ブックナビゲーター矢島「本日は『スポーツから気づく大切なこと』の著者である中山和義さんにスタジオに来て頂きました。中山さん、今日はよろしくお願いします」
中山「よろしくお願いします」
矢島「スタジオにすごいカッコいい人が来てしまったなぁ、とドキドキしているんですけれども(笑)、まず、中山さんのプロフィールとこの本を執筆されたきっかけを教えて頂きたいと思います」
中山「私はですね、日本メンタルヘルス協会の公認心理カウンセラーっていうのをしていまして、そうした心の問題と、緑ヶ丘テニスガーデンというテニススクールも経営していてですね、コーチもやってますんで、そちらの指導の方と両方やってるんですね。
それでよく生徒さんがいらっしゃるんですが、テニスをやる動機が、「身体を動かしたい」とか「痩せたい」といったことなんですね。でも、子どもも来るんですが、子どもっていうのはそういう動機とはちょっと違っていて、親とかに無理やり連れてこられるんです。で、最初は嫌々ながら来るんですけど、だんだんとプレーが上手くなってくる。すると、生き生きしてくるんですよ。
大人の方もそういう変化がありまして、「身体が痩せればいいや」って思ってきた人がスポーツをやっているうちにいろいろ変わってくるんです。積極的になったり、性格が明るくなったりするんです。そういった姿を見ていて、スポーツは「痩せる、だから運動して下さい」っていうものとは違うんじゃないか、と。それを皆に伝えたいな、というのが今回書いた動機ですね」
矢島「なるほど。昨今、健康ブームみたいなのがあって、身体を動かすのは健康のためとかダイエットのためというような風潮がありますけれども、スポーツをやっている、スポーツを教えている身からすると、それ以外にも大きな効果があるんだぞ、と。それがこの本を書かれたきっかけだったんですね」
中山「僕の感覚では、身体が痩せるとか身体が鍛えられるというのは10%くらいの感覚なんですよね。スポーツにハマっている方っているじゃないですか。そういった人に聞いたら、身体を鍛える目的でスポーツをやっているって答える人は少ないんですよ。それよりも、友達が出来たとか、自分が集中しているのが楽しいとか、違う動機の方が多く聞くことができるんです」
矢島「なるほど。実はまだ新刊ラジオで話したことないんですけど、僕、中学生の頃にバレーボールをやっていたんですよ」
中山「そうなんですか」
矢島「だから、集中力っていうのはすごく分かるんですよ。テニスとバレーボールって、ちょっと似ているところがあるじゃないですか。ネット挟んで相対する、というところで。チームでやるっていうのもテニスはダブルスありますから。
で、それで本を読んでいて共感するところがあって、相手に挑発されたからイラッとしたとか、あと1点取られたら負けっていう…マッチポイントですね。あれはバレーボールもすごく緊張感があって、あれを上手く返してジュースに持ち込んだりするとすごい気持ちいいんですよね」
中山「そうなんですよね。スポーツってすごい追い込まれるときがありますよね。絶対取らなきゃいけない!っていう場面とか。バレーボールなんか特にチーム競技なんで、お前のせいで負けたんだろって言われたくないみたいな(笑)」
矢島「ありました、ありました(笑)」
中山「その緊張感って身体が覚えているんですよね。で、他の場面、例えば仕事でプレゼンテーションをする場面で、緊張したときにそれ自体はもう忘れているんだけれど、心はその緊張感を覚えているんですよね。で、もしそのときに試合に勝っていればね、今度も絶対緊張を超えて上手くいくっていうのが心の中で分かっている。成功体験っていうんですけど、これを持っていると強いですよね」
矢島「実はこのインタビューに際してですね、新刊JPのスタッフにいろいろ聞いてみたんですよ。で、ちょうど高校の頃に剣道をやっていたスタッフがいまして、彼に「剣道やっていて良かったことは?」って聞いたら、「それまでずっと自分に自信がなかったんだけども、武道だし、戦う競技だから強くなったって自信が出てきて、自分に自信が出た」って。あ、なるほど、と。スポーツっていっても球技だけじゃなくて、武道でもやっぱりそういう風に感じるんだなーって思いましたね。
で、次に中山さんにお聞きしたいのが、スポーツには個人競技とか団体競技とか、また球技と陸上競技、武道、格闘技なんていう風にいろいろあるんですが、どんな人にはどんな競技がオススメだっていうのはありますか?」
中山「だいたいですね、テニススクールに来る人っていうのはちょっと孤独な人が多いんですよ(笑)」
矢島「孤独な人が(笑)意外ですね」
中山「あの、明るい人っていうのは、皆を誘って「テニスやろう!」って言ってやったりするんですよね。あと、テニスとか個人競技の場合はちょっとわがままな人が多い。やっぱり自分の道を行くというか、自分の努力がすぐ自分に返って来るじゃないですか。
サッカーとかをやる人は、みんなと仲良く!っていう方が多いですよね。で、今からスポーツを始める方に勧めるとしますと、あえて逆のスポーツがいい気がしますよ。」
矢島「逆というと?」
中山「例えば会社の社長さんとかで我が道を行く!みたいなワンマンな方は、かえってサッカーとか、みんなでやるようなスポーツですね」
矢島「会社の社長という立場関係ないですからね」
中山「そうですね。逆に普段マネージメントとかやって、皆の輪を保つような仕事をやっている方は、やっぱりそこでストレスが溜まると思うので、こう自分勝手に出来るテニスとかの方が(笑)」
矢島「なるほど。今いる自分の立場と逆のことをやってもいいのかなっていう」
中山「そうですね」
矢島「それは面白い発想ですね」
中山「特に社会人の方はね」
矢島「じゃあ僕はいつも一人でスタジオで喋っていることが多いので、チームワークを発揮するスポーツをやろうと思います(笑)
それでは最後にですね、読者の方にですね、この『スポーツを気づく大切なこと』を読んだ方、もしくは読む方にメッセージを頂きたいと思います」
中山「これを読まれると、おそらくスポーツをやりたくなると思うんですよ。それと同時にですね、昔、スポーツを一生懸命やっていた自分…これはスポーツじゃなくてもいいんですよね。小学校のときに逆上がりに挑戦して初めて出来たときとか、縄跳びをやって初めて二重跳びが出来たときの感動ってありますよね。そういうのを、これを読みながら思い出してもらえると嬉しいと思います。
また、スポーツに関する仕事をやっているんで、是非とも、またスポーツをやってもらえると嬉しいですね」
矢島「僕もですね、昔のさわやかな気持ちを思い出しました。というわけで、本日お越しいただいたのは中山和義さんでした。今日はありがとうございました!」