この朗読CDは、分かりやすく直された日本文学に特殊な音響技術を用いることで、聴覚・脳幹を刺激しながら、より臨場感のある朗読を耳から直接聴くことができます。
音楽を聴くと音の三要素である、高低・強弱・リズムにより言語的記憶や注意・集中力が改善し、気分も前向きになり、そして癒しの効果があることは古くから知られております。
耳からの情報は単に脳に情報を伝えるばかりではなく脳幹を通ります。脳幹は血液循環・呼吸・体温調節・睡眠などをコントロールする中枢であり、生命活動にはなくてはならない最も重要な部分ですが、多忙で時間的な余裕が持てず常に心身が緊張状態にある方は、過剰なストレスのため不安定になりがちです。
そこで、心地よい音読のリズムを、就寝前や空いた時間などに聴くことは、脳や脳幹の働きを安定させ、リラックス感、充実感が得られ、生活リズムの是正へとつながるのです。昔読んだ懐かしい記憶を思い起こし考えることは、認知症の回想法であり老化防止対策も期待できます。
「蜘蛛の糸」
大正7年(1918)、芥川龍之介26歳のときの作品で、鈴木三重吉が創刊した児童雑誌「赤い鳥」第1号に発表された。芥川が子ども向けに書いた童話としては初めてのもの。
極楽から地獄を見下ろしていたお釈迦様が、地獄にいる かん陀多がかつて善行をしたのを思い出して、… 続きを読む
「よだかの星」
生前未発表の作品だが、大正10年(1921)、宮沢賢治25歳ごろの執筆と考えられている。
みにくい顔をした鳥のよだかは、ほかの鳥たちからさんざん悪口を言われ、鷹からは「名前を変えなければつかみ殺す」とおどされて、悩み苦しむ。毎晩カブトム… 続きを読む
「トロッコ」
大正11年(1922)、芥川龍之介30歳のときの作品で、総合雑誌「大観」に発表された。
鉄道敷設工事の土の運搬に使うトロッコに魅せられた8歳の少年、良平。作業員とともにトロッコに乗ることができて喜んでいたが、トロッコが遠くまで来てしまい、日も暮れてきたので不安になる。「おまえは
… 続きを読む
「美しい犬」
昭和22年(1947)、林芙美子43歳のときの作品で、童話集「狐物語」に収められた。
戦争中、野尻湖の別荘で飼われていた、茶色の美しい毛並みのポインター犬。飼い主の外国人がいなくなって、野良犬になってしまう。どうにか食べ物をあさってその日暮らしをしていたが、それももうでき… 続きを読む
「魔術」
大正9年(1920)、芥川龍之介28歳のときの作品で、児童雑誌「赤い鳥」に発表された童話。
魔術師として高名なインド人のミスラ君を訪ねた「私」。「魔術を習おうと思ったら、まず欲を捨てることです。あなたにはそれができますか」と言われて、「… 続きを読む