Capitulo 1 丸ごと自分を受け入れる
Capitulo 2 脳と体をデトックス
Capitulo 3 「幸せ感知力」を高める
Capitulo 4 がけっぷちからの電撃婚
あとがき
参考文献
■出会ってから2週間で結婚を決められたのはどうして?
―青山さんは今の旦那さんと、なんと出会ってから2週間で結婚を決めたそうですね。本書の最後のほうにもそのエピソードが出てきますが、当時を振り返ってみて、結婚を決めたときの決め手はなんだったのですか?
それは最低条件で、2つ目はこの本の前半部分で事の顛末を書いていますけど、実は私、一度婚約破棄をしているんですね。だから、もうそのときは人生のパートナーに求めることがはっきりしていて、漠然とした夢とかもなかったんですよ」
―よく男性の理想が高い女性は結婚できないと言われますが、それとは逆の状態だった、と。
「そうですね。もっと若い頃は夢を見て、漠然とこだわりを持ったり、見た目で線引きしたり、周囲の反応を気にしていたんですが、29歳の頃になるとそういったものが一切なくなっていて、大事なところだけ明確になっていましたから、細かい部分はまったく気にならなかったです。
そして3つ目は、本の中にも書きましたが、幸せを感じられる体質になっていたということですね。この人で間違いないという予感を感じることができたので、結婚に対して迷いはありませんでした」
―よく既婚者の方とお話をしていると、「結婚は勢いだ」という風に言われたりもするのですが、青山さんはどうお考えですか?
「勢いは大事ですよ! 10年付き合ったからその人は良いパートナーかというと、なかなか難しいところがあって、長くても結婚すると生活が変わったり、相手の親兄弟との付き合いも出てくると、相手の本性みたいなものが見えてきたりするんですよね。だから、実際に結婚してみないと分からない部分は多いと思うんですよ。
100点満点の異性っていませんし、減点方式だと逆にアラがいっぱい見えちゃうじゃないですか。そういったネガティブな部分を上回る勢いが必要だと思いますね。絶対に結婚に失敗しちゃいけない!みたいなことを思っていると、一生結婚できないのではないでしょうか」
―この『29歳OLが永遠に続く幸せを手に入れたシンプルな習慣』には、青山さんが若い頃に留学した先のスペインで出会ったおばあちゃんの教えを思い出しながら、「がけっぷち」の状態から抜け出して幸せを手に入れる過程がつづられています。また、現在、青山さんは「がけっぷち脱出アドバイザー」としてご活躍されていますが、「がけっぷち」という状況に陥ってしまう女性に共通して見られる特徴はあるのでしょうか?
「まずは“がけっぷち”がどのような状況なのかだと思いますが、例えば結婚できない女性という意味であれば、ほぼ共通しているのは狭量で条件だけ見ている部分ですね。細かいことが許せなくて、男性を受け入れる幅が狭いんですよ。長い人生で一緒に暮らしていくのに、どうしても些細なことにこだわる。身長も170センチ以上じゃないとダメって決めたら、169センチでもNGにしてしまうんですよね。条件を一度決めてしまうと、それにピッタリ当てはまる人が現れない限り、興味を示さないんです。
でも、それってもしかしたら世の中がつくった価値観に振り回されているだけかもしれないんですね。本当にそれが自分の幸せかどうかは別なんだと思うんです。自分の価値観がよくわからない。そうなってしまう人って意外とまじめな人が多くて、理想に捉われて頑張れば頑張るほど、苦しくなっちゃうんですよね。あとは、覚悟が足りないかな」
―この本の冒頭に、おばあちゃんの言葉として「覚悟」が出てきますよね。「女は覚悟で決まる」と。
「今の時代、ご主人がリストラされることもあるかもしれませんし、昔のように結婚したら夫婦で一生安定というわけではないですから。夫が高い経済力があるかどうかが決め手ではないと思うんです。『自分を幸せにするのは自分なんだ!』という気持ちがないといけませんよね」
―おばあちゃんの言葉は、自分に対して自然体になること、そして周囲から自立をするということ、この2つの大きな軸になっていると思います。
「ただ、残念ながら日本人の多くは周囲の目を気にしがちで、ヨーイドン!となっても誰かが走り出さなければ、誰も走らないところってあると思うんです。でも、ほかの人はどうであれ、好きなものは好きという気持ちを持っておかないといけません。お金があってかっこよい男性でも、これから先、一緒に暮らすときに自分はもしかしたらやりたくないことばかりしないといけなくなるかもしれませんよね。私自身、お金はあるけど息苦しい生活より、自由にできてお金はそれなりという方が幸せだと、婚約破棄をしてから気づきました。でも、それって、気づかないと分からないんです」
■口癖と行動を少し変えるだけで、心も変えることができる
―青山さんはこの本を通して自分の考え方を変えていっているようにみえました。でもそれってすごく難しいことだと思います。特に青山さんは完ぺき主義的な性格でいらっしゃった。その中でどう自分を変えていったのですか?
また、もう1つありまして、人間にはコンフォートゾーンという、自分にとって居心地が良いと感じられる空間があるのですが、その空間からあえて抜け出す日をつくってみるといいと思います。毎日はしんどいですが、普段行かないようなところに行ってみたり、新たに何かチャレンジしてみる。また、服装を変えるのも手です。だいぶ印象が違ってくるので、周囲の反応が変わりますね。そうやって外から変えていったほうが早いですよ」
―この『29歳OLが永遠に続く幸せを手に入れたシンプルな習慣』を執筆した経緯を教えていただけますか?
「昨年3月11日に起きた東日本大震災ですね。ちょうどその日、私の両親や親戚が、北海道から岩手県のちょうど被災地となったところに旅行に行っていたんですね。そこであの地震が起きて、そこから全く連絡が取れなくなってしまって。
SNSなどを通して両親の安否の確認をしていたのですが、地震から8日ほど経った頃に、誰かがツイッターを通して病院に運ばれるところを見かけたと教えてくれて、両親は無事だったのですが、そのすぐ後ろを歩いていた親戚が波にのまれて行方不明になってしまったんです。そういったところから、生きるということについて考え始めました。今あるものを大事にして幸せに生きることの大切さ。そういうことを伝えたいという思いが生まれたのがきっかけです。スペインのおばあちゃんの教えも、こういうときだからこそ響くものがあるかもしれないと考えました」
―そのスペインのおばあちゃんですが、青山さんが20歳の頃、留学した先で出会ったそうですね。どんな方だったのでしょうか?
「長老みたいな方で…80歳なのにセクシーで、日本にはあまりいないタイプですね。楽しみ上手といいますか。その頃はすでに定住していましたが、もともと流浪の民だったので、あまりいろいろなことに執着しないんですよね。また、人間的な深みがあって、まずは行動というような方です。
移動をしているとあまり物を持つことができませんし、その環境に応じて生きないといけませんから、そういった部分が本能として備わっているんでしょうね」
―つまり、その場にあるものですますというか。
「あるもので楽しむ、今いる所に馴染むという感じですね」
―タイトルにありますように、本書のテーマの1つに「幸せとは何か」というものがあると思います。現時点で、青山さんにとって「幸せ」とはどういうものだと思いますか?
「これは昔から変わってはいないのですが、特別なことが何もなくても楽しいと感じることができる、未来にも希望を持つことができるような状態が幸せだと思いますね。何か特別なことではないんですよ。
例えば、女性同士、ささいなことをずっとおしゃべりして、盛り上がってずっと笑いあっている。はたから見ると何がそんなに楽しいの?と思うけれども、それが本人たちにとっては楽しいんですよね。普通に学校や会社に行って、友達や同僚と話しているだけなんだけれど、エネルギーにあふれていて、楽しい。そういう時間が続いていくことが、幸せなのかなと思います」
―では、読者の皆様にメッセージをお願いします。
「また震災のときの話になってしまいますが、実は両親と連絡が取れなくなって数日経ったとき、心のどこかに諦めの気持ちが出てきていたんです。だから、無事に見つかったときはすごく嬉しくて、家族って大事な存在なんだということに気づかされましたし、そうした自分の幸せの価値観をもっと大事にしなきゃいけない、目の前のことをしっかりやることが大切なんだと感じました。
その後も余震が続く中で、いざ逃げようとする時、持って逃げるものってなんだろうと考えた時、思ったんですね。持っていけるものは、せいぜい財布くらい。自分の身と家族や大事な人が安全であればそれでいいという気持ちになる。実はそれが幸せの原点なんですよね。そこに気づいて欲しいという思いがあったので、幸せを感知する力を磨くための方法をこの本に書いたつもりです。その力を磨いて、明日から少しずつ幸せを感じることができるようになっていけば、幸せは増えていきます。すると、人にも優しくなれるし、笑顔がだんだんと広がっていくと思うんです。」
―ありがとうございました!