だれかに話したくなる本の話

才能も根性もない「デザイナー志望」 飛躍のきっかけになった出来事とは

『根性なしがWEBデザイナーに憧れて』(幻冬舎刊)

自分なりの特技や才能をよりどころに自信を持って生きていけたら、人生はきっと楽しく充実したものになる。ただ、それが見つからないと、人の目を気にしたり、自分の意見を堂々と発信できなかったり、将来に希望が持てなかったりと、窮屈な毎日を送ることになりがちだ。

そんな人はキラキラ輝いている人、自分で決めた道を歩んで活躍している人を見ると眩しくて目を背けてしまいたくなるかもしれないが、彼ら彼女たちもはじめから輝いていたわけではない。少なくとも『根性なしがWEBデザイナーに憧れて』(幻冬舎刊)の著者で日本デザインスクール校長として活躍している久保なつ美さんは、いわゆる「落ちこぼれ」だったという。

本書で明かされる彼女が「WEBデザイン」という天職に出会い、プロのデザイナーとして活躍しながら、後進の育成に携わるようになるまでのストーリーは「人はきっかけ次第で大きく変わる」というひとつのメッセージである。

根性なしがWEBデザイナーに憧れて

根性なしがWEBデザイナーに憧れて

スキル0、センス0、根性なしのポンコツがWEBデザイナーに!

コンビニのアルバイトすらまともにできなかった引きこもりがダメダメな自分に挑んだどん底からの挑戦と成長の軌跡

日々の生活に彩りがなく、仕事に情熱を感じられない。
できれば働きたくないけど、仕方がないので働いている。
そんな気持ちを抱えている人は決して少なくありません。

著者は、やる気も根性もあまりなく、どちらかというと怠け者。
「できれば働きたくない」と思っていた一人でした。
ある時「お菓子を食べながら仕事ができそうだから」という軽い動機で
クリエイティブ業界に足を踏み入れてしまったことで、人生が一変します。

何もできない挫折だらけの「ポンコツ」見習いWEBデザイナーからスタートし、
クリエイティブ業界で多くの失敗を経験しながらも自分を信じ続けた結果、
著者は業界で認められるプロフェッショナルのWEBデザイナーに成長しました。
その過程で学んだダメな自分を受け入れながらも向上心を持ち続け、
少しずつ自分を成長させていく具体的な方法を紹介しています。

著者のリアルな姿は自分に自信が持てずに悩んでいる若い人はもちろん、
人生やキャリアの中盤に差し掛かり、これまでとは違う何か新しいことに挑戦をしたいが、
どう最初の一歩を踏み出せばいいか分からないという人たちに、
自分の新たなポテンシャルを発見し、情熱を注ぐきっかけとなるはずです。

本書は決して成功の物語ではありません。
著者が恥ずかしい失敗をしたときに内面とどう向き合い、
どのようにして生活と仕事の質を高めたのかが細やかにつづられています。
今の自分から変わりたいと思っていても変われないすべての人にとっての貴重な教訓になります。

著者の体験を通じて、自己疑念を乗り越え、小さな一歩から始める勇気と、
自分らしく生きるためのヒントを得ることができる一冊です。

※記事で取り上げている書籍を購入すると、売上の一部が新刊JPに還元されることがあります。