- 定価:
- 1,400円+税
- ISBN:
- 978-4341132392
あなたは、ネット上で広がるデマに騙されてしまったことはありませんか? まったく何も考えずにSNSでシェアしてしまった…。この世の中にある全ての情報は、みんな正しいわけではありません。マスコミが言っているから、著名人が言っているから信頼するというのは、ある意味、「思考停止」に陥っているといえます。
情報が溢れかえっている時代だからこそ、自分の頭で考える力が必要です。そうしないと、損ばかりしてしまうかもしれません。
『“思考停止人生”から卒業するための個人授業』(潮田、滋彦/著、ごま書房新社/刊)は研修講師一筋25年以上・潮田、滋彦さんによる、ロジカルかつ自由奔放に考える頭をつくるための一冊。「先生」と「ヤマダくん」という2人のキャラクターの対話形式で進んでいきます。
どうして人は「思考停止」になってしまうのでしょうか? その謎を本書の内容から探っていきましょう。
■思考停止に陥っているときに発する言葉
本書の中で、先生のとある問いかけに対して、ヤマダくんは「○○○という解決策はありますが、それ以外は思いつきません…」とお手上げ状態になります。先生はこれを「思考停止状態」と呼び、次のような言葉が出てきてしまうと、それは思考停止であると述べます。
- 忙しくて無理だよ…
- 難しいよね…
- よく、わからないなぁ…
- まぁ、いいんじゃない?
- それは仕方ないよ…
- うちは特殊だから…
- みんなもそうじゃないか…
- 今までは、そうやって来たんだから…
- ちょっと微妙だなぁ…
- できるわけないじゃないか!
本書で紹介されている「思考停止ワード」20個のうちの10個をピックアップしてみました。いずれも、思考を分断し、他の選択肢を排除する言い草です。もしかしたら、あなたが口癖のように使っている言葉もあるかもしれません。
もし、これらの言葉を使ってしまったときは、まず「自分は思考停止しているな」と気づくことがスタートです。その上で、別の選択肢を探るのです。「できない」で終わるのではなく、そこからさらに考える。これが「思考停止状態」を抜け出す一歩になります。
■実は環境そのものが「思考停止」に陥っていることも…
では、思考停止に陥ってしまうのは、その個人が悪いのでしょうか? もちろん、個人の問題もありますが、それだけではありません。
本書では個人の考える力を鍛えるとともに、周囲の人も巻き込んでチームで考える能力をレベルアップする方法もつづられていますが、やはり「思考停止に陥っている」職場の風土には特定の傾向が見られるそうです。
- コンフリクト(意見の衝突)を好まない
- 特定の個人をちやほやする
- すべて「個人の自由」として片づける
- 「チャレンジ=余計な仕事」になっている
- アンタッチャブル」な領域がある
- 「人と違う」ことが否定される
- 忙しさがすべてに優先している
- 一人のカリスマが引っ張っている
- 大きな成功例がある
- 失敗が許されない
いかがでしょうか。あなたの会社はこの傾向に当てはまってはいませんか? これらが蔓延っていると、「思考停止」を生む風土を作りやすくなります。
ただ、何よりも重要なことはこれらに当てはまっているから組織の批判をして終わり、となってはいけません。組織が成長をするために自分は何ができるのかを考えることが大事なのです。
『“思考停止人生”から卒業するための個人授業』では5つのセッションを通して、ロジカルかつ自由奔放に考える方法を身につけていきます。潮田さんは3週間という期間やり続ければ、簡単な習慣化は有効だと述べます。つまり、3週間、自分の頭で考えることを意識し続ければ、その後も考える癖が身につく可能性が高くなるのです。
あなたは思考停止に陥っていませんか? 考えることをやめていませんか? 考える力が身につけば、人生はもっと素晴らしいものになるはずです。
(新刊JP編集部)
- セッション1
「自分の頭で考える力」は、
どうして重要なのだろう? -
- 「自分の頭で考える力」で「思考停止人生」から脱出する
- 「思考停止」になっている人の典型的な口ぐせとは
- 「思考停止」になっている人の典型的な行動とは
- 「 学ぶって楽しい」、「成長するってワクワクする」、「考えるって面白い」……はず
- ビジネスで求められるのは「コンセプチュアルスキル」のある人
- セッション1のまとめ
「自分の頭で考える力」は、
どうして重要なのだろう?
- セッション2
「理路整然」と考える。
で、どうやって? -
- 本質を突いていないアドバイスほど、迷惑なものはない
- 「その場しのぎの対応」で満足していないか?
- 「区別化」は人生に役立つ「味方」である
- 「考える力」と「プレゼン」の関係は、「本質」をとらえることで理解できる
- セッション2のまとめ
「理路整然」と考える。
で、どうやって?
- セッション3
「自由奔放」に考えたい。
でも、それを阻害するものがある! -
- 柔軟に現状をとらえ、それを共有すること……実はそれが難しい!
- 「成功」の反対は、「失敗」ではない!
- 私たちを止めてしまうもの……
「4つのメンタルストッパー」 - 「考える」世界に、「唯一絶対の正解」なんかない!
- 「ゼロベース」思考で枠をとっぱらった時……あなたの可能性が開花する!
- セッション3のまとめ
「自由奔放」に考えたい。でも、それを阻害するものがある!
- セッション4
「ノウハウプラクティショナー」を目指してみよう! -
- 「たった一つの習慣」で、10年後に38倍パワーアップする
- 「ひらめき」を生み出す体質を身につける。~「一日一驚」のススメ
- 「アイディアエクササイズノート」で知恵の化学反応を生み出そう!
- 「本質」を的確につかむトレーニングとは?
- 成長する人生に、「ヒマつぶし」など存在しない。
- セッション4のまとめ
「ノウハウプラクティショナー」を目指してみよう!
- セッション5
「考える力」は自分だけのもの?
~あなたも周囲も「考える人」に! -
- 「考える仲間」がいれば、さらにあなたは磨かれる。
- 「考えるチーム」を作るために、自分でできることは?
- 「考えるチーム」を阻害する風土とは
- 「ネガティブな考え」は、本当にいけないのかな?
- 「信念を他人に押し付けない」ことが、世の中を平和にする
- 「行動」こそが結果を作る……。
それで?? - セッション5のまとめ
「考える力」は、自分だけのものではない - あとがき
潮田 、滋彦
トゥ・ビー・コンサルティング株式会社 代表取締役。米国NLP協会認定NLPトレーナー、DiSC(行動特性分析)認定インストラクター、ハーマンモデル認定ファシリテーター。
大手エンジニアリング企業で海外営業職を経験後、企業内人材開発講師の道へ。
独立を経て、26年間一貫して第一線の研修講師として活動中。講師実績として、一部上場企業を中心に250以上の企業や自治体にて、述べ12万人以上を指導。
登壇時間は1万2000時間以上にも及ぶ。また、受講者の研修満足度が高く、研修のリピート率が95%を超える。現在も年間200日以上のペースで「学ぶことの楽しさ、成長することのワクワク感」を日本中のビジネスパーソンに伝えるために、全国を飛び回る日々を過ごしている。
著書に『知恵の素~アイディアがどんどんわいてくる~』『速習!シンプルに文章を書く技術~読み手をならせる32のテクニック~』(共にPHP研究所)ほか。
● 潮田 、滋彦 WEB サイト http://www.to-be-consulting.jp/
- 定価:
- 1,400円+税
- ISBN:
- 978-4341132392