- 書名:
- 日銀を知れば経済がわかる
- 著者:
- 池上彰
- 価格:
- ¥777(税込)
- 出版社:
- 平凡社
- 発行日:
- 2009年5月16日
- ISBN(13桁):
- 9784582854640
- ISBN(10桁):
- 4582854648
- はじめに 未曾有の金融危機に立ち向かう
- 第1章 そもそも金融とは何か
- 第2章 日本銀行は「銀行の銀行」だ
- 第3章 日本銀行は「政府の銀行」だ
- 第4章 日本銀行は「発券銀行」だ
- 第5章 紙幣はいくらでも発行できる?
- 第6章 日銀はこうして誕生した
- 第7章 「公定歩合」はなくなった─金融政策の仕組み
- 第8章 日銀の政策委員会とは
- 第9章 ゼロ金利政策で悪戦苦闘
- 第10章 景気の動向を常に監視
- 第12章 金融グローバル化時代の日本銀行
- おわりに 日銀は「奴雁」たりうるか
「日本銀行とは何ぞや?」というテーマで書かれた本書は、私たちが説明するときにどうしても使いがちな難しい言葉がほとんど見受けられない。そのため、スラスラと読むことができる。
また、気になる疑問についてもしっかりと答えてくれている。
例えば「国にお金がなければ刷ればいいのでは?」という質問。これに対し、池上氏はまず、お金を印刷するのは誰かということを考えようと述べる。
どの国も紙幣は中央銀行が発行している。
しかし、それとは別に政府が発行する「政府紙幣」というお金もありえるだろう。この「政府紙幣」は政府にとっては魔法のようなものだ。刷ればその分、国家予算をいくらでも拡大できるし、自分で刷るのだから借金もないため、いくらでも発行することができる。
しかし、世に出回っている商品の量に対する紙幣の枚数が増えてしまい、インフレが起こる。インフレとはお金の価値が暴落することで、激しい物価の上昇が起こる。
こうしたインフレを避けるために、中央銀行は勝手に紙幣を刷ることはできず、価値の裏づけとなるモノ(例えば国債など)と引き換えに紙幣を発行するシステムを整えているのだ。
本書の「はじめに」で、池上氏は読者にこう問いかける。
「私たちは、中央銀行とりわけ日本銀行の役割を、どれだけ知っているでしょうか。」
もし、「日銀ってどんなことをしているの?」と聞かれたとき、相手に平易にわかりやすく伝えられるように、また、自身の経済観を伸ばすためにも読んでおきたい一冊だ。
(新刊JP編集部)
1950年長野県松本市生まれ。
慶應義塾大学卒業後、1973年、NHK入局。2005年まで32年間、報道記者として、さまざまな事件、災害、消費者問題、教育問題などを担当する。
1994年から11年間は、「週刊こどもニュース」のお父さん役としても活躍。『池上彰の「世界が変わる!』(小学館)、『世界一ニュースがわかる本』(毎日新聞社)、『14歳からの世界金融危機』(マガジンハウス)など、著書多数。