インタビュー
――
『びっくりするほど夢が叶う未来設計術』について。まずは本書をお書きになった動機についてお聞かせいただければと思います。
加持:今回の本は、自分の夢や目標を決めて、それを叶えるための人生設計について書いたものです。
私は起業するまで保険会社で営業をしていたのでお客様と接することが多かったですし、様々な同僚も見てきました。そこで感じたのは、将来の夢や実現したい目標がある人とない人では毎日のやる気や考え方、行動がまったく違うということです。やはり夢がある人の方が毎日生き生き過ごしていました。
また、会社の先輩から「今の年齢から80歳くらいまで、何歳で何をするということを設計しておくといいよ」とアドバイスされたことがあって、それを実践していたのですが、そのおかげか、昇進、結婚や出産、起業、商業出版など、思い描いていたことを実現できました。
自分が人生で何をしたいのかを把握して、それができるように人生を設計することで、今やるべきことがはっきりするということを、たくさんの人に知ってほしいと思って書きました。
――
本書はまず自分の夢を見つけて、その夢を実現させるためにどうお金を使っていくかという設計になっています。この方法で夢が叶う秘密はどこにあるのでしょうか。
加持:お金というのは「魔法のツール」だと思っていて、使い方によってはその時必要なものを買うこともできますし、自分の行きたい場所まで早く飛ぶこともできます。
自己投資に使えば、経験や知識が得られますし、これまで会えなかった人に会うこともできます。夢を叶える方法について話される時、お金については置き去りにされがちなのですが、お金は夢を叶えるためのものすごく大切な武器だというのはまちがいありません。だからこそ有効な使い方ができるかどうかが大事だと思っています。
――
収入が多くても夢が叶うとは限らない、とも書かれていました。お金がある人ほどつまずきがちな点がありましたら教えていただきたいです。
加持:これまで、収入が多い人からあまりお金がない人まで様々な人を見てきましたが、収入が一億円を超えるような人でも、お金が「目的」になってしまうと、つまずくことが多いです。「いくら稼いだ」とか「今年はいくら売り上げたい」とか、お金を得ることがゴールになると、人は疲れてしまう。
でも、たとえば「子どもを海外の学校に入れたいからお金を稼ぎたい」「社会貢献をしたい」など、自分の大きな夢のための道具としてお金を捉えている人は、収入に限らず充実して見えます。お金はあくまで「道具」だと意識は忘れずに持っておくべきです。
――
「そもそも夢が持てない」という人も多くいます。こうした人にアドバイスをするとしたらどのようなものになりますか?
加持:夢がない人は、不思議と自分へのダメ出しが得意な人が多いのですが、そのダメ出しだって夢になりえるものです。
「何になりたい」とか「どうなりたい」というものだけが夢ではありません。自分のダメなところを改善するというのも立派な夢で、それに取り組んでいるうちにやりたいことが派生的に生まれることもあります。だから、夢が見つからないという人は、自分の進歩する余地を見つけるためにも、自分へのダメ出しをしてみるといいと思います。
――
本書は「正しい自己投資のための本」でもあると感じました。加持さんご自身はこれまでどんな自己投資をされてきましたか?
加持:今の仕事につながるフィナンシャルプランナーの資格を取ったり、あとは投資スクールですとか、マーケティングやウェブセールスの仕組みを学んだりとか、起業の準備としての自己投資が多かったように思います。
――
本書では「何歳で何をする」という「人生のロードマップ」を作ることが推奨されています。これを作るうえで気をつけなければいけないポイントはどんな点ですか?
加持:この本の「人生のロードマップ」は自分の未来予想図であり人生の道しるべです。
夢は、実現するイメージを本人が持てていないと決して叶いません。書き出して可視化することでそのイメージができてきますし、書き出すことで「夢を実現するために今やるべきこと」というタスクリストができます。
人間はやるべきことを整理して絞らないとエネルギーをうまく注げませんし、シンプルでないとなかなか行動に移せません。だからタスクリストは少なく、完結にすることが大切になります。
あとは、ロードマップ通りにいかなくても落ち込まないことです。その都度修正して、新しいタスクリストを作って実践するということを繰り返していれば、夢の実現に近づいていけます。
――
今お話しされたような方法は、加持さんご自身が実践していたことですか?
加持:そうですね。20代の頃からずっとやっています。「結婚したい」とか「海が見えるマンションに住みたい」とか、漠然と持っていた夢を、ロードマップに落とし込んでいきました。
――
当時はどんなタスクリストを作っていたのでしょうか。
加持:とりあえずはお給料を上げたいというのがあったので、そのためにどうするかというのをタスク化していましたね。
勤めていた会社は、早ければ入社3年目でリーダーになれて、そうなるとお給料が倍になりました。4年目でサラリーマンの平均月収に届いて、7年目くらいには課長職の平均月収くらい。
そこを目指すには営業成績を上げないといけません。営業成績を上げるには営業で人に会う機会を増やすのが第一ですから、土日でもアポイントを入れて、とにかく営業機会をたくさん作るようにしていました。
若い営業でそこまでやる人はあまりいませんから、結構それで契約を取れたりしました。人より早く昇進できたのは今思い返してみると大きかったです。
そして、その頑張りを私以上に評価してくれる上司達の推薦のおかげで、昇進できたことは、今も感謝しております。
――
今の時代、老後のお金の心配がないと言う人のほうが少数派でしょう。こういう人たちのためにフィナンシャルプランナーの立場からアドバイスするとしたらどのようなものになりますか?
加持:お金を増やすには2つの方法しかありません。投資してお金に働いてもらうか、自分が働いて収入を増やすかです。
ただ「仕事を引退した後は悠々自適」が自分に合っているかということも考えるべきです。私の周りには80歳90歳になっても世の中のためにと働いている方々がいるのですが、そういう方は「悠々自適」なんてはじめから求めていないはずです。無理にリタイアしようと思うから老後のお金の悩みが膨らむわけで、定年退職後に仕事でもう一花咲かせられるような準備をしておくのも一つの手だと思います。
それでも定年後はのんびりしたいなら、お金の勉強をして投資するしかありません。今は国の方も積極的に投資に力を入れていますし、投資信託などで少額から始められるものもあるので、まずは練習のつもりで始めてみるといいのではないかと思います。
――
最後になりますが、今回の本の読者の方々にメッセージをお願いできればと思います。
加持:夢を持って、それを実現させようと取り組むことは、毎日のやりがいにつながりますし、「人生のロードマップ」を作って自分の夢を書き出した未来のロードマップを作っておけば「あの時こうしておけばよかった」と後悔することはすくなくなるはずです。
夢を書くことで今の自分の行動が変わります。そして今の行動が変われば、未来もきっと変わりますから、まずは自分の夢をわがままでいいので、恥ずかしがらずに書いていただきたいですね。たぶん、はじめてみると、意外にたくさん出てくると思いますよ。
(新刊JP編集部)