新刊JPトップ > 特集 > 新刊JP FEATURING「世界恐慌を読み解く三冊」

書評

現在、世界の経済は未曾有の金融危機に直面し、新たな局面を迎えている。
この金融危機をFRB前議長のアラン・グリーンスパンは、「100年に一度の津波」と評し、過去に例を見ないグローバルでエキゾチック(複雑)なこの金融危機の前に、誰も解決の糸口を見いだせないでいる。
だからこそ、我々自身が現在の状況を理解し、各々で考え、対処していかなければいけない。

本書は、『週刊エコノミスト』の特集「危機の経済学」に寄稿した、経済界の著名人19人の原稿によって構成されている。根幹のテーマは現在の金融危機に関することだが、それぞれの意見や切り口は全く異なり、多角的な視点から現在、そして未来の日本と世界の経済を分析している。語り口は平易だが、示されている内容は決して単純ではない。

米金融危機を受けて、単純に「この危機を引き起こす一因となった新自由主義的発想には反対だ!」などと批判するのは簡単かもしれない。
しかし、その前にまずは主要な経済の理論を学び、多くの見識にふれることが重要である。
その入り口として、本書は入門となる最適な一冊であるといえよう。

(新刊JP編集部)

関連本

マネー経済入門

本書の冒頭にこんな言葉がある。
「一般の個人投資家がバブル崩壊で悲観的になり、投資を控えている間にプロの投資家は、既に『次のバブル相場』でいかに儲けるかに照準を合わせ始めているものである。」

の言葉をそのまま受け取るならば、今まさにプロの投資家達は作戦を練りながら『次のチャンス』を待っているのだ。

バブルは繰り返す、次は2010年だ、と著者は述べる。
過去のバブルの事例、その主役達、繰り返しのメカニズムなど金融に詳しくなくとも理解できる簡潔さで本書は綴られている。

今徐々に風速を増しつつある金融危機をチャンスに変えるには?
来るべき「次のチャンス」に向けて。戦略を練る猶予は、まだある。

エキゾチック金融危機

サブプライムが発端となった金融危機の全貌を理解するには、ヘッジファンドの理解が不可欠である。そして、彼らの行動を理解することは、外国人投資家の先導する、複雑で難解なエキゾチックな経済世界を理解することにつながる。

本書では、複雑な金融危機を理解する入門書として、金融取引を知る上での主要なキーワードであるヘッジファンドの主要なプレイヤー、歴史、戦略について詳述している。
それが理解できれば、現在の日本の置かれている深刻な状況を直視できるだろう。

日本で初めてヘッジファンドと取引した著者が鳴らす、現在の日本への警鐘をぜひ聞き取って欲しい。




書籍情報

  • 書籍名:世界恐慌を生き抜く経済学
  • 出版社: 毎日新聞社
  • 著者名:エコノミスト編集部
  • ISBN: 4620530115
  • 書籍税込定価:1000円
  • 出版日: 11月20日

目次

  • 第1章 金融危機を経済界から学ぶ
  • 第2章 世界経済の今後を読む
  • 第3章 経済学で理解する
  • 第4章 経済理論で知る