書誌情報
- 単行本(ソフトカバー)
- 出版社: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 著者:勝間和代
- ISBN-10: 4887596391
- ISBN-13: 978-4887596399
- 発売日: 2008/6/15
目次情報
- 第1章「ビジネス思考力」を定義する!
- 「ビジネス思考力」を定義する!
- なぜ今、「ビジネス思考力」が必要なのか
- ベストセラーに見る労働環境の変化と市場のニーズ
- 「教えて君」から脱却しよう!
- 思考の六つの段階
- ブルーム博士の思考の六段階モデル
- 知識のレベルで思考を止めない!
- ビジネス思考力をつけることで得られる五つの果実
- ビジネス思考力はコツさえわかれば、日常生活で習得が可能
- 第2章ビジネス思考の基礎となる7+1の力
-
まずは「フレームワーク力」のお話から
- 基本的なフレームワーク21選!(カラー図解つき)
- 既存のフレームワークから新しいフレームワークをつくる
- 書籍の知恵をフレームワークで整理するクセをつける
- 「○○○力」とは何を示すのか、というと
- 第3章 一つめの力 論理思考力
- 論理思考をわかりやすくいうと
- そもそも、「論理」って何?
- 論理思考力を身につけるための三つのテクニック
- MECEに分類するクセをつけるほか
- 論理思考力を身につけるための四つの実践方法
- 「なぜ5回」を繰り返すほか
- とはいえ、「あと知恵バイアス」には注意!
- 第4章 二つめの力 水平思考力
- 水平思考力をわかりやすくいうと
- デノボの有名な問題
- 想定した範囲以外から解を出す
- 水平思考力を身につけるための三つの基本テクニック
- 自分が無意識に使ってしまっている前提を疑うほか
- 水平思考力を身につけるための四つの実践方法
- 種になりそうなアイデアの量をとにかく増やしてみるほか
- 第5章 三つめの力 視覚化力
- 視覚化力をわかりやすくいうと
- 視覚化力をつけるための三つのテクニック
- 画像が持つパワーを理解し、効率的な情報処理方法として活用するほか
- 視覚化力を身につけるための四つの実践方法
- フォトリーディング+マインドマップをマスターするほか
- 第6章 四つめの力 数字力
- 数字力をわかりやすくいうと
- 画像の対極、数字の世界
- 数字は、正確な情報共有のためのもの
- 数字を組み合わせる力は創造性につながる
- 数字力を身につけるための三つのテクニック
- 数字の意味を知るほか
- 数字力を身につけるための四つの実践方法
- 政府発表や世論調査、企業データなどの数字を見る習慣をつけるほか
- 第7章 五つめの力 言語力
- 言語力をわかりやすくいうと
- 言葉は実は非常に高度なテクニック
- 言語力を身につけるための三つの基本テクニック
- なるべく多くの知識・説明を知るほか
- 言語力を身につけるための四つの実践方法
- 読書・読書・読書ほか
- 第8章六つめの力 知的体力
- 「評価」のフレームワーク
- 知的体力をわかりやすくいうと
- 「多重知性理論」(マルチプル・インテリジェンス)
- 心は身体の中にある?
- 知的体力を身につけるための三つの基本テクニック
- 身体と頭の関係を理解するほか
- 知的体力を身につけるための四つの実践方法
- ブレインジムの体操を行うほか
- 第9章七つめの力 偶然力
- 偶然力をわかりやすくいうと
- 偶然力を身につけるための三つの基本的なテクニック
- セレンディピティの定義をもう一度振り返る
- 偶然力を身につけるための四つの実践方法
- よいチャンクを集めるほか
- 最後に
- 巻末お薦め書籍・アイテム・URL 50
勝間和代氏の著書は「外れがない」とよく評される。
全て実用的で分かりやすく、尚且つ新しい。
最新刊となる本書もそれに漏れることなく、読み応えのある内容となっている。
さて、本書では「フレームワーク」をテーマに書かれている。そもそも、「フレームワーク」とは何か分からない人も多いと思われるので、その定義を本書から引用させてもらうと、以下のようになる。
現実を観察する方法として構成する、仮定、概念、価値、慣行の集まり
簡潔に述べると、「何かの概念や考え方を自分なりに束ねて、整理をして、考えやすくするもの、覚えやすくするもの」である。例えば言葉。これも1つのフレームワークである。
「リンゴ」という言葉を見聞きして想起されるのは、まさしく果物の「リンゴ」である。しかし、この「リンゴ」を解体すると、例えば色や形、匂いといったものから、味、歴史、使用用途、樹木など様々な要素からイメージが成立していることが分かる。つまり、「言葉」はさまざまな細かい要素をそれぞれの場所に当てはめて1つにまとめる「フレームワーク」としての役割を果たしているのだ。
これをビジネスに当てはめてみると、「戦略の3C」や「マーケティングの4P」「5W+1H」などのものは全てフレームワークにあたる。
本書ではこのフレームワークの基本的な考え方から、どのように身に付けていけばいいかなどを事細かく説明してくれる。
ビジネス思考力は一朝一夕で身につくものではない。ビジネス思考力という癖をつけるには毎日の鍛錬も必要である。勝間氏自身も、「ビジネス思考力だけで成り立ってきたような企業に長年勤めてきた」という環境のもとで、鍛えられてきたのである。
勝間氏も本書の中で次にように言っている。
大事なことは、自分でフレームワークをさまざまな経験や学びの中から1つでも多く見付だして、頭の中で整理し、更に新しいフレームワークを作っていくことになります。フレームワークは言葉を紡ぐことと同じで、概念を言葉に昇華することで、新しい考え方や知識を身につけることができるのです。ですから、できれば、フレームワークも一つ一つ、自分で見つけていってほしいのです。
本書を読んだから、ビジネス思考法が身につくのではない。読んだあとに起こる、あなたの意識と行動の変化こそが、この思考法を身に付けるための最大の要因であることを忘れてはならないことを付け加えておく。
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東京都生まれ。経済評論家(兼公認会計士)。慶應義塾大学商学部卒業。早稲田大学ファイナンスMBA。現在、早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程在学中。
当時最年少の19歳で会計士補の資格を取得した後、21歳で長女を出産。在学中から監査法人に勤めるが、ワーキングマザーとしての働きにくさから外資系企業に転職。
以後、アーサー・アンダーセン(公認会計士)、マッキンゼー(戦略コンサルタント)、JPモルガン証券(ディーラー・証券アナリスト)を経て、経済評論家として独立。生活感覚と専門知識を共に持つのが特徴。男女共同参画会議「仕事と生活の調和に関する専門調査会」専門委員。
会計・ファイナンスおよび少子化・ワークライフバランス問題に特に強い。ウォール・ストリート・ジャーナル、フィナンシャル・タイムズ、ビジネスウィークなど、海外メディアにもコメントが多く掲載されている。
2005年、ウォール・ストリート・ジャーナルから、「世界の最も注目すべき女性50人」に選ばれる。2006年、エイボン女性大賞を史上最年少で受賞。2008年5月、第1回ベストマザー賞受賞(経済部門)。3児の母。
著書に、『無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法』『無理なく続けられる年収10倍アップ勉強法』『勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『会社でチャンスをつかむ人が実行している本当のルール』『猪口さん、なぜ少子化が問題なのですか?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、共著)、『効率が10倍アップする新・知的生産術』(ダイヤモンド社)、『お金は銀行に預けるな』(光文社)、『勝間式「利益の方程式」』(東洋経済新報社)、『決算書の暗号を解け!』(ランダムハウス講談社)などがある。
印税寄付プログラムChabo!参加著者。