書籍名:すぐ使える仕事英語――英語公用語化、外資系のリアル
著者名:関 栄介
出版社:ベストセラーズ
定価:1400円(税込)
ISBN-10:4584132909
ISBN-13:978-4584132906
もし会社の公用語が英語になったら!?
武田製薬で入社試験を受ける条件にTOEICの最低点数が使われたり、楽天やファーストリテイリングをはじめ、社内コミュニケーションを英語化する方針を打ち出す企業が続々と出てきています。
いずれは自分の会社もそうなるかもしれないと思うと今のうちから英語を勉強しておいた方がいいような気がしますが、「ビジネス英語」というととても難しいイメージがあり、尻込みしてしまう人も多いのではないでしょうか。
『すぐ使える仕事英語―英語公用語化、外資系のリアル』(KKベストセラーズ/刊)は、そんなビジネス英語への無用な畏怖を取り去ってくれる一冊。
今回は、そんな本書の中から、社内で英語が公用語化した時に困らないための注意点と、ビジネス英語で重宝するフレーズを紹介します。
■ 場面ごとに見る「仕事英語」の使い方
書類を渡す時は「どうぞお受け取りください」という意味で、
“This is for you”
と言い添えましょう。
渡された書類を持って帰っていいかと尋ねる時は、
“May I keep this?”
と言います。
「なあんだ」と思うくらい簡単な英語ですが、
これを知らないと、奇妙な沈黙に気まずい思いをすることになります。
さて、会社で英語を話す機会と言えば、会議です。
とっさに何か返答をしなくてはならない時は、まずこう言って話し始めると自然と頭の中が整理されて話しやすくなります。
“There are three reasons. The first one is ….”
つまり、まず「3つあります」と言ってしまうこと。
そうして一つ目を話していると、自ずと二つ目、三つ目も出てくるものです。
どうしても二つしか思いつかなかったら、
“Sorry, I forgot the third one”.
と言ってトボケてしまう手もあります。
英語でプレゼンテーションをしていて、突然頭の中が「真っ白」になってしまったらどうしましょう。
そんなときは、
”Well”、“Let’s see”、 “OK”、“All right”
といった言葉を口にしてみると、冷静な自分を取り戻すことができます。
■ 「仕事英語」の書き方のコツ
「書く英語」の出番は何と言ってもEメールでしょう。
日本語のビジネス・メールでは「いつもお世話様です」といった挨拶を入れますが、英語のビジネス・メールでは省略するのが普通で、すぐに用件を書きます。
ただし、何か具体的にしてもらったことへの感謝の言葉や、うれしいお知らせであることを知らせる言葉はお忘れなく。
新しい仕事の依頼であれば、
“I am pleased to inform you of a new project”
と書き起こすのをお勧めします。
もうひとつ、「書く英語」の出番は履歴書です。
終身雇用が守られていた時代は終わり、会社を変わることが、キャリアの次の階段に登ることに繋がるようになりました。
外資系企業に転職することも、これからは当然の選択肢になるでしょう。
英語で履歴書を書く時に、必ず埋め込んでおきたい、「魔法の言葉」があります。
そのひとつがこれ。
“thanks to my team”(チームのおかげで)
今まで挙げてきた功績の説明にこの言葉を入れておくと、あなたのリーダーシップを効果的に訴えてくれます。
意外なことかもしれませんが、外資系企業が求めているのは、自分本位の一匹狼ではなく、仕事もチーム・ビルディングもできる、バランスの取れた人間です。
「ビジネス英語=高度な英語」
という観念を捨てることがビジネス英語習得の第一歩。
本書には、今回紹介したものの他にも、社内で使える英語表現やちょっとした便利フレーズが数多く紹介されていますが、ほとんどが基礎的な表現です。
仕事で使える英語を覚えたいと思いつつも、その道のりの困難さに尻込みしてしまっている人は一度手にとってみてはいかがでしょうか。
関 栄介
1957年静岡県生まれ。上智大学文学部英文学科卒業後、婦人画報社で25ans編集部、書籍編集部(メンスクラブ・ブックス)に在籍。86年、きっかけを得て高級ブランド・ビジネスの業界に転職。フェンディ社のPRを振り出しに、ランセル・ジャパン社の営業・マーケティング部長、後に社長、S.T.デュポン・ジャポン社の営業担当取締役、ブルガリ・ジャパン社の卸売営業部長、日本シイベルヘグナー社の消費財事業部マーケティング部長、ル・クルーゼ・ジャポン社の卸売営業部長を歴任。6社、20年以上にわたり外資系企業で営業・マーケティングを統括。現在外資系企業で働くマネジャーを対象に、ウェブ・マガジン『週刊外資系新聞』を主宰、働き方のコンサルティングを行っている。鎌倉市在住。
http://nikkan-gaishi.com/