私たちは普段、何気なく「数字」を見ている。
年商10億円の会社があると聞けば「立派な会社だ」と思うだろうし、ある会社の利益が2兆を超えたと新聞に載っかれば「それはすごい」と驚くだろう。
会社情報や新聞だけではない。駅にある時刻表にも、スーパーの野菜売り場にも、プレゼンの資料の中にも、数字がある。私たちの生活はもはや数字に囲まれているといっても過言ではない。そして、そのさまざまな数字に左右されながら、私たちは生活しているのだ。
しかし、これだけ数字に囲まれながら、私たちは数字を上手く扱えていない感がある。「数字が苦手だ」と言う人も珍しくはない。
では、数字に強い人は、どんな読み方をするのだろうか。
著者の望月実氏は「数字には“裏”がある」という。そして数字に強い人は“表”と“裏”を同時に見るという。私たちは、数字の“表”ばかりに気をとられ、より重要な意味を示しているかも知れない“裏”を見落としてしまう。だから、数字に関して失敗してしまうのだ、と。
では、数字の“裏”とは何か。それは実際に本書を開いて目から鱗を落として欲しい。この“裏”まで読み取る力を身につければ、数字を扱う能力は格段に上がるはずである。
本書では、数字の“裏”まで読む力を、マーケティングや時間管理、プレゼンテーション、営業などといった仕事に直結する身近な事例を引き合いに出しつつ鍛えてくれる。ビジネスパーソンだけでなく、「消費者」にカテゴライズされる全ての人たちに読んで欲しい一冊だ。