「人からどう思われているのだろうか?」と不安になったり、「自分の生き方は正しいのだろうか?」と疑問に思ったり、あるいはなんとなくモヤモヤした気分になったりと、私たちの人生は悩みの連続。
これはおそらくどんな人でも共通のはずですが、困った時に、「自分の基本」に立ち戻ることができる人は、迷いや悩みから早く抜け出すことができます。
本書で提唱されている「へそ道(へそどう)」という生き方は、あらゆる人にとっての「自分の人生の基本」になりうるものです。
■自分の存在のおおもとをたどる「へそ道」とは?
「へそ道」の「へそ」とは、お腹についている「へそ」のことです。
ご存じのとおり、私たちは生まれてくる前はお母さんと「へその緒」でつながっていました。そして、お母さんはおばあさんとつながっていて、おばあさんはひいおばあさんと…。そうやって、私たちはずっとずっと前の祖先からへそでつながってきました。
「へそ道」とは、そのつながりをイメージすることで、自分の根源を意識する生き方。毎日、瞑想するように、へそを介した先祖からのつながりをイメージしつづけると、次第に自分が先祖よりももっともっと遠い、命の根源としっかり結びついていることが意識できるはず。
その安心感はあなたにありのままの姿で生きる勇気を与えてくれ、あなたの悩みや困りごとから、新しい観点を見出させ、前向きにしてくれます。
■「お金」も「モノ」も追いかけない
お金やものや経験など、私たちは何かを手に入れることで、人生を豊かな方向に変えていこうとします。しかし、そのせいで何も手に入らないと思い悩んだり、不安になってしまったりするのです。
「へそ道」はそういう生き方とはまったくちがいます。先祖からのつながりを意識することでもわかるように、「へそ道」は何かを手に入れようとするのではなく、自分自身をどう捉えるか、または自己へのイメージを変えることで、人生をいい方向に向かわせようという生き方。
自分以外のものを追いかけている限り、悩みは尽きません。しかし、大切なものはすべて、先祖から綿々と続いてきた歴史の中、つまり自分の中にあると考えれば、これまで気に病んできたことはすべてささいなことだと思えるようになるはずです。
少し観念的な話ではありますが、本書には「へそ道」について、よりわかりやすい解説がされており、気持ちを安らかに、毎日の幸福をはっきりと感じられる生き方へのヒントを与えてくれます。
生きているからには、誰もが幸福を求めているはずです。何を得ても、何か欠けている感じがしたり、思うようにいっていない感じがあれば入江さんのいう「へそ」を意識してみると、人生の風向きが変わってくるかもしれません。
大阪出身。ファッションデザイナーを経て、アロマセラピスト、大手企業の外部講師として活動。その後、自身の体験から「あなたのままで大丈夫」というメッセージを多くの人に伝えたいと思い、未経験ながら映画「1/4の奇跡~本当のことだから~」(2007年)を制作。映画監督デビュー作であるこの作品は海外18か国も含め、国内外1600か所で上映され、観客動員数は16万人を超える。他に「光彩~ひかり~の奇跡」(2008年)、「天から見れば」(2011年)も発表。全3作品とも日本だけでなく海外でも高評価を得る。また村上和雄ドキュメント「SWITCH」(鈴木七沖監督)では、「ミッション」を生きる女性として出演し、話題となる。著書に『1/4の奇跡~もう一つの、本当のこと~』(三五館)、絵本作家のぶみとのコラボ絵本『おへそのさき』『わけたらふえる?』(しちだ・教育研究所)プロデュースした本に「すべては今のためにあったこと」海竜社 中山靖雄著がある。現在は自ら考案した「へそ道」のワークショップを主宰。国内外にて精力的に活動を続けている。