- 書名:
- 恐慌第2幕
- 著者:
- 朝倉慶
- 価格:
- ¥1,575(税込)
- 出版社:
- ゴマブックス
- 発行日:
- 2009年4月27日
- ISBN(13桁):
- 9784777112449
- ISBN(10桁):
- 4777112446
- まえがき
- プロローグ
- 第1章 世界は悪性インフレに突き進む
- 第2章 今アメリカで何が起きているのか?
- 第3章 デリバティブという虚構
- 第4章 中国が世界を牽引するという幻想
- 第5章 オバマ以降のアメリカ
- 第6章 悪性インフレ下で生き残るために
本書の著者である朝倉慶氏は、経済アナリストであり、現在の経済危機をもっとも近い位置から見ている。
本書に示されている同氏の経済予測は悲観的なものだが、それは一部で語られている楽観論の根拠の矛盾点に気づいているからだ。
まず朝倉氏は、今回地球規模で発生した経済危機の発端となったデリバティブの異常な拡大にお墨付きを与えた金融工学を“インチキ学問”であると徹底批判する。そして、現在、このデリバティブバブルの崩壊によって起こった世界恐慌は、第2幕―「悪性インフレ」に突き進もうとしていると危惧するのだ。
現在、今後の世界経済がどうなるかについて様々な意見が発信され、しきりに議論されている。
日本国内に限っていえば、一時期7000円台まで落ち込んだ株価が9000円台まで回復していることもあり、近頃は「最悪の時期は越えた」という論調のものも目立つようになってきたが、世界全体の経済となると、誰もが予測しあぐねている感がある。
しかし、最悪の状態にある世界経済のなかの数少ない希望として語られるいくつかの要素に含まれている矛盾点を指摘する本書の論調は、説得させられるところがある。
先行きが不透明だからこそ最悪の状態を我々は想定しなければならないが、最悪の状態を個人はどう生きるべきか。そのことを考えるうえでぜひ読んでほしい一冊だ。
(新刊JP編集部)
経済アナリスト。
船井幸雄氏が「経済予測の“超プロ”」と紹介し、その鋭い見解に注目が集まっている。
早い時期から、今後の世界経済に危機感を抱き、2007年のサブプライムローン問題を皮切りに、その経済予測は当たり続けている。著書に『大恐慌入門』(徳間書店)がある。