出版不況が叫ばれる昨今ですが、出版点数は年々増え、現在は年8万点もの書籍が出版されています。しかし、その多くはすぐに消え去ってしまいます。
そうした書籍の中には、内容だけでなく、タイトルがコピーとして優れたもの、日本語として美しいもの、面白いものがあります。
「本とタイトルの関係」は「商品と広告の関係」に似ています。商品の中で、本だけは唯一、内容に関係なく名前だけで売れる可能性があります。商品が良くても広告が悪ければ、商品は売れません。その逆もまた言えます。だからこそ広告の地位は高く、商品の中身とは関係なく広告のコンテスト(「カンヌ国際広告祭」「読売出版広告大賞」等)も行われています。
本賞は、日本で出版されている書籍の、内容の優劣を問わず、タイトルのみのコピー、美しさ、面白さが際立つ書籍を表彰し、出版広告だけでなく、タイトルそのものの重要性を発信していくために創設するものです。
対象となるのは、ほぼこの半年間に、実際に出版された書籍です。新人、新進、中堅、ベテラン作家といった作家のキャリア、実用書、文学書、児童書、単行本、新書、書き下ろし、翻訳本などジャンルを問わず、その年に発表された書籍の中で、いかにも売れ線なもの、珍しさを狙ったもの、技巧的に優れたもの、芸術性など多様な方面から評価します。本の中身のよしあしは関係ありませんが、タイトルと中身のギャップの面白さや、中身をどう凝縮してタイトルに落としているのかなど、中身との整合性も吟味し、タイトルのみを評価して表彰致します。
本大賞では、Twitterを利用して一般投票によるノミネートを行います。