ストレスを解消する5つの方法
そしてストレスは体だけではなく、脳も感じています。ストレスとうまく付き合っているためには、脳もストレスに負けないようにならないといけません。
脳は、活性化を習慣づけたり、脳によいことをすることで「育てること」ができます。
落ち込みやすい人はストレスを受け流す部分を「育脳」することで、ストレスに負けない脳にすることができます。では、その方法を本書からご紹介しましょう。
1、呼吸に集中したウォーキング・ジョギングを行う
一定のリズムで歩いたり走ったりすることは脳が活性化し、育脳に効果的です。ただし、歩く、走るという運動に意識を集中させる必要があります。
ウォーキングは時速5~6キロくらいの速さで、ジョギングは時速8キロくらいの速さで、腹式呼吸を行うとさらに効果がUPします。風景に目がいかないように、いつも同じコースを選ぶとよいでしょう。
2、一定のリズムでガムを噛む
ものを噛む時、意識して一定のリズムで噛むようにすれば、それだけで育脳になります。この時、言葉を話したり、文書を読んだりする時に使う言語脳を使わないように気をつけて下さい。なるべく「噛む」ことだけに集中して行わないと効果が得られません。「リズミカルに刻むこと」に集中しながらガムを噛むようにしましょう。
3、入浴は寝る前がおすすめ
人間の体は普通、眠る時は脳の温度や体温が下がり気味になります。寝る前に体をちょっと温めてから寝ると質のよい睡眠が得られます。よい睡眠はストレスを解消する効果があり、ぬるめのお湯にゆっくり浸かるだけでぐんと育脳効果があるのです。時間がある時はお風呂の中でストレッチをするのもいいですね。
4、「井戸端会議」や「ちょい飲み」をする
時間帯に応じて過ごした方を工夫することでストレス解消になり、育脳効果が上がります。お茶のみ話、井戸端会議、ランチ会などは積極的に参加しましょう。人と話すことは脳の活性化に有効です。
また、仕事帰りに「ちょい飲み」に行くことも、おしゃべりを楽しみながら情報収集やストレス解消ができるでしょう。
5、息を抜く生活を心がける
良質の睡眠を得るためには「寝るまでの準備が必要」なので、パソコン、ゲーム、携帯電話を極力使わないようにすることを心がけましょう。睡眠にとって大切なホルモンには電磁波がよくありません。また、昼夜逆転の生活はもっての外です。遅くても夜12時には寝ることをおすすめします。
そして「育脳」以外のストレスの対処法として「泣くこと」があります。うれしいとき、悲しいとき、感動したときに流す「情動の涙」は、気分がすっきりして精神的にラクになるそうです。脳の中がストレス状態からリラックス状態に変化すると言われています。 自分に合った、トレスと上手に付き合っていく方法を実践してみて下さい。
(新刊JP編集部 川口絵里子)
有田 秀穂 (ありた ひでほ)
1948年東京生まれ。東京大学医学部卒業後、東海大学病院で臨床に、筑波大学基礎医学系で脳神経系の基礎研究に従事、その間、米国ニューヨーク州立大学に留学し、現在、東邦大学医学部統合生理学教授。坐禅の呼吸法とセロトニン神経との関係について、各界から注目を集める「セロトニン研究」の第一人者。脳内セロトニンを活性化させる技法を教えるセロトニン道場の代表も勤める。
主な著書に、「脳からストレスを消す技術」(サンマーク出版)、「ストレスすっきり!脳活習慣」(徳間書店)、「セロトニン欠乏脳」(NHK生活人新書)、「歩けば脳が活性化する」(WAC文庫)、「認知症介護はセロトニンで楽になる」(青春新書)、「セロトニン生活のすすめ」(青春文庫)など
「エチカの鏡」(フジテレビ)、「朝イチ」(NHK)などテレビ出演多数
01 今すぐ「育脳生活」を始めよう!
「朝」を大事にする日本の生活習慣
脳を壊す「生活スタイル」!
育脳生活は「朝」から始まる
人とのコミュニケーションはすべてが学習だ
自分の感情をコントロールすることも大事
ゴールに着けばいい。早いか遅いかは問題ではない
朝の「育脳習慣」で心身ともに元気になろう!
機械を相手にし続けることの危険性
育脳には若返り効果もある
医療コラム
勝ちたい! ほめられたい! 「ドーパミン神経」
戦うか逃げるかの決断「ノルアドレナリン神経」
脳全体のバランスを取る「セロトニン神経」
生活改善は三ヵ月間を目安に実行しよう!
セロトニン神経の五つの働き
02 脳を鍛える21の育脳メソッド
一日五分間、太陽光を浴びてリズム運動
育脳メソッド1 太陽光をどんどん浴びよう!
育脳メソッド2 リズム運動は、毎日五分以上三〇分を目安に
育脳メソッド3 ウォーキングとジョギング
育脳メソッド4 サイクリングも育脳に効果あり
育脳メソッド5 なわとびの単純さが脳活性を促す
育脳メソッド6 一定のリズムでガムを噛む
育脳メソッド7 思い切り自然にふれる
育脳メソッド8 音楽に合わせてリズムを刻む
育脳メソッド9 ストレッチは毎日続けるのが大事
育脳メソッド10 集中して腹筋呼吸を実践しよう!
育脳メソッド11 音読にも腹筋呼吸の効果がある
育脳メソッド12 腹筋呼吸を取り入れた座禅
育脳メソッド13 息を吐きながら発声する
育脳メソッド14 積極的に人とふれ合う
育脳メソッド15 入浴は寝る前がおすすめ
育脳メソッド16 タッピングタッチでリラックス
咀嚼のリズムを意識すると頭がよくなる!
育脳メソッド17 しっかり噛んで食べよう!
育脳メソッド18 心がけて脳にいい食品を摂る
育脳メソッド19 おしゃべりタイムがグルーミングに
育脳メソッド20 夕食は家族が向き合う時間
育脳メソッド21 息を抜く生活を心がけよう!
バーチャルでなく「リアルな世界」が共感脳を育てる
遊びを自分でつくり出す「ごっこ遊び」のススメ
03 脳からストレスを消そう!
ストレスとうまくつき合っていくコツ
ストレスに対抗するには育脳だ!
脳は成長の過程で修正できる
「スキンシップ」は心に効く
人とのふれ合いは多幸感につながる
意識して周囲の人とふれ合おう!
ストレスを受け流す秘密兵器は「涙」だった
「笑い」と「涙」はどちらがストレス発散に効くか?
医療コラム
「ストレス」を脳科学的に考える
涙のメカニズム
認知症介護はセロトニンで楽になる
04 心と体を元気にする育脳生活を目指そう!
人生のゴールは「心豊かに暮らすこと」
キレない心と脳のつくり方
男と女の脳は「思春期」に変わる
うまくいかなかったときの心の処理
落ち込んだときには育脳で軌道修正
家のつくりは家族関係に大きく影響する
親子で一緒に寝起きするのがベストな環境
他人を癒やせれば自分も癒やされる
医療コラム
アンチエイジングのためにも重要なメラトニン
おわりに 「心の時代」を楽しく生きよう!