伯爵夫人が爆殺 でも部屋はきれいで…魔法が残した手がかりを追う 新感覚ミステリ
ランドル・ギャレット『魔術師が多すぎる』(早川書房刊)に米澤穂信『折れた竜骨』(東京創元社刊)、マイク・レズニック『一角獣を探せ!』(早川書房刊)。
これらはいずれもミステリ小説だが、もう一つ共通点がある。
それは舞台が異世界であったり、登場人物が魔法を使ったりと、現実では起こりえない「ファンタジー」の要素が入っていることだ。ファンタジー的な過程で謎が生まれ、ファンタジー的に解き明かされていく、と書くと「読者は“何が起きているのかちんぷんかんぷん”にならないの?」という疑問がわくが、そこはしっかりと、読者を謎解きに引き込む工夫がなされている。