NYの有名図書館で「一番借りられている本」トップ10にあの作品が
かつては読書感想文の題材を探したり、大人になってからは調べ物をしたりと、身近な存在の「図書館」。
その図書館の世界最高峰ともいえるのがアメリカ・ニューヨークにあるニューヨーク公共図書館(以下NYPL)だ。収蔵数は実に約5300万点(書籍のほか、DVDやCD、ポスター、楽譜等も含む)。年間来場者数は1700万人と、私立図書館としては世界最大規模を誇る。
そのNYPLが先だって、同図書館の125周年のメモリアルとして、「Top 10 Checkouts of All Time」と題し、長い歴史の中でもっとも貸し出された本のトップ10を発表した。
日本でもおなじみの本あり、「こんな本があるのか」という本もあり、興味深いラインナップとなっているので紹介しよう。
■日本でもおなじみの絵本がランクイン
このランキングはNYPLの専門家チームが、貸出履歴やトレンド、発行期間などを査定して掲出したもの。単純な貸出回数とは異なる点はあらかじめお断りしておきたい。また、紙の書籍だけでなく電子書籍など他フォーマットも含まれているという。
10位にランクインしたのは日本でもおなじみの『はらぺこあおむし』(原題:The Very Hungry Caterpillar/1969年、エリック・カール著)で、これまでに18万9550回貸し出されている。
いつもはらぺこのあおむしが何でも手当たり次第にたべて大きくなっていくストーリーはあまりにも有名だ。
9位は『ハリー・ポッターと賢者の石』(原題:Harry Potter and the Sorcerer's Stone/1998年、J.K.ローリング著)で、貸出回数は23万1022回。注目すべきは刊行されてからの年月だ。オリジナル版がイギリスで発売されたのは1998年。わずか20年あまりで歴代トップ10入りしているのは驚異である。
ビジネス、自己啓発分野の名作『人を動かす』(原題:How to Win Friends and Influence People/1936年、デール・カーネギー著)は歴代もっとも売れた本の一つともいわれるが、NYPLの貸出数ランキングでも8位(28万4524回)に入っている。
7位は『華氏451度』(原題:Fahrenheit 451/1953年、レイ・ブラッドベリ)の31万6404回。書物が禁制品となった世界を描いたディストピア・フィクションの名作として日本でも高い人気を誇る一冊。
『シャーロットの贈り物』(原題:Charlotte's Web/1952年、E.B.ホワイト)33万7948回で6位となっている。子ブタとシャーロットのかけがえのない友情を描いた児童文学の名作として世界19か国で翻訳・出版されている。
5位の『To Kill a Mockingbird』(1960年、ハーパー・リー著)は、日本では『アラバマ物語』として親しまれている。貸出回数は42万2912回。人種差別というアメリカにとってきわめてデリケートなテーマを扱っている作品だが比較的短く、読みやすいことから高校生や中学生の読書リストでも上位にくる。
4位は『かいじゅうたちのいるところ』(原題:Where the Wild Things Are/1963年、マウリス・センダック著)で43万6016回。