじもと けんじ)
元・寿司職人。1982年に初めて北朝鮮に渡り、平壌の日本料理店で働き始める。一時帰国後、87年に再訪朝し、ほどなく金正日本人に請われて、専属料理人となる。以来、都合13年間を北朝鮮で過ごす。2001年決死の脱出に成功し、日本に帰国。03年にその体験をまとめた著書『金正日の料理人』を発表。現在もテレビ等で北朝鮮に関する証言を続けている