書籍名:放射能と原発のこれから―武田先生、どうしたらいいの?
著者名:武田 邦彦
出版社:ベストセラーズ
定価:1,155円
ISBN-10:4584133670
ISBN-13:978-4584133675
原発もエコも自然エネルギーもウソだらけ
12月16日、野田総理は福島第一原発事故に対する収束宣言を出しましたが、未だ溶け落ちた核燃料がどうなっているのかは定かでなく、あくまで形式的なものだという見方が強まっています。仮に、各原子炉の冷温停止状態が保たれているとしても、これまで海に流し続けてきた汚染水や、事故によって仕事や生活を奪われた人たちをどうするかなど、日本は今後何十年も今回の原発事故と向き合っていかなければなりません。
そう考えると、未成年である若い世代全体が、この事故の被害者だともいえます。彼らはこの事故や、事故に対する政府の対応をどう思っているのでしょうか。
『放射能と原発のこれから――武田先生、どうしたらいいの?』は、工学博士の武田邦彦氏が、中高生から大人まで理解できるよう、わかりやすく放射能や原子力について解説している一冊です。
その内容は、放射能からいかに身を守るか、といった実生活にまつわるものから、「電力会社はなぜそこまでして原発を動かすのか?」「原発を稼働させないと電力が足りなくなる、というのは本当か?」など、マスコミがあまり報道したがらない日本の原子力政策の真の姿にきり込んだものまで多岐にわたっています。
特に興味深いのは、原子力発電の必要性を否定しながらも、それに代わる電力源として研究されてきた、太陽光発電や風力発電といった自然エネルギーを利用した発電についても、その問題点を冷静に指摘していることです。風力発電は樹木の発育を阻害するリスクがあり、太陽光発電も同様に自然に大きなダメージを与えます。自然を利用することは、自然を犠牲にして何かを作り出すことなのだという視点は、私たちの多くに欠けていたのではないでしょうか。
原子力に頼らず、なおかつ自然エネルギーを盲目的に信用しないエネルギー政策とはどのようなものなのか。本書を読んで、ぜひ考えてみてください。
武田 邦彦 (たけだ くにひこ)
1943年東京都生まれ。工学博士。専攻は資源材料工学。
東京大学教養学部基礎科学科卒業後、旭化成工業に入社。
同社ウラン濃縮研究所所長、93年芝浦工業大学工学部教授、02年名古屋大学大学院教授、07年より中部大学総合工学研究所教授。内閣府原子力委員会および安全委員会専門委員、文部科学省科学技術審議会専門委員を歴任する。TV、雑誌、インターネット配信、執筆活動等で独自の見解を披露し、毎日、発信する自身のブログにアクセス集中。全国各地の講演で超多忙な日々をおくる。
2時限●武田先生、どうすれば放射能から身を守れますか?
3時限●武田先生、なぜ日本は原発をやめないのですか?
4時限●武田先生、自然エネルギーは地球にやさしいですか?
課外授業●女子高生100人のアンケート