だれかに話したくなる本の話

後継者不足で注目されるM&A 経営者はそのときどんな悩みを抱えるのか

『経営者のゴール: M&Aで会社を売却すること、その後の人生のこと』(あさ出版刊)

自分の「経営者」としての幕引きをどう考えるか――。

この日本の企業における中小企業の数は421万社で全体の99.7%をしめる。そして、その中小企業の実に約半数に後継者がいないという現実がある。
中小企業庁が2023年に公表したデータでは、2025年までに平均的な引退年齢とされる70歳を超える中小企業経営者は245万人にのぼり、そのうちの127万人が後継者未定であると試算されている。さらに、帝国データバンクの「全国「後継者不在率」動向調査(2023年)」によれば、中小企業の後継者不在率は53.9%にのぼる。
近年、後継者不在率は改善されてきているものの、それでも今なお約半数の企業で後継者不在という状況だ。

経営者のゴール: M&Aで会社を売却すること、その後の人生のこと

経営者のゴール: M&Aで会社を売却すること、その後の人生のこと

「経営者人生」の幕引き、
あなたはどうするつもりですか――?

人は皆、齢を重ね、次の選択をしなくてはならないタイミングがやってきます。
経営者の場合、会社にとっての次の選択も考える必要があります。
その際、役立つのが、M&Aの知識です。
 これは実際、地方都市でM&Aを体験したからこそ、言えることです――。

経営者がゴールを迎えるにあたって大事なことを教える1冊。
地方在住の経営者にとって課題である後継者問題を解決し、経営者が次の人生を楽しめるようになる考え方、方法を伝える。
10数年前、日本の国内企業の3分の2にあたる65・9%が後継者不在という事態であったが、M&Aが日本に浸透してきたことで、2022年60%を割るなど、結果が出ている。
地方では、まだまだM&Aが怖いものと思われているが、M&Aを活用すれば、地方でも、新しい会社の在り方、生き方は見つけられるということだ。
本書は、地方起業の経営者が、自分の求める経営者としてのゴールをいかに迎えるとよいか、そのために、M&Aをどのように使えばよいかを、実際に地方でM&Aを行うことで成長企業に変えた女性経営者がプロとしてではなく経営者として実直に話しているため、M&Aの実態がわかる。

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