- 書名:
- 新版 民主党の研究
- 著者:
- 塩田潮
- 価格:
- ¥819(税込)
- 出版社:
- 平凡社
- 発行日:
- 2009年7月
- ISBN(13桁):
- 978-4582854787
- ISBN(10桁):
- 4582854788
- プロローグ――党首交代
- 第一章 民主党の誕生
- 第二章 「宇宙人」鳩山由紀夫
- 第三章 菅直人の栄光と挫折
- 第四章 自由党合流
- 第五章 混迷の岡田・前原時代
- 第六章 小沢民主党の始動
- 第七章 小沢一郎の論理と行動
- 第八章 幻の大連立構想
- 第九章 「ねじれ」の攻防
- 第十章 政権担当能力の虚実
- あとがき
- 主な参考資料
- 民主党関係年表
- 取材にご協力いただいた方々
2009年7月12日に行われた東京都議会議員選挙は民主党の歴史的大勝によって幕を下ろした。
この選挙は当時、「解散総選挙の前哨戦に位置づけられている」と言われ、各政党ともに地方選とは考えられないくらいの力を割いていた。それだけに大敗した自由民主党のショックは大きく、7月21日、麻生太郎内閣総理大臣は衆議院を解散した。
一方で大勝を手にした鳩山由紀夫代表率いる民主党は、勢いを増すばかりだ。
8月30日の総選挙を前に、それぞれの政党の党首や首脳たちが舌戦を繰り広げているが民主党有利の論調は変わってはいない。記憶に新しい東国原英夫宮崎県知事の騒動は、自民党内部のゴタゴタをさらけ出す一因にもなったし、その全てが裏目・裏目に出てしまっている。
では、民主党とは一体どんな政党なのか、皆さんはご存知だろうか。
「リベラルで…」「中道左派で…」という漠然とした知識はあるかも知れないが、何故今、ここまでの実力を持ってきているのかについて知っている人は、もしかしたら多くはないのではないか。
本書『新版 民主党の研究』は入念な取材をもとに、これまでの民主党の11年間の歩みを振り返りながら、その内部で何が起き、どのように発展をしてきたのかをつづったノンフィクションだ。
例えば民主党大躍進となった2003年11月の衆議院議員総選挙。その2ヶ月前に小沢一郎率いる自由党が民主党に合流しこの躍進を遂げるわけだが、その合併の裏にあった党のイメージ戦略や、経団連などの思惑が本書には描かれている。
また、2007年11月の大きな波紋を呼んだ「大連立構想」(自民党と民主党による大連立内閣を組むという構想)の一幕や、民主党のマニフェストの特徴など、「民主党」という政党の全貌を知ることができる。
新書としては分厚いが、それだけの読み応えは保証する。8月30日の投票日を前に、是非読んでおきたい本だ。
(新刊JP編集部)
1946年高知県吾川郡いの町生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後。雑誌編集者、記者などを経てノンフィクション作家に。『霞が関が震えた日』(講談社文庫)で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。主な著書に『大いなる影法師―代議士秘書の野望と挫折』『日本国憲法をつくった男―宰相幣原喜重郎』(以下、文春文庫)、『金融崩壊―昭和経済恐慌からのメッセージ』(日本経済新聞社)、『田中角栄失脚』(文春新書)、『「昭和の教祖」安岡正篤の真実』(ワック)、『安倍晋三の力量』『昭和30年代―「奇跡」と呼ばれた時代の開拓者たち』(以上、平凡社新書)、『戦後政治の謎 自民分裂を予感させる「30の真実」』(講談社+α新書)など多数。