書籍名:原発大崩壊! 第2のフクシマは日本中にある
著者名:武田 邦彦
出版社:ベストセラーズ
定価:840円(税込)
ISBN-10:4584123292
ISBN-13:978-4584123294
原発崩壊、本当の脅威とは?
東日本大震災による福島第一原発の事故は、収束に向かって動いてはいるものの、まだまだ近隣住民の不安を取り除くには至っていない。
そんななか、今回の事故は天災か、それとも人災かということが、補償問題の文脈で話題になっている。今のところ優勢なのは“天災には違いないが、人災の面も多々ある”という意見だが、『原発大崩壊! 第2のフクシマは日本中にある』(ベスト新書)の著者、武田邦彦氏も、この事故が国の危機管理対策の欠如による人災だと指摘する一人である。
■原子炉は守られた、しかし電源装置は…
武田氏は本書の中で“原子炉は地震で壊れないかもしれない。しかし、すべての原発の電源は震度5程度の地震で止まってしまう可能性がある”と述べている つまり、日本の原発は原子炉は震度6~7の揺れにも耐えられるよう、強固に設計されているが、電源等周辺施設の耐震強度はあまりにもおそまつなのである。
事実、4月7日23時32分に起こった余震で、震度4の「東通」、震度5の「女川」という2つの原発が「電源喪失」する事態となった。
いくら原子炉が頑丈でも、電源が失われれば、原子炉の冷却装置が作動しなくなり、炉内は高温になる。結果として水と高温になった燃料棒が反応して燃料棒が酸化、やがては大量の水素が発生し、水素爆発が起こる可能性がある。「東通」「女川」ともに大事には至らなかったが、もし通常電源喪失時に予備電源や非常用電源に何らかのトラブルが生じていたら、福島第一原発と同じような事故が起きたであろうことは十分に考えられるのである。原子炉の強度のみを優先させた結果、電源をはじめとする周辺施設の耐震設計がお留守になっていたというのでは、今回の事故が人災だといわれても仕方がないだろう。
『原発大崩壊! 第2のフクシマは日本中にある』には、日本の原子力発電所、ひいては原子力行政そのものの問題点や、大気中や海中に漏れ出ている放射性物質汚染、エネルギー政策の今後など、原発をとりまくさまざまなトピックを解説している。素人には理解しにくい原子力発電の仕組みについての説明もわかりやすい。
原発の“安全神話”は崩れたが、その神話がいかに脆く、ずさんなものの上に成り立っていたかが、本書を読むとよくわかる。
(新刊JP編集部/山田洋介)
そんななか、今回の事故は天災か、それとも人災かということが、補償問題の文脈で話題になっている。今のところ優勢なのは“天災には違いないが、人災の面も多々ある”という意見だが、『原発大崩壊! 第2のフクシマは日本中にある』(ベスト新書)の著者、武田邦彦氏も、この事故が国の危機管理対策の欠如による人災だと指摘する一人である。
■原子炉は守られた、しかし電源装置は…
武田氏は本書の中で“原子炉は地震で壊れないかもしれない。しかし、すべての原発の電源は震度5程度の地震で止まってしまう可能性がある”と述べている つまり、日本の原発は原子炉は震度6~7の揺れにも耐えられるよう、強固に設計されているが、電源等周辺施設の耐震強度はあまりにもおそまつなのである。
事実、4月7日23時32分に起こった余震で、震度4の「東通」、震度5の「女川」という2つの原発が「電源喪失」する事態となった。
いくら原子炉が頑丈でも、電源が失われれば、原子炉の冷却装置が作動しなくなり、炉内は高温になる。結果として水と高温になった燃料棒が反応して燃料棒が酸化、やがては大量の水素が発生し、水素爆発が起こる可能性がある。「東通」「女川」ともに大事には至らなかったが、もし通常電源喪失時に予備電源や非常用電源に何らかのトラブルが生じていたら、福島第一原発と同じような事故が起きたであろうことは十分に考えられるのである。原子炉の強度のみを優先させた結果、電源をはじめとする周辺施設の耐震設計がお留守になっていたというのでは、今回の事故が人災だといわれても仕方がないだろう。
『原発大崩壊! 第2のフクシマは日本中にある』には、日本の原子力発電所、ひいては原子力行政そのものの問題点や、大気中や海中に漏れ出ている放射性物質汚染、エネルギー政策の今後など、原発をとりまくさまざまなトピックを解説している。素人には理解しにくい原子力発電の仕組みについての説明もわかりやすい。
原発の“安全神話”は崩れたが、その神話がいかに脆く、ずさんなものの上に成り立っていたかが、本書を読むとよくわかる。
(新刊JP編集部/山田洋介)
武田 邦彦 (たけだ くにひこ)
1943年東京都生まれ。工学博士。
専攻は資源材料工学。東京大学教養学部基礎科学科卒後、旭化成工業に入社。同社ウラン濃縮研究所所長、93年芝浦工業大学工学部教授、02年名古屋大学大学院教授、07年より中部大学総合工学研究所教授、内閣府原子力委員会および安全委員会専門委員、文部科学省科学技術審議会専門委員を歴任、名古屋市経営アドバイザー。
TV、雑誌等で環境・原発問題に関して独自の見解を披露し、注目を浴びている。
3・11福島原発事故以来、自身のブログにアクセスが集中、質問・相談のメールも多数、寄せられている。
著書『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』3部作『偽善エコロジー』『偽善エネルギー』『リサイクル幻想』他ベストセラー多数。
最新刊は『原発事故 残留汚染の危険性』
前書き
第1章 事態は「想定内」で進行中原発の電源は失われる可能性がある
フクシマを教訓に私たちが考えるべきこと
原発を襲った地震について考える
原発が利用している「原子力」とは何か
「軽水炉」は暴走しにくいタイプの原子炉
福島原発が爆発する可能性はあるのか?
防がれた核爆発、防げなかった水素爆発
福島第一原発はこれからどうなるのか?
放射性物質が漏れた致命的な原発事故
第2章 すべての原発は地震で壊れる
耐震指針は住民ではなく原子炉を守るためにある
「原発≒原子炉」という思い込み
住民を守るための基準をまずつくれ
耐震基準の震度はお手盛で決められる
責任逃れをする人間は原発に関係してはいけない
「原子炉至上主義」というガラスの幻想
「ご都合主義」のまかり通る日本
データは都合よく利用される
偏西風を考えた防災対策が必要
自治体は今すぐ原発事故の対策を
第3章 私たちはどうすればいいのか
想定通りに進んでいるから対策は立てられる
「3つの原則」に従って生活する
フクシマは人類が初めて経験する原子力災害
不完全な原発が日本中にある!
こうして御用学者ができあがった
1990年頃から社会的貢献度でお金がつくようになった
東大教授という学問的権威はこうしてつくられた
「オール与党」の中、「野党」の研究者は去っていくしかない
だから学者、研究者はウソをつく
日本は「実績」を、欧米は「ビジョン」を買う
多少のウソは許される特異な世界
安全の「想定」を決める機関から東大教授を排除すべき
御用学者に原発は安全ですと言われたら、こう言い返せ
第1章 事態は「想定内」で進行中原発の電源は失われる可能性がある
フクシマを教訓に私たちが考えるべきこと
原発を襲った地震について考える
原発が利用している「原子力」とは何か
「軽水炉」は暴走しにくいタイプの原子炉
福島原発が爆発する可能性はあるのか?
防がれた核爆発、防げなかった水素爆発
福島第一原発はこれからどうなるのか?
放射性物質が漏れた致命的な原発事故
第2章 すべての原発は地震で壊れる
耐震指針は住民ではなく原子炉を守るためにある
「原発≒原子炉」という思い込み
住民を守るための基準をまずつくれ
耐震基準の震度はお手盛で決められる
責任逃れをする人間は原発に関係してはいけない
「原子炉至上主義」というガラスの幻想
「ご都合主義」のまかり通る日本
データは都合よく利用される
偏西風を考えた防災対策が必要
自治体は今すぐ原発事故の対策を
第3章 私たちはどうすればいいのか
想定通りに進んでいるから対策は立てられる
「3つの原則」に従って生活する
フクシマは人類が初めて経験する原子力災害
不完全な原発が日本中にある!
こうして御用学者ができあがった
1990年頃から社会的貢献度でお金がつくようになった
東大教授という学問的権威はこうしてつくられた
「オール与党」の中、「野党」の研究者は去っていくしかない
だから学者、研究者はウソをつく
日本は「実績」を、欧米は「ビジョン」を買う
多少のウソは許される特異な世界
安全の「想定」を決める機関から東大教授を排除すべき
御用学者に原発は安全ですと言われたら、こう言い返せ
電力会社や御用学者は外部電源には全く興味がない
住民たちの目線で安全性を厳しくチェックすること
ミスは東電、ペナルティは住民という奢り
100年であれ1000年であれ、一度も事故はあってはいけない
原発を選ぶのは住民自身である
「原発をどう割り切るか?」判断するのは住民である
原子力が怪しいと思われるのはなぜか?
原子力村は「ノーパンしゃぶしゃぶ」と「裏取引」の世界
自治体は原発に対してどのように向き合えばいいか
原発(政府)は周辺住民にどのような対策と責任を取るのか
原発は絶対に安全だから、備えなど必要ないという理屈
電力会社は、なぜこれほど傲慢な態度で企業活動ができるのか
お父さんの視点で安全を守るしかない
第4章 原子力・エネルギー政策はどこへ向かうのか
日本という国家は原子力といかに付き合うべきか
政府がデマや風評の発信元になっている
汚染を拡げないために直ちにするべきこと
「原子炉を守る」から「住民を守る」政策へ
原発はトイレのないマンションだ
「核燃料廃棄物貯蔵所」は安全だ
「安全神話」のもうひとりの共犯者
エネルギー問題はウソがまかり通る
「石油は40年で枯渇する」というウソ
「自然エネルギーは地球に優しい」のウソ
「水力発電は環境破壊をしない」のウソ
生物を死に追いやる自然エネルギーの正体
私が「安全な原発」を主張してきた理由
これからの「エネルギー改革三原則」
本気で低エネルギー社会を作るには?
原発の責任者は戦艦大和の艦長クラスでないと務まらない
勇気と覚悟が日本人に問われている
巻末資料
後書き
住民たちの目線で安全性を厳しくチェックすること
ミスは東電、ペナルティは住民という奢り
100年であれ1000年であれ、一度も事故はあってはいけない
原発を選ぶのは住民自身である
「原発をどう割り切るか?」判断するのは住民である
原子力が怪しいと思われるのはなぜか?
原子力村は「ノーパンしゃぶしゃぶ」と「裏取引」の世界
自治体は原発に対してどのように向き合えばいいか
原発(政府)は周辺住民にどのような対策と責任を取るのか
原発は絶対に安全だから、備えなど必要ないという理屈
電力会社は、なぜこれほど傲慢な態度で企業活動ができるのか
お父さんの視点で安全を守るしかない
第4章 原子力・エネルギー政策はどこへ向かうのか
日本という国家は原子力といかに付き合うべきか
政府がデマや風評の発信元になっている
汚染を拡げないために直ちにするべきこと
「原子炉を守る」から「住民を守る」政策へ
原発はトイレのないマンションだ
「核燃料廃棄物貯蔵所」は安全だ
「安全神話」のもうひとりの共犯者
エネルギー問題はウソがまかり通る
「石油は40年で枯渇する」というウソ
「自然エネルギーは地球に優しい」のウソ
「水力発電は環境破壊をしない」のウソ
生物を死に追いやる自然エネルギーの正体
私が「安全な原発」を主張してきた理由
これからの「エネルギー改革三原則」
本気で低エネルギー社会を作るには?
原発の責任者は戦艦大和の艦長クラスでないと務まらない
勇気と覚悟が日本人に問われている
巻末資料
後書き