- 書名:
- すべての男は消耗品である。VOL.10 大不況とパンデミック
- 著者:
- 村上龍
- 価格:
- ¥1,575(税込)
- 出版社:
- KKベストセラーズ
- 発行日:
- 2009年6月19日
- ISBN(13桁):
- 978-4584131657
- ISBN(10桁):
- 4584131651
- ●韓国ドラマ『砂時計』とイ・ジョンジェ
- ●パキスタンとタリバン
- ●セミのシャワーと朝青龍
- ●社会的信頼と安倍晋三
- ●官能と広東料理
- ●ミシュランの星とサルコジ大統領
- ●置き去りにされる人とショットガン
- ●ねじれ国会と医療危機
- ●イージス艦とNYフィル平壌公演
- ●日本のゆっくりした衰退と大手既成メディア
- ●笑顔とトッポギ
- ●ヒューマニズムと貧困層
- ●苦闘する勤務医とオタクの街の通り魔事件
- ●巨悪の不在とタクシー運転手の缶ビール
- ●北京オリンピックとプーチン
- ●麻生新政権と北島康介
- ●世界的大不況と投資銀行
- ●救急患者のたらい回しと病院の受け入れ不能
- ●派遣切りと外国人ホームレス
- ●高度成長と猟奇的殺人事件
- ●セックスと発泡酒
- ●北朝鮮の飛翔体と日本の離島
- ●人妻と機会費用
- ●現在の消耗品と未来の消耗品
『限りなく透明に近いブルー』で文壇デビューして以来、昔から社会の暗闇の部分やその病巣を小説のテーマとして取り上げ、若者たちの社会に対する怒りのようなものを解放してきた作家・村上龍氏。
そんな村上氏のエッセイシリーズ『すべての男は消耗品である』はいよいよ本作で10作目を迎える。
10作目のサブタイトルは「大不況とパンデミック」。
2007年6月から2009年5月の2年間に書かれた村上氏の思索が詰まった一冊で、ここ2年間に起きた様々な出来事―ねじれ国会や北京オリンピック、派遣切り、大不況など―をそれぞれテーマにしている。
大不況に陥り、世間はそこから抜け出す希望すらも見失いつつある。しかし、こんな時代だからこそ、オピニオンリーダーというものが必要であろう。
村上氏の視点は作家としてデビューしてからこれまで、おそらく揺らいだことはないだろう。
見据えているその視点の先には、「今を生き抜くリアル」が存在しているだけだ。
TV番組「カンブリア宮殿」の司会役などでも活躍しているおり、幅広い知見とそこから織り成される言葉たちは「さすが村上龍」というべきものだ。
本当の「今」を見つめるために。今読んでおきたい一冊といえよう。
(新刊JP編集部)
1952年長崎県生まれ。76年「限りなく透明に近いブルー」で第七五回芥川賞受賞。「コインロッカー・ベイビーズ」で野間文芸新人賞を受賞。仕事の百科全書「13歳のハローワーク」は130万部を突破するベストセラーズに。2005年「半島を出よ」で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。芥川賞選考委員も務める傍らTV番組「カンブリア宮殿」の司会役としても活躍中。金融と経済のメールマガジン「JMM」とインターネットによる映像配信「RVR」を主宰。