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「卵殻膜」美容術 -10歳美人を目指すあなたへ

世界が注目する驚異の新素材「卵殻膜」で素肌美人に

「卵殻膜」美容術 長谷部由紀夫著

BOOK REVIEWこの本の解説

肌のハリが奪われる可能性も とりすぎると危険なコラーゲンとは

とればとるほど、肌にハリが出るといわれるコラーゲン。
「コラーゲンと名のつくものなら、なんでも美肌につながる」と思っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、「なんでも美肌につながる」というのは間違い。
とりすぎることで、逆に肌はハリを失い、たるみが目立ちやすくなってしまう危険性があるのです。

「増やしすぎてはいけない」Ⅰ型コラーゲン

「卵殻膜」美容術』(長谷部由紀夫著、幻冬舎刊)によれば、コラーゲンには、約30もの種類があり、その中には「増やしたほうがいいもの」と「増やしすぎてはいけないもの」があるといいます。

「増やしすぎてはいけない」のは、Ⅰ型コラーゲンなどの硬くなるコラーゲンは、主に骨や腱、皮膚の強さを生み出す働きをするもので、肌の弾力の源ともいえる「真皮」といわれる層の約80%を形づくっています。

ただ、線維が太くて硬く、保湿力が低いという特徴も。そのため、増えすぎると肌は硬くなり、弾力を失ってしまうのです。

「増やしたほうがいい」のはⅢ型コラーゲン

逆に、「増やしたほうがいい」コラーゲンとは何かといえば、Ⅲ型コラーゲンです。
赤ちゃんの肌に多く含まれることから、別名「ベビーコラーゲン」とも呼ばれます。

Ⅰ型コラーゲンとは対照的に、線維が細くて軟らかく、保湿力が高いといった特徴があります。また、このコラーゲンは25歳前後から減少し始めるため、うまく補うことさえできれば、赤ちゃんのようなプルプルで軟らかい肌を取り戻せるかもしれません。

では、Ⅲ型コラーゲンは、どのように補えばよいのでしょうか。

Ⅲ型コラーゲンを増やすには、卵殻膜が有効?

本書で、著者の長谷部さんが着目するのが、卵殻膜。つまり、卵の殻の内側にある薄い膜です。

この卵殻膜を摂取することで細胞中の「ミトコンドリア」が元気になり、そのことによって細胞活動が活発になります。その過程で、線維芽細胞の環境を整えるⅢ型コラーゲン、プロテオグリカン、MMP-2などを生み出す細胞を元気にしてくれるといいます。

本書では、卵殻膜をスキンケアに取り入れて美肌になる方法を紹介しています。肌を少しでも健やかな状態に保ちたいという人にとっては、一読に値する内容なのではないでしょうか。

(新刊JP編集部)

INTERVIEWインタビュー

著者・長谷部由紀夫さん写真

知らなきゃ損! 25歳をすぎると肌が急激に「劣化」しはじめる理由とその対策

最近、肌の衰えが気になる。
そう思いながらも、つい「まぁでも、この歳だし……」と諦めてはいませんか。

「卵殻膜」美容術』(幻冬舎刊)の著者、長谷部由紀夫さんによれば、加齢とともに肌が衰えはじめるのには、明確な原因があるそう。その原因をしっかり理解して対策をとれば、肌の衰えは充分、止められるといいます。

美肌のカギを握るⅢ型コラーゲンという存在

―― まずは、長谷部さんと卵殻膜との出合いから教えていただけますか。

長谷部: 最初の出合いは、昭和18年、私が小学校1年生のころです。当時、戦況が悪化し始めて、空襲がかなり激しくなっていたので、私は当時住んでいた名古屋から、新潟県の糸魚川市というところへ疎開することになりました。

一応、名古屋で育った都会っ子としては、疎開先でも以前と変わらず半ズボンで生活していたのですが、これが良くなかった。ブヨに喰われ、両足に大量のおできができてしまったんです。

何を塗っても治らないし、痛みも引きません。やっと治まってカサブタになったと思ったら、すぐ出血してしまう。この繰り返しで傷は治らず本当につらかったことを記憶しています。

そんなとき、疎開先に住んでいた祖母が「これを貼ってみなさい」と言って卵殻膜をくれたんですね。さっそく貼ってみたら、何を塗っても治らなかったのに3日もしないうちにキレイさっぱり治ったんです。これが卵殻膜との最初の出合いです。

―― 「最初の出合い」ということは、その後さらに卵殻膜の力を強く意識するような出来事があったのでしょうか。

長谷部: ええ。25、6歳のころ、プロレスラー・力道山のインタビューをテレビで見ていたときのことです。

アナウンサーが「外国人レスラーはすぐ血だらけになってしまうのに、なぜあなたは血だらけにならないのですか」と質問したところ、力道山がこんなことを言っていました。

「外国人レスラーは切り傷になったところをすぐに縫ってしまう。だから縫った部分の皮膚がかたくなり、切れやすくなる。でも、自分は縫わずに卵の薄皮を貼る。これだと早く治るし、皮膚もかたくならないので切れにくい。だから血だらけにならずに済むんだ」と。

このやりとりを見ながら自分の少年時代の体験を思い出したとともに、「やっぱり卵殻膜はすごい!」と自分のなかで確信が生まれました。

―― ちなみに、なぜ卵殻膜を貼ることで傷が治るのでしょうか。

長谷部: 卵殻膜を傷に貼ると、物の見事に治ります。そして傷痕がキレイになります。卵殻膜を直接貼ると、先ずは傷口にⅢ型コラーゲンの動きで止血をし、その後にⅠ型コラーゲンで完全に修復をします。

―― なるほど。皮膚の修復に有効ということは、美肌にも効くと。

長谷部: その通りです。今、「細胞レベル」という言い方をしましたが、肌を形づくる細胞のなかには、線維芽細胞といって、美肌に欠かせないⅢ型コラーゲンを生み出してくれるものがあります。そして傷によって肌のバリア機能が壊れているところに直接働きかけます。

この線維芽細胞とⅢ型コラーゲンを効率的に増やす意味でも、卵殻膜は有効なんです。

―― 線維芽細胞と肌の関係について、もう少し詳しく教えていただけますか。

長谷部: 線維芽細胞が活性化していれば、Ⅲ型コラーゲンはもちろん、肌にハリや弾力を与えるエラスチン、うるおいを与えるヒアルロン酸などの新陳代謝がスムーズに行われるようになります。

なかでも、Ⅲ型コラーゲンは重要です。肌だけでなく、骨、臓器など、身体のあらゆる部分を成長させてくれます。つまり、Ⅲ型コラーゲンがあればあるほど、肌はどんどん成長し(=細胞が入れ替わり)、若返ってくれるのです。

しかし、Ⅲ型コラーゲンを生み出してくれる線維芽細胞は、25歳をすぎるとどんどん減っていきます。だから一般的に、歳をとると皮膚にシワやタルミが現れやすくなるのです。

―― ということは、線維芽細胞が増えれば増えるほど、肌はきれいになるのですか。

長谷部: いえ、そう単純な話ではありません。線維芽細胞が増えすぎてしまうと、細胞がひしめき合い、「呼吸困難」状態になってしまいます。すると、せっかく増えた細胞が死んでしまうんです。

元々、人間は約60兆個の細胞でできていますが、この範囲内で細胞を活性化してあげることが重要。細胞が元気になれば、肌も元気になる。きれいな肌というのは、元気な細胞によって作られるんです。

肌を細胞レベルからきれいに! 肌ツヤに大きな影響をおよぼすⅢ型コラーゲンとは

油性インクの汚れは、ミカンの皮をこすりつけるとよく落ちる。
使用済みの紅茶のティーバッグは、冷やしてまぶたの上に乗せると腫れがひく。

日本には昔から、このような「おばあちゃんの知恵袋」と呼ばれるものが数多く言い伝えられており、実際に効果があるものもあります。

『「卵殻膜」美容術』(幻冬舎刊)の著者、長谷部由紀夫さんも少年時代、ブヨに喰われておできだらけになった足に、おばあさんの助言で卵の薄皮を貼ってみました。するとあっという間に治ったといいます。

そして長谷部由紀夫さんは現在、このときの体験を生かし、「卵殻膜」の力を利用した商品開発をおこなっています。卵殻膜には、どのような可能性があるのか。詳しくお話をうかがいました。

著者・長谷部由紀夫さん写真

肌のシワやタルミに卵殻膜が効果的な理由

―― 本書では、「卵殻膜を自分で剥がし取って、肌に直接貼りつければ美肌になるわけではない」と書かれていましたが、これはなぜですか?

長谷部: もう少し正確にいうと、試合を終えたレスラーのように肌が傷ついている状態、つまり傷によって肌のバリア機能が壊れているようなときには、卵殻膜を直接貼ると、そこにⅢ型コラーゲンで止血をし、すぐに治ります。

でも、「傷はないが、肌にシミやタルミが目立ちはじめた」といったような場合に直接貼っても、変化は起きません。

―― 卵殻膜の力を効率よく肌に届けるためにはどうすればいいのでしょうか。

長谷部: そのために「スーパーオーディ」という美容液を開発しました。この開発がなかなか難しく、特に、卵殻膜がきわめて頑丈な繊維構造を持つという点に悩まされましたね。

どういうことかというと、卵殻膜は水にもお湯にも酸にも熱にも溶けてくれないんです。水に溶かすことだけを考えたら「アルカリ溶解」という選択肢もあるのですが、アルカリ成分は皮膚を荒れさせてしまう危険性が高い。

そこで、できるだけ中性にしつつ、水に溶けるような原液を作るというのが最も難しいところでした。

―― 全身で卵殻膜の美肌効果を体感するにはどうすればいいのでしょうか。

長谷部: 卵殻膜を塗って良いなら、食べてみたらもっと良いだろう、と思いませんか。しかし、卵殻膜はそのまま食べても消化吸収できませんので、卵殻膜を独自に微粉砕化して、摂取できるようにしたサプリメントがあります。

消化吸収できるレベルまで卵殻膜を微粉末にすることで、卵殻膜のアミノ酸成分が血中に取り込まれ、細胞中のミトコンドリアが活性化します。

ミトコンドリアは、生命活動の源ともいえる大切な細胞器官です。したがって、ミトコンドリアが元気になれば、細胞の生活環境が良くなり、細胞レベルで肌が修復され、美肌に導いてくれます。

―― ちなみに、実際にこの美容液を使ったことで美肌効果が出た例として、どのようなものがありますか。

長谷部: 知人に89歳から卵殻膜を利用したスキンケアを始めた方がいます。私がお目にかかったのはその方が96歳のときだったのですが、とてもツヤツヤとしてシワも少なく、90代とは思えない肌でした。
前回も触れたように、Ⅲ型コラーゲンは25歳を境に減っていきます。なので、高齢になればなるほど、肌にツヤを取り戻すだけのⅢ型コラーゲンを作り出すのに時間がかかってしまうのです。

しかし、だからといって手遅れというわけではなく、この方の例が示すように、卵殻膜の力をうまく活用できれば、何歳であっても肌を若返らせることは可能なのです。

―― ところで、卵アレルギーの人が卵殻膜を使うことのリスクはないのでしょうか。

長谷部: 卵アレルギーの多くは、卵白に含まれるオボアルブミンという成分が原因だと言われています。しかし、卵殻膜自体にはこの成分が含まれていませんから、アレルギーのリスクは低いといえます。

ただし、卵から膜を取り出す際、オブアルブミンが付着してしまう可能性がゼロとは言い切れません。リスクがあるとしたら、そこですね。しかし製造過程で卵殻膜を洗浄してから加工処理をしていますので、かなり低いと考えています。

―― 最後になりますが、読者の皆様へメッセージをお願いします。

長谷部: 表面的にではなく、細胞レベルから肌をきれいにしてくれる。そんな卵殻膜の価値をもっと多くの方に知っていただき、卵殻膜の「応援団」になっていただけたらなと思っています。

私どもはこれまで東京大学との共同研究を進めてきましたが、国内における卵殻膜の認知度は低く、充分な理解を得られているとは言いがたい状況です。

ノルウェーではすでに7億円もの国家予算がついて、卵殻膜の研究開発が進められていますが、日本ではまだ、我が社が自ら年間1億円の研究開発費を投じて研究を進めているにすぎませんから。

まずは本書を手に取っていただき、卵殻膜の可能性を知っていただけたら嬉しいですね。

(新刊JP編集部)

INFORMATION書籍情報

CONTENTS

chapter1 世界が注目する驚異の新素材「卵殻膜」とは?

  1. 卵殻膜って、どんなもの?
  2. 卵殻膜は、21世紀の新素材
  3. 卵の傷を癒す力は、400年も前から活用されてきた
  4. 卵は、21日で100億個の細胞をつくる“ノーベル賞級”の創造主
  5. 鶏以外の動物の卵にも、卵殻膜はある
  6. プロアスリートをサポートし、難病治療にも効く卵殻膜パワー
  7. 卵殻膜が世に出るまでの“研究者泣かせ”の歴史とは?

chapter2 これであなたも“細胞美人”に!
「卵殻膜」による究極のセル・アンチエイジング術

  1. Merit1 細胞レベルから、肌を活性化させる
  2. Merit2 美肌に効く細胞を増やす
  3. Merit3 赤ちゃん肌のもとになるコラーゲン生成を促す
  4. Merit4 豊富に含まれるシスチンが、肌を美しくする
  5. Merit5 血管の弾性を高め、肌に透明感をもたらす

chapter3 疑問をすべて解決!「卵殻膜」Q&A

  1. Question1 薄皮を食べるだけでも美容効果はある?
  2. Question2 卵アレルギーがあっても、卵殻膜を肌につけてよい?
  3. Question3 年代によって卵殻膜の効果が出る速さは異なる?
  4. Question4 アルマードの卵殻膜の研究・開発は、どこまで進んでいる?
  5. 付録 「スーパーオーディグランドエボリューション」について

PROFILE

長谷部 由紀夫(ハセベ ユキオ)

1937年名古屋市生まれ。
幼少の頃から虚弱、アレルギー体質で、デリケートな肌に悩まされた経験からそれらの克服に強い信念を燃やし、切傷に高い治癒力をもつ「卵殻膜」に着目する。
95年、食品会社のキユーピーが水溶性卵殻膜の生成に成功したことを機に、自ら卵殻膜を成分に入れた美容化粧品の研究開発に乗り出す。
2001年、自身も卵殻膜成分を微粉末化することに成功し、06年からはその加工技術を用いた美容・抗加齢商品の企画、研究開発を進めている。