だれかに話したくなる本の話

【「本が好き!」レビュー】『ボダ子』赤松利市著

提供: 本が好き!
【「本が好き!」レビュー】『ボダ子』赤松利市著

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圧倒的な熱量をもった作品であることは評価できるとしてもあまりにも内容がしんどい。問題作です。

本が好き!
ボダ子

ボダ子

バブルのあぶく銭を掴み、順風満帆に過ごしてきたはずだった。
大西浩平の人生の歯車が狂い始めたのは、娘が中学校に入学して間もなくのこと。
愛する我が子は境界性人格障害と診断された……。
震災を機に、ビジネスは破綻。東北で土木作業員へと転じる。
極寒の中での過酷な労働環境、同僚の苛烈ないじめ、迫り来る貧困。
チキショウ、金だ! 金だ! 絶対正義の金を握るしかない!
再起を賭し、ある事業の実現へ奔走する浩平。

しかし、待ち受けていたのは逃れ難き運命の悪意だった。

未体験の読後感へと突き動かす、私小説の極北。