他人と信頼関係を築くために重要なこととしてよく挙げられるのが「相手の話をしっかり聞くこと」です。
確かに自分ばかりが話していたり、相手の話を聞き流していては相手の心を開くことはできませんし、それが長く続くと相手が完全に心を閉ざしてしまうこともあります。それは家族であっても恋人であっても同僚であっても同じこと。
しかし、「話をしっかり聞く」というのは、具体的にどうすればいいのでしょうか。
本書は心のすれ違いによって一度関係が冷えてしまった相手との信頼関係を回復する方法を指南する一冊。そこでも相手の話を聞くことの重要性は指摘されており、その詳しい方法までが解説されています。
■話終わるまで黙って聞く
何はともあれ、まずは相手の話を終わりまで黙って聞くことが一番の基本です。
簡単なように思えますが、疲れていたりすると、特に家族など身近な人の話などは聞き流してしまったり、途中で遮って自分の意見を話してしまいがち。これでは、いい関係を築けるはずがありません。
黙って真剣に話を聞いてもらえるだけで、人はとても癒されるものだということを覚えておいた方がいいでしょう。
■相手が話すのを助ける言葉をかける
最後まで黙って話を聞くことができるようになったら、次は相手が話を広げられるような言葉をかけてあげましょう。
「そうだったの」「おもしろいね」「それからどうなったの?」といった言葉をかけてあげることで、相手はあなたが興味を持って話を聞いてくれていると実感でき、楽しく話を続けることができます。
■相手の話す事実を確認する
相手から相談を受けたり、愚痴を聞いている時など、こちらの意見が求められる場面では、相手の話のなかの事実を確認するということが必要になります。
たとえば、「Aさんが私にいつもひどいことばかりするんです。彼女はみんなからも嫌われているんですけど、特に私に対してはひどいんです」という相談を受けたなら、「いつも」「みんなからも」といった、人によって受け取り方が違う言葉について、具体的にどれくらいの頻度なのか、みんなとは誰なのか、といったことを明らかにしないことには、的確なアドバイスはできません。
本書には「相手の話を聞く」ことだけでなく、「話し方」や「人間関係を良好に保つための習慣」など、他者との信頼関係構築のカギになるトピックが網羅されています。
信頼を失ってしまった上司との関係を回復させたい、家族間の和やかな会話を復活させたい、など人間関係に問題を抱えている人は、ぜひ一度手に取ってみてください。
(話し終わるまで、黙って聞く
話をするのを助ける言葉をかける
相手の話す事実を確認する
相談されても、簡単に答えを教えない
言葉よりも気持ちを聞く
質問に隠された気持ちに注意する
簡単に人の気持ちを分かった気にならない
第1章のまとめ)
第2章 気持ちがきちんと伝わる話し方
(自分の気持ちを伝える
身近な相手ほど特別な日を活用する
誕生日を活用する
目的を明確に説明する
できるだけ名前を呼ぶ
相手にとって難しい言葉を使わない
悪い口癖の怖さを知る
第2章のまとめ)
(怒りの感情に注意する
期待の感情の大きさに注意する
存在を否定する言葉を使わない
ねぎらいの言葉を使う
小さな成功体験を認める
相手の欠点以外に目を向ける
星占いを活用して、違いを素直に受けとる
思い込みを捨てる
プライドを捨てる
第3章のまとめ)
第4章 習慣を変えると、人間関係が良くなる
(笑顔を習慣にする
体に感謝する
日常の幸せに感謝する
ありがとうの言葉を伝える
人生の最後を意識して過ごす
第4章のまとめ)
日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー。テニススクールやテニス用品の開発販売などのビジネスで成功した経験だけでなく、心理カウンセラーとしての知識を活かした独自の講演が、企業や商工会議所、小学校、NPO団体などで好評を得ている。
テニス普及のためのNPOテニスネットワークを設立、三鷹青年会議所の理事長を務めるなど地域ボランティア活動にも力を入れている