小説 文学 文学賞 作家 矢部太郎が絶賛する「コロッケ」から生まれた心温まる物語とは? 2019年2月27日 14時配信 ツイート シェア あなたには本当に困った時に助けてくれる人がいるだろうか。 親や兄弟、親族、あるいは恋人。おそらく、大抵の人には誰かしらいるはずだ。 では、家族を失い孤独の身になった人はどうか。誰にも頼らずに生きていくしかないのか。 決してそんなことはない。社会は決して甘くはないが、苛烈な運命に立ち向かおうと懸命に生きる者を見捨てるほど冷たくはない。すくなくとも、『ひと』(小野寺史宜著、祥伝社刊)はそう思わせられる物語である。